夜間や連休に子どもが急病…。あなたの家ではどうしている?判断に迷ったときはどうすればいい?
今回のテーマは子どもの急病についてです。
「たまひよ」アプリユーザーに聞いたアンケート結果とともに、看護師で「こども医療電話相談(#8000)」の相談員も務めている新谷まさこさんにアドバイスをいただきました。
「命とりになったら大変」と夜間や連休の体調の急変にはドキドキ…
最初にアンケート結果から紹介します。
Q:子どもの急病で夜間や休日診療を使ったことはありますか?
ある 37.4%
ない 62.0%
その他 0.6%
ちなみに、「こども医療電話相談」を使った経験について聞いてみると…。
Q:「こども医療電話相談(#8000)」を使ったことはありますか?
ある 37.1%
ない 61.1%
その他 1.8%
夜間診療や電話相談を利用したことのある人は、どちらも約37%でした。
子どもの急病で困った、ビックリしたエピソードを聞いてみると、
「子どもがお風呂場で転んで頭を切ってしまったことがありました。頭なので血がダラダラ出てくるし、当時は仕事の関係で、子どもと2人で田舎に住んでいたので、夜間診療といっても18:30までしかあいている病院はなく、車で街まで行っても2時間半はかかるので焦りました。
いちかばちか病院に電話したところ、夜の8時頃でも診てもらえることになりました。2針を縫うケガで、後日、頭の(レントゲン)写真も撮ってもらいました。結果的に大事には至らずホッとしましたが、ビックリしました」(とも)
「生後2ヶ月のとき、予防接種の副作用で初めて熱が出て困りました。事前に副作用の説明があったため、保冷ジェルで冷やすと1日で熱が下がりました。シート状のものは目を離したときに(はがれて)窒息の恐れがあるため注意してくださいと看護師さんから聞いていたため、保冷ジェルを使用しました」(ぴーまん)
「生後2週間の頃、自分の疲れがピークで沐浴後、目薬と間違えてへその緒の消毒用の薬を子どもの目に入れてしまった。子どもの聞いたことのない泣き声で気づき、夫とともに流水で目を洗い、#7119(救急安心センター)へ連絡したところ、救急車で夜間救急へ受診することになりました。特に処置はなく、目薬を処方されて帰宅、その後も問題なく経過したのでよかったですが、その日は生きた心地がしませんでした」(too)
「ゴールデンウィークの初日に我が子が発熱と食欲不振に。小児科は軒並みお休みで、日中の休日当番医には3歳以下は診察できないと門前払い。夜間救急もコロナ検査しかしてもらえず、原因不明の発熱が連日続きました。連休明けにアデノウイルスと判明して、薬を出してもらい安心しましたが、連休中の発熱は怖いと思いました」(あべちゃん)
いろいろとありますね。特にはじめてのお子さんの場合、心配なこの気持ちはとてもよくわかります。
「どんな症状が命とりとなるかわからないので、1日中心配が耐えません」(マキ)
また、こうした経験も思い当たる人がいるのではないでしょうか。
「子どもが夜、熱と嘔吐があり泣き止まなくて、小児救急電話相談(当時)に電話しました。病院へ行ってくださいと言われ、急いで病院へ。病院に着いて、順番待ちしている間に体調が少し良くなり、先生に見てもらう頃には笑顔も…。良くなってホッとしましたが、ちょっと気まずかったです」(あんずちゃん)
子どもの具合が急に悪くなったときは、まずコレを確認して!
