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乳がんの罹患率は11人に1人!20代からのセルフチェックを習慣に

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iStock.com/Wavebreakmedia

赤ちゃんと、家族との幸せな未来のためには、ママの体調管理が欠かせません。近年、メディアなどでも取り上げられ、社会的にも関心が高まっているのが乳がんです。2017年には、フリーアナウンサーの小林麻央さんが闘病の末に亡くなり、大きな注目を集めました。

現在、日本では、乳がんの罹患数は増え続けています。年間罹患数は11万人で、罹患率は11人に1人。乳がんで亡くなる方は、年間1万4000人にのぼるといいます。ただ一方で、乳がん検診を受診していない人や、どんな検査をするのかよくわかっていない人が多いのも事実。乳がんは、早期発見・早期治療すれば、多くの場合は治る病気と言われています。

関連記事:【妊婦とがん】知っておいてほしいこと②乳がん編

乳がん検診の内容やセルフチェックの方法をくわしく知るために、総合健診センターヘルチェックが主催する乳がんセミナー(2018年1月東京・新宿区)に参加してきました。

乳がん検診について知っておきたいこと

乳がんについて、そして予防や対策についてもっと知ってもらいたい、というコンセプトのもとに開かれた今回の乳がんセミナー。医師や看護師による、乳がん検診の基礎知識やセルフチェックの方法など、興味深い内容が満載でした。

「今、日本では乳がんの罹患数・死亡数ともに増え続けています」と語るのは、ヘルチェック横浜東口センター長・芹澤誠一先生。
「ライフスタイルや食生活の変化、出産年齢の高齢化などが原因の1つといわれています。日本での罹患数は、女性11人に1人。アメリカではさらに多く、8人に1人の割合。一方で、アメリカでの死亡率は減少傾向にあります。それは、乳がん検診の受診率が高いからなのです。アメリカでは検診の受診率が80%程度ですが、日本では40%程度しかありません。そのため、健診の受診率を上げていくことで、早期発見・早期治療が可能になり、今後の死亡数が減っていくことも期待されています」

乳がん検診はなぜ必要?検査方法は?

「乳がんのほとんどは、しこり石灰化によって、見つけることができます。乳がんの検査には、医師が実際に見たり触れたりする『視触診』に加え、『超音波検査』『マンモグラフィー』があります。それぞれ特徴があり、超音波検査は腫瘤(しこり)の発見に、マンモグラフィーは乳がんの初期症状である石灰化(乳腺の中にできるカルシウムの沈着物)の診断に適しています。とくにマンモグラフィーは、小さな石灰化の発見に適しているため、がんを早期発見することが可能になります。

検査方法は、乳腺の濃度や年代によって変わります。一般的には年代が上がるに伴い、乳腺の濃度が低下すると言われています。マンモグラフィーでX線撮影を行うと、がんのしこりは白く写るのですが、乳腺の濃度が高い場合は乳房全体が白く写ってしまい、しこりを見つけにくくなるというデメリットがあります。そのため、乳腺の濃度が高い人(一般的には20~30代)の検査には、しこりを見つけるための超音波検査をおすすめしています。徐々に乳腺の濃度が低くなってくる40代を過ぎると、石灰化が発見しやすいマンモグラフィーをメインにすることが多いようです。
ただし、年代を問わず乳腺の濃度については個人差が大きいため、年代のみで検査方法を限定する前に、自分の乳腺濃度に適した検査方法を相談することが大切です」(芹澤先生)

受診のタイミングは?

「乳がんは、検診と検診の間のセルフチェックで見つかることもあります。数カ月単位で進行する場合もあるので、年1回の健診では見つけられないこともあるのです。ぜひセルフチェックを習慣にしてください。

一般的には、20代は月1回のセルフチェック、30代は月1回のセルフチェックに加えて年1回の超音波検査。40代以降、月1回のセルフチェックに加えて年1回の超音波検査+マンモグラフィーを受けることがすすめられています。
ただし、負担が大きい場合は、1年ごとに超音波検査とマンモグラフィーを交互に受けてもOK。個人差があるので、医師とよく相談してください。
また、家族や親せきに2人以上の乳がん患者がいる場合は、遺伝性乳がんの可能性が高まるので、より若い時から乳がん検診を受けておくことが重要になります」(芹澤先生)

早期に見つけられれば、乳がんは9割が治癒します

乳がんの発症は、40代後半~50代前半がピークとなるのが特徴的で、60代以降から増えてくる消化器系がんや肺がんなどより、若い世代から注意しなければいけない病気と言えます。そのためには、セルフチェックがとても重要になってきます。

