1. トップ
  2. 子育て・育児
  3. さいたま市保育課に聞いた「食物アレルギーに苦しむママに今してほしいこと」

さいたま市保育課に聞いた「食物アレルギーに苦しむママに今してほしいこと」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


多くのママたちが心配している「食物アレルギー」。とくに離乳食時期は、用心しすぎて自己判断でスタート時期を調節したり、食材を制限したりするママもいます。
そんな現状を受けて、さいたま市の保育課が市内の保育園児を対象に大規模な食物アレルギー調査を実施。食物アレルギーに苦しむママたちの現状が、よりはっきり見えてきました。
保育課の管理栄養士である福島雅子さん、中野綾子さんにお話をうかがいました。

さいたま市で大規模な食物アレルギー調査を実施

さいたま市では、2015年7月に、市内の保育施設166園・1万5233名の子どもを対象に「『保育所等におけるアレルギー疾患生活管理指導表』に関する調査」を実施しました。これは、保育施設などで食物アレルギーの子どもについての「今」を把握し、その上で、よりていねいに正しく対応するためです。

「下記の調査結果を見ると、食物アレルギーを持つ子どもは、全体の約5%(表1)。3大アレルゲンと呼ばれる鶏卵、牛乳・乳製品、小麦は依然として多い印象です。3大アレルゲン以外で多いピーナッツ・魚卵・ナッツ類・ソバは保育園のメニューでは出していませんが、鶏卵、牛乳・乳製品、小麦は日常的に身近な食材なので、注意が必要です」と福島さん。
そして気になるのが、「食物アレルギー児数の割合」では、0・1才児の割合が多いこと。これは「食べられる食材が増え、食物アレルギーが判明する時期のため」といいます。
0・1才ごろに食物アレルギーでも、成長とともに食べられるようになる子が増えてくるよう。そのため0・1才ごろの食物アレルギー対策は、細心の注意が必要となります。







食物アレルギーに関する講演会では、ママたちから大反響が!

さいたま市では、2016年10月15日に「子どもの食物アレルギー」と題して、食物アレルギーの最新情報について、専門医による講演会を開催しました。出席者は720名。医療関係者や保育士などの専門家のほか、食物アレルギーの子どもを持つ親など一般の市民も多かったといいます。
この講演会のあと、「食物アレルギーについて、離乳食教室や母子健康手帳などで情報がもらえると役立つと思います」「子どもを持つ親にとって、会場に来られない人にも指導できるような手段が必要」など、多くの反響が寄せられました。

自己判断で離乳食スタートを遅らせたり、必要以上に除去する親が増えている!

保育課でも、食物アレルギーについて相談を受けることがありますが、その中で、最近気になる傾向があるそうです。福島さんたちは言います。
「本来、5,6カ月でスタートするのが望ましい離乳食を、『念のため』『心配だから』と自己判断で遅らせたり、必要以上に食物を除去してしまう家庭が増えています。そうなると必要な栄養素が不足して発達に悪影響を及ぼしたり、ほかの子と一緒に食事ができないなど、社会生活が制限されてしまうことも。離乳食の開始を遅らせたり、卵や乳製品などの摂取を遅らせても、食物アレルギーは予防できるわけではなく、妊娠中・授乳中にお母さんが卵や乳製品などを除去することも、食物アレルギー予防にはつながらないといわれています。インターネットでも真偽不明な情報が蔓延しているので、保護者も正しい情報をキャッチできないのが現状です」。

間違った食物アレルギー情報に追い込まれるママたち

食物アレルギーへの不安に加えて、子育てが思うようにいかず、産後のホルモンバランスも影響し、うつになるお母さんもいるそうです。
「本来は家族がサポートするものなのに、核家族のため頼る人がいなかったり、ともに子育てすべきお父さん自身も仕事に疲れて余裕がなかったり。そんな時期に、お子さんが食物アレルギーと診断されたママは、本当に大変です。食物アレルギーの専門家は多くはありません。つらい思いをしている中で、相談した相手から正しくない助言をされたり、さらにお母さんが『妊娠中に卵を食べすぎたせいだ』などと追い込むことを言う人もいる…お母さんたちは困り果てているんです」。

正しい情報を伝えていきたい

ママたちを助けるためには、まずは正しい情報を伝えることが重要です。
福島さん・中野さんたちは、保育施設や保護者を対象とした研修会や講演会を年に数回実施しています。要望があれば、直接保育施設に出向いて研修会を行うことも。
また、保育施設や保護者に「食物アレルギーのことで悩んだら保育課に相談して」と、積極的に呼びかけています。相談内容によってはアレルギー専門医へ助言を求め、正しい情報を伝えることを心がけているそうです。

「食物アレルギーの子どもとその家族が幸せに安全に過ごせるよう、さいたま市として取り組んでいきたい」と言う福島さん。その一環として、さいたま市の「食育なび」というサイトでは、食物アレルギーと診断された子ども向けに、卵・乳・小麦不使用のレシピも紹介しています。赤ちゃんが食べるもの、1つ1つが赤ちゃんの体をつくるうえで大切なもの。食物アレルギーのことで迷ったら、自分が住んでいる自治体に問い合わせるのも1つの手。ママたちにも、情報を精査し、正しい情報をキャッチする目が必要です。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

「食育なび」http://www.saitamacity-shokuiku.jp/

■「アレルギー」に関するおすすめ記事
最新研究による新事実!生まれてすぐからの肌ケアが、食物アレルギー予防に!

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

子育て・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  

新着記事

新着記事をもっと見る