どのエピソードも、そのときは本当に心配で「なんとかしなきゃ!」というママ・パパの気持ちが伝わりますね。そこで、看護師で「こども医療電話相談(#8000)」の相談員を務めている新谷まさこさんに、夜間や休日の際の病気やケガ、不調にどう対処するといいのかをお聞きしました。
「『ついさっきまで普通だったのに、急に顔が真っ赤になって熱が出てしまって…』。
急に顔が真っ赤になって熱が出てしまうなど、急に子どもの体調が悪くなることは乳幼児期によく見られます。
そんなときはまず『いつもと比べて何が違うか』を観察するところから始めましょう。
『いつも好きな○○を渡しても食べない』『今日は朝からずっと抱っこがおろせない』などは、状態が変化していっていると考えます。
乳幼児期は、『したい! 食べたい! 寝たい! 甘えたい! 遊びたい!』と自分の欲求に全力投球の時期です。
それがいつも通りできないのは、体調が悪くなり始めている合図です」
受診の目安
「小児科を受診したら、『飲んだり食べたりできて、寝たり遊んだりすることができるならば、様子をみてくださいね』とよく助言されます。
子どもの場合、何か不調があれば全身状態に影響するからです。
受診の目安は、以下のことがだんだんとできなくなってきたときです。
これをチェック!
いつもと同じ クウ(食欲)・ネル(睡眠)・アソブ(遊ぶ)・ダス(排泄や声が出る等)
受診の目安として『ぐったりしたら病院に行く』とよく言われますね。
このぐったりとは、子どもの『クウ(食欲)・ネル(睡眠)・アソブ(遊ぶ)・ダス(排泄や声が出る等)』がいつも通りできずに、活力がない状態です。
たとえば、授乳しようとしても、乳首に吸いつく体力・気力がなく、ポロリと口から乳首が外れてしまうなどです。
一方で、39℃の発熱があるけれど、いつも通り離乳食も授乳もできて、おしっこもうんちも出たし、顔は真っ赤だけどハイハイで動こうとしているのは、熱はあるものの、ある程度はいつも通りの行動ができているので、ぐったりしていないと考えていいでしょう」
判断に迷ったときの相談先・情報
「子どもの病気やケガは避けて通れないこととは言え、毎日あることではありません。そんなときは各自治体が行っている夜間休日診療を利用するほか、以下の相談先も活用してください」
こども医療電話相談(#8000)
各都道府県が実施している夜間の子どもの救急受診や家庭看護の電話相談です。診断や治療は行いません。15歳までの子どもの相談に特化した相談ダイヤルです。
【電話】 #8000 または各都道府県の固定電話
(主な実施時間は20時から翌朝8時まで)
※各都道府県の固定電話番号、実施時間は厚労省HPにてご確認ください。
(引用:子ども医療電話相談事業実施状況)
救急安心センター(#7119)
大人も含めた救急受診や救急車要請の電話相談です。受診先の案内や救急車要請のサポートをしてくれます。
【電話】 #7119 または各都道府県の固定電話
※各都道府県の固定電話番号、実施時間は総務省消防庁HPにてご確認ください。
中毒110番
誤飲や誤食、薬やたばこ等の薬品や化学製品についての中毒相談です。
大阪 中毒110番
【電話】072-727-2499(365日24時間対応)
つくば 中毒110番
【電話】029-852-9999(365日24時間対応)
インターネット情報「こどもの救急(ONLINE-QQ)」
日本小児科学会が運営しており、受診の目安やさまざまな症状をインターネットで公開しています。状態を選択していくと受診の目安がわかるチャートもあります。
「子どもの体調の変化は、日々一緒に過ごしていると、なんだかいつもと違うなと気づけるようになっていきます。急な病気やケガに慌てるかもしれませんが、一人で抱えてがんばりすぎずに、周りの人や病院、相談機関を遠慮なく頼ってくださいね。応援しています」(新谷まさこさん)
子どもの体調不良はいつの時代も、親の悩みの上位ではないでしょうか。不安なときは紹介したような情報や相談先を活用して、乗り切りたいですね。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
新谷まさこさん
PROFILE)
子育てと仕事.com代表、看護師・保育士。総合病院、保健福祉センター、保育園など、医療や保育・福祉の現場経験を活かし、自身の子育て経験からも保護者視点を大切にした研修を行う。また、現役の看護師として、#8000「子ども医療電話相談事業」の相談員となり、地域の小児医療・子育てや保育支援に関わっている。著書に『子どもの病気・ケガまずの対応マニュアル』(ひかりのくに)など。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年9月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数167人)
※記事の内容は2024年11月の情報であり、現在と異なる場合があります。