「ヘルチェックで健診を受けている方の7割がセルフチェックをしていない、というデータもあります。とくに20~30代の自己検診率が低いですね。いざ始めようと思っても、しこりに触ったこともないし、やり方がわからないという人も多いようです。でも、乳がんは、体の表面に近いところにできるので、自分で見つけられる可能性の高いがん。早期と言われる“1期”までに見つけられれば、90%が治癒すると言われています」(看護師・新井まゆみさん)

セルフチェックは、生理が終わったあとの時期がベスト

セミナー当日は、実際に乳がんに罹られ、現在は早期治療により克服された看護師・佐伯愛さんのお話も聞くことができました。

「乳がんを見つけたのは2年前、41才の時でした。入浴中に右乳房に触れたとき、かたいしこりを感じたのです。すぐに検査をすると、同じ乳房の2カ所にがんが見つかりました。
現在は、治療や手術の方法にもさまざまな選択肢があります。私の選んだ方法は、再発のリスクを減らすため、乳腺をすべて切除し、シリコンで人工的な乳房を再構築すること。今では無事に職場復帰しています。手術前後にはつらい時期もありましたし、今後も定期的な検査と治療が必要になります。でも、治療可能な段階で見つけ、すぐに手術が受けられてよかったと思っています」(佐伯さん)

たまたま乳房に触れたときの違和感が発見のきっかけとなった佐伯さんのお話を伺って、セルフチェックがいかに大切なのかを実感しました。

セルフチェックのタイミングと方法は?

それでは、どのようなチェックをすればよいのでしょうか? 看護師でピンクリボンアドバイザーの新井さんが、乳房の模型を使って方法を説明してくれました。

「セルフチェックは、20才からスタートすることが望ましいです。20代での発症率は低いですが、ゼロではありません。大きさや左右差、形など、自分の乳房にどのような特徴があるのか普段の状態を知ることで、小さな変化にも気づくことができます」(新井さん)

チェックの時期は、生理が終わって5日目~1週間前後がベスト。生理前だと、乳房に痛みや張りが出てしまうため、正確な判断がしづらくなります。
おすすめのタイミングは入浴時。ボディソープを使用すると、すべりがよくなって凸凹などがわかりやすくなります。

まずは、服を脱いだ時に乳房を鏡に映して目で見るチェック。湯気で曇らない脱衣場や洗面所の鏡がおすすめ。
両手を上げた状態で下記のAを確認。その後、腕を腰に当てた状態で再度Aを確認します。さらに、浴室で体を洗うときなどにBを確認します。その後おふろから上がったら、あお向けになって再度Bを確認してください。数分程度でできるので、月に一度のチェックを習慣化しましょう。

A【乳房を見るチェック】
□左右の乳房の形や大きさに変化がないか
□乳房のどこかにただれやひきつれ・くぼみはないか
□乳頭がへこんでいないか

B【乳房全体や乳頭を触るチェック】
□乳頭を軽くつまんで、血の混じったような茶褐色の分泌物が出ていないか

※以下の3つのチェックはボディソープを手につけ、4本の指で乳房の表面に『の』の字を書くようにゆっくり動かしながら確認します。鎖骨からみぞおち、わきのしたから胸の中心線まで、広い範囲で行う。確認する乳房の反対側の手で行なうとスムーズ。

□しこりやこぶ状のものはないか
□部分的にかたいものがないか
□わきのしたのリンパ節に、コリっとしたものがないか

「乳がんは50%近くが乳房外側の上の方に発生しやすいので、とくに注意してください。また、乳がんのしこりは“かたくてゴリっとしていて動かない”というのも特徴です。
けれど、しこりや痛みが、すべて乳がんというわけではありません。もし、いつもと違う状態があった場合は、ささいなことでも書き留めておくなどの習慣を。心配なときには、すぐに検査を受けましょう」(新井さん)

「授乳中は、乳腺の状態が通常とは変わってしまうため、正しい診断ができない場合があります。受診のタイミングは、産婦人科などで相談して決めましょう」(芹澤先生)

赤ちゃんのお世話で日々忙しいと、ママ自身のことはつい、後回しになりがちですよね。けれど、ママが健康であることが家族の健康と幸せにつながるもの。授乳中のママでも、セルフチェックをして気になることがあれば、早めに受診を。早期発見で9割が治るということは、月1回のセルフチェックと定期的な検診が本当に大切なのです。
セルフチェックの方法は、健診の際に医師や看護師に相談してみてください。まずは乳がんを“身近な病気”と考え、定期的なチェックを始めてみましょう。(取材・文/松田明子、ひよこクラブ編集部)

■監修/芹澤誠一先生
(人間ドック健診専門医)

■取材協力/総合健診センターヘルチェック 


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