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「とっさに子どもに手をあげそうになってしまった…」そんなときどうする?専門家がアドバイス

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●写真はイメージです 写真提供/ピクスタ

「子どもに手をあげてしまったことある?」について「たまひよ」アプリユーザーにアンケート調査。手をあげそうになった時の対応について、青山学院大学教授の菅野幸恵さんに教えてもらいました。

子どもに手をあげそうになった、とっさに叩いてしまった!そんな時どうする?

アンケートでは、叩いてしまったシチュエーションと理由について聞きました。

Q:お子さんを叩いてしまったことはありますか?
ある 27%
ない 73%

◾️急かすために叩いてしまった
「話が通じるようになって、何度言ってもやらない、言うことをきかない、ずっとふざけている時や、自分に余裕がない時に、急かす感じで手を出してしまいました。怒ってしまったことに反省…」(がち)

◾️つい手が出てしまった
「イヤイヤ期で本当に何を言ってもダメで手が出てしまいました。ちゃんと本人が理解できたら、叩いてごめんねって謝りました」(ま)

◾️自分の余裕がない時
「待つ余裕がなかったり、体がしんどかったり、疲れている時。何回、注意しても子どもがして欲しくないことをやめなかった時。カッとなった瞬間です。時間をおいてから、謝りました」(ただのまる)

◾️睡眠不足からの産後うつ傾向に
「睡眠時間が削られたり、私が寝入ってから30分でギャン泣きされた時は、かなりイライラして、お腹の横の部分を叩いて『うるさい!』と言ってしまいました。その後の健診で、産後うつの傾向があると診断されました。今でも夜泣きはありますが、なるべく早めに寝て睡眠時間を確保するようにしています」(くろだ)

◾️ついとっさに
「子どもが危ないことをしていた時。ごめんねという気持ちはあるが、危ないと思ってとっさに出てしまった」(mk)

◾️子どもも自分も泣いた
「妊娠後期の動けない時期に、子どもも精神的に不安定になり、すぐに癇癪を起こして物に当たり散らしたので、たまらず叩いてしまいました。子どもも自分も泣いていました…」(あんころ)

◾️暴れて泣いた時
「毎日怒っていて忘れたのですが、とにかく暴れて泣いていたと思います。叩いたり腕を掴んで叱ったりするのは、やめようと夫と決めました」(にこにこ)

◾️我慢するようにしても爆発することが
「叩くのは滅多にしませんが、上の子が早くしなきゃいけない時にどうしても言うことを聞かなくて、気持ちが焦ってついキツく怒ってしまいます。次から次へと付け足すように屁理屈などを言って、どうしても自分の意志を通そうとした時も怒りが爆発します。なるべく我慢するようにしていますが、爆発すると子どもに当たらないようにですが物を投げたり、怒鳴ってしまったりしています」(MEGUMI)

◾️外出中に何度も注意
「何度注意しても商業施設などで走り回って危なかったので叩いてしまいました。他の人にも迷惑がかかる場面だったので、すぐに止めてもらうためには仕方なかったかなと思います。何度、注意しても止めなかったので」(りさ)

◾️パソコンが水没パニックになって…
「パソコンを使用中、子どもが握っていたおもちゃが机の上のコップに命中し、中の水がパソコンにかかってしまい、私がパニックに。子どもの記録が全てパソコンに入っていたため、データが消えたらどうしようという焦りや悲しさ、憤りなどいろんな気持ちでいっぱいでした。子どもも怒られてギャン泣き、なだめるため子どもを抱っこしていたのですが、無意識におしりを叩いていたようです。あとで『叩いてごめんね』と、子どもに話しながら抱きしめました」(あお)

◾️手は出さないという強い思い
「いろいろやりたいことがあるのにそれを終わらせられないし、子どもが言うこと聞かなくてイライラして固くないもので叩いたりした。私が実の父親からDVを受けていたので再生産しちゃいけないんだと毎回自分を戒めて、いろんな情報を調べて本を読んで自分を納得させました。今もイライラはするけど手は出さないと決めています」(Luka)

「子どもと距離をとるだけでなく、セルフケアとして自分ひとりの時間を作ることも大事」と専門家

つい手を出したり、手を出しそうになったりした時の対応方法について菅野幸恵さんに聞きました。

「アンケート結果を見ると、約1/4の方が、子どもを叩いたことがあると答えています。体験談を読むと、やむにやまれぬ状況で叩いてしまったというケースがほとんどのようです。多くの人は、叩くことはよくないことであると認識しつつも、どうしようもなく手を出してしまったということなのでしょう。
ついカッとなって手を上げてしまったけれど、我に返って、あるいはパートナーなど他者から指摘されて、自分のしていることに気づき、子どもに謝ったりしている人がいることもその証です。

ご存じの方も多いと思いますが、子どもへの体罰は法律で禁止されています。体罰は、子どもに痛みや恐怖心を与えるだけで、一時的な効果はあるものの、なぜそれをしてはいけないかという行為の意味は伝わりません。ただ一時的にせよ効果があるので、それに頼ってしまい、体罰以外の方法が使えなくなってしまいます。また最初は軽く叩いたものが、もっと強くと、徐々にエスカレートしてしまうこともあります。取り返しのつかない事態になる前に、体罰に頼らない子育てが望まれます。

そうは言っても、子どもとの抜き差しならない現実のなかでは、アンケートや体験談のように思わず手が出てしまうことは当然あると思います。その際それ以外の方法がなかったと開き直らず、別の方法があったのではないかとふりかえることが重要です。
心身ともに疲れ切っていたり、外出中周囲の目が気になって、叩いてしまったりということもあるでしょう。危ないと思ったら、別室に逃げ込み一時的でもよいので、子どもとの物理的距離を取りしましょう。少し気を落ち着かせることで、冷静な判断ができるようになります。

そして、子どもを守るためにも、自分を労わりましょう。体験談では睡眠時間を確保するようにしたという方もおられましたが、そのようなセルフケアはとても大切です。パートナーに子どもを預けたり、一時保育を利用したり、自分ひとりの時間を作るのもおすすめです。

お子さんが小さいと、子どもと自分だけの世界に閉じこもりがちです。子育ての悩みを打ち明けられる仲間を作りましょう。子育て支援センターや保育所等で行っている電話相談を使うものひとつです。切羽詰まった自分の気持ちを受け止めてもらうだけでも違います。そして、手を出す前に止められるようにしたいですね」(菅野幸恵さん)

誰しも叩いてはいけないことを理解していますが、とっさに手が…ということも。“とっさに”を少なくするためにも、ひとり時間など大人のセルフケアも大事ですね。
(取材・文/酒井範子、たまひよONLINE編集部)

※文中のコメントは「たまひよ」WEB・アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年12月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数148人)
※記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

菅野幸恵さん

PROFILE)
青山学院大学コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについて。著書に、『つながりの子育て―子どもをまんなかにしたコミュニティづくりを、問いなおそう』(理工図書)『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)などがある。

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