とにかく寝ない!寝かしつけと寝グズリ対策に効果的な3要素とは?専門家に聞く
子どもの寝かしつけ、なかなか寝てくれないと困りものですよね。やりたいことややらなければいけないことが頭をよぎったり、親の方が先に寝落ちしてしまったり。
みんなはどうやって、寝かしつけているのか、「ウチはこれで即寝!」なんていう必殺ワザはないものでしょうか。
「たまひよ」アプリユーザーへのアンケート結果とともに、乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママ(和氣春花)さんに、子どもの寝かしつけについて聞きました。
みんなはどうやって寝かしつけをしているの?
普段、みんなはどんな寝かしつけ方をしているのか、アンケートで聞いてみました。
まず最初にその結果から、ご紹介しましょう。
1位 添い寝 127人
2位 抱っこ・おんぶ 94人
3位 授乳しながら 90人
4位 トントン 70人
5位 その他 44人
6位 寝たフリ 34人
(有回答459人)
回答者は2歳までのお子さんのいる方がメインなので、授乳しながら派も多いですが、添い寝派がトップですね。
「天気が良く、気温も厳しくない日は外に出て気分転換させたり、どうしても寝ないときはドライブに出たりしてます」(ぴの)
「赤ちゃんは勝手に寝ると思っていたけど全然寝ない! 静かに寝ればいいのに、寝る直前までぐずぐず大泣きのこともあり、イメージと違った!」(みかん)
「とにかく寝ない!! 寝てくれなくて自分の睡眠がとれません。他人に頼って頼って頼りまくって寝るしかありません!」(もにりす)
実際に困っているとの声も多数。
そこで、みんなの必殺寝かしつけワザを聞いてみましょう。
「童謡などの子守唄を歌う。絵本を読む」(ひより)
「部屋を暗くしてオルゴールの曲を流す」(あい)
「バランスボールでゆらゆら」(きの)
「絵本じゃなくて、朗読で昔話をする」(まなてぃ)
「反町隆史のPOISONを聞かせる」(オカミホ)
寝かしつけと寝グズリ対策に効果的な3要素とは?
童謡や朗読、オルゴールなど、我が子に合ったいろいろな工夫をして寝かしつけをしているようです。そして、反町隆史さんのPOISON。YouTubeなどでも話題ですよね。
我が子のひどい夜泣きに悩んだ経験から、乳幼児睡眠コンサルタントの資格を取得。睡眠に悩むママやパパをサポートし、YouTubeをはじめとしたSNSでの情報発信や寝かしつけ講座などを行うねんねママ(和氣春花)さんに、子どもの寝かしつけについてアドバイスいただきました。
「寝かしつけに悩むママやパパは多いですよね。
赤ちゃんが寝グズって泣いてしまったり、夜中に何度も起きてしまったりする要因はご家庭ごとに様々なのですが、大きくは『スケジュール(生活リズム)』『睡眠環境』『寝かしつけのクセ』の3つの要素に分けられます。
1つずつ、ご説明しましょう。
■スケジュール(生活リズム)
赤ちゃんにスムーズに眠りについてもらうには、いつも同じ時間に眠くなるようなリズムづくりが大事です。
できるだけ起床時刻や就寝時刻を同じくらいに揃えて、時間になったら身体が眠りの準備をする自然なリズムをつくると良いでしょう。
さらに、誤解されがちなのが“赤ちゃんは眠ければ寝る”ということ。
実はそうではなく、赤ちゃんは眠くなりすぎてしまうと、感情的になって眠りづらくなってしまうのです(脳の理性をつかさどる前頭葉の活動が衰える影響などと考えられています)。
そのため、長時間連続で起き続けていることが“寝グズリ”の要因になっていることも多いのです。目安としては、生後3ヶ月で1時間半程度、6ヶ月で2〜3時間程度、9か月で3〜4時間程度経過したら次の眠りにつかすようにすると良いでしょう(あくまで目安なので個人差があります)。
『起こしすぎていた!』という方は、まず、ここから見直すと、グンと寝グズリや夜泣きを減らすことが期待できます。
■睡眠環境
赤ちゃん自身が快適で寝やすい環境を整えることも大事です。
私たち大人は良かれと思って、赤ちゃんの眠りを妨げる行為をしてしまっていることがあります。
やりがちなポイントを挙げてみます。
・豆電球など明かりをつけっぱなしにする
・自然な光で目覚めるように薄いカーテンにする
・眠たくなる動画で寝かしつけ
・暑い/寒いのにエアコンをつけない
・音楽をかけて寝かしつけ
まず光についてです。人間は光を見ると覚醒するように身体ができています。
そのため、できるだけ真っ暗な環境で寝かせる方が落ち着いて眠ることにつながります。
カーテンからの明かり漏れがあると、朝の4時や5時など日の出とともに目覚めてしまうトラブルにもつながりかねません。
もしもお世話のために明かりが必要なら、足元をぼんやり照らすタイプのライトを、光源が直接赤ちゃんの目に入らない場所に設置しましょう。
動画などのコンテンツを寝る前に見てしまうことも、覚醒につながります。寝る1〜2時間前にはテレビやスマホ、タブレットなどの画面を赤ちゃんに見せないようにすると良いでしょう。
室温については、赤ちゃんは大人よりも暑がりなので、涼しめにすることがポイントです。夏の暑い日はエアコンをかけて、涼しく寝やすい環境を保ちましょう。
また、冬は温めすぎや着せすぎに注意する必要があります。
そして、アンケートでも多かった音楽による寝かしつけについては、音楽をかけたほうがスムーズに寝つけるのであればNGではありません。しかし、赤ちゃんが「鳴っていたはずの音楽が止まっている!」と環境変化に不安を感じて起きてしまったり、眠った後も脳が音楽を追ってしまって眠りが浅くなってしまったりすることにもつながりかねないので、できるだけ小さい音量で流し、眠りにつく瞬間には消音してあげるほうが夜泣きにはつながりにくいと考えられています。
■寝かしつけのクセ
『授乳しないと寝ない』『抱っこしないと寝ない』という場合は、そのクセが原因になってしまって起きていることが考えられます。
『◯◯しないと寝られない』と赤ちゃんが学習してしまっていると、それをしてもらうまで泣いて親を呼ばないといけないと思っているので、夜中でも泣いてしまうのです。
これを解消するためには“自分で寝る”という能力を身につけてもらう必要があります。その手段として『ねんねトレーニング』が用いられることもありますが、必ずしもそれだけが方法ではありません。
大人側も『◯◯しなければうちの子は寝ない』と思い込んでしまっていることがほとんどなので、まずはそれをやめた状態で寝かせるチャレンジをしてみましょう(夜の時間帯が推奨です)。
授乳がなくても寝られる、抱っこでなくても寝られる、という経験を重ねることで、赤ちゃんは学び、“ねんね力”を高めていくことにつながりますよ」(ねんねママ(和氣春花)さん)
赤ちゃんも日々、学習をしているのですね。まずは「起こしすぎ」と「○○をしなければならない」やめることから始めてみます。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
ねんねママ(和氣春花)さん
PROFILE
乳幼児睡眠コンサルタント。株式会社mominess代表。慶應義塾大学卒業。自身が夜泣きに悩んだ経験から国内外の乳幼児睡眠に関する資格を取得。0〜3歳モンテッソーリ教師資格保持。YouTube「ねんねママのもっとラクする子育て情報局」やInstagramなどで発信を続け、2024年現在、SNSの総フォロワーは18万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇×ですぐわかる!ねんねのお悩み、消えちゃう本』(ともに青春出版社)がある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年6月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数459人)
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2022年9月の情報で、現在と異なる場合があります。