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「子育てには、生まれる前からちゃんと準備をして挑んでほしい。準備をしていれば、子育てはもっと楽しめる」子育てがラクになるノウハウを集めた育児本の著者ヨッピーさんインタビュー

更新

2024年9月末、1冊の書籍が刊行されました。タイトルは「子育てがラクになるノウハウを集めた 育児ハック」。ヨッピーさんという男性ライターによるものなのですが、この本、よくある育児本とはひと味違うんです。それは、赤ちゃんにフォーカスをあてるのではなく、赤ちゃんを育てる親が「育児、楽しいじゃん!」と思えるように、効率よく育児をするための具体的な方法をまとめた、ありそうでなかった育児本なんです。なるほど!という発見の多いこの書籍の著者ヨッピーさんに、この本を書いたきっかけやご自身の育児スタンスなどについて聞きました。全2回インタビューの後編です。

▼<関連記事>前編を読む

妻は効率を重視する子育てに葛藤も。でもやってみたらわかってくれた

ヨッピーさんいわく「息子はあまり手がかからないタイプ」。でもそれは、ヨッピー家の効率を重視した子育てのたまものなのかも。

著書「子育てがラクになるノウハウを集めた 育児ハック」において、子育て以外の家事はなるべく圧縮し、便利なものは積極的に活用し、育児についても「効率」を考えることで、子育てをラクにする提案をしているヨッピーさん。赤ちゃんにフォーカスをあてるのではなく、子どもを育てる親がどう動き、工夫すべきかにフォーカスを当てたヨッピーさんの育児本は、ありそうでなかった視点で書かれたものです。

もともと面倒くさがりで、仕事でもなんでも効率を重視する考え方で生きてきて、育児にもその考え方を生かしたというヨッピーさん。しかし、子育てはパートナーがいれば、二人三脚でおこなうもの。ヨッピーさんの「効率が大事!」という考え方について、ママはどう思っているのでしょうか。

「うちの妻は、のんびりしているタイプで、『ヨッピーさんがやりたいようにしたらいいよ』と言ってくれていて、基本的には効率を重視した子育てに賛同してくれています。
ただ、やっぱり葛藤はあったみたいですよ。

たとえば、離乳食。妻は手作りしようとしていたんですけど、僕が『専門家が栄養価を考えたものだし、レトルトを買えばいいよ』って。でも、毎回ベビーフードだと費用もかさむし…って妻は言うんですよね。だけど僕は『高くてもいいの。昼間に何もやることがなければ作ってもいいけれど、共働きなんだから、そこに時間を使うなら、その時間で稼ぐほうがいいよ』って。
家事代行についても、月に2~3万かかるってわかったら『私が掃除するから2万円欲しい』って最初は言ってましたね。

でも、そういうことじゃないんですよ。そこを外注して、仕事をちゃんと続ければキャリアも断絶しないし、将来的に得られるポジションとかが上がって、長期的な目で見れば絶対プラスになるはず。仕事はすればするだけ、キャリアとして積もっていきますからね。共働きだから、そういうキャリアを大事にすることでお金に余裕がでるなら、そのほうがいいじゃんって考えです。

最初はいろいろ言っていた妻も実際にやってみて、なるほどなと感じてくれたみたいです。
意見の食い違いにしても、困ったことがあったときでも、とにかく話し合いですね。それぞれ価値観はありますし、僕は雑だから、妻からすると気に食わない部分って絶対あると思うけど、じゃあどうしようって話し合う。夫婦って、結局意見をすり合わせることが大切なんだと思います」(ヨッピーさん)

子育ては山登りと似ている――。なるほど納得のその理由とは

登山も育児も楽しむためには準備が必要だし、体験しないとみられない景色、達成感、喜びがある。

ヨッピーさんの著書を読んでいると「名言だな」と感じる言葉や表現が、ちょこちょこ出てきます。個人的には「運転と育児も似ている。短時間なら楽勝だけど、ぶっ続けでの運転は疲れちゃう。そんなときに『疲れたでしょ、ウインカー出してあげるね』なんて横から手を伸ばしてこられたら、『いやいや、運転を変わってよ!』って思うでしょ。育児を手伝うっていうのはちょっと手を出すことじゃなくて、その役を変わってあげること」という表現は、言い得て妙だなと思い、思わず付箋を付けた私。そんな名言がいっぱいの著書で、ヨッピーさんがとくに気に入っている言葉を聞いてみました。

「そうですね。僕はやっぱり『育児は山登りと一緒』っていう言葉がすごく気に入っています。僕も子育てをしながら、山登りだなって実感したんで。
山登りって、ちゃんと準備してないとしんどいし、体力がない人がやってもしんどいし、でも登山でしか得られない達成感や充実感もある。けれど、登山をやってない人からしたら、『大変なのになんで山登るの?』って思っちゃうんですよね。お金もかかるし、時間もかかるし、体力も使うのに、なんでわざわざ山に登るのか、理解してもらえない。

子育ても、準備も体力も必要だし大変だけど、子育てした人にしかわからない達成感や充実感もある。ただ、お金もかかるし、時間もかかるし、体力使うし、その意味が理解できない人がいるところも似ているなと思って。
だからこそ、子どもが生まれる前からちゃんと準備をして、育児に挑んでほしいんですよね。そうすることで、子育てを楽しめると思うんです。」(ヨッピーさん)

子育てには準備が必要――。この言葉もあまり言われていないことかもしれません。もちろん、赤ちゃんを迎えるためのモノはみんな準備するけれど、ヨッピーさんの著書にあったような、家事の圧縮や体力についての準備については、初耳と感じる人も多いでしょう。だからこそ、ヨッピーさんは著書を「できれば、子育てを始める前から読んでほしい」と言います。

「とくに冒頭の『どういう心構えで育児に突入すればいいのか』というところは、これから子育てを始める男性に読んでもらって、危機感を持ってほしいと思います。
こういうことを言うと、『だから男は…』って言われる気もするんですが、やっぱり女性は、とつきとおか、赤ちゃんをおなかで育てて、だんだんと重さを感じて、どんどん実感がわいてきて、お母さんになっていくじゃないですか。でも、男はそうじゃないんですよね。妊娠中って、父親としての心の準備が育っていかないんですよ。

妻は妊娠しているけれど、やっぱり自分の体じゃないし、男からしたら、突然赤ちゃんが出てきたって感じる人が多いんじゃないかな。だからこそ、生まれて1カ月の新生児期、男親が積極的にかかわっていくかどうかで、その後20年の子育てがすごく変わってくるような気がするんですよ。
僕も妻の妊娠中、実感みたいなものがあんまりなかったんですけど、生まれてからの1カ月、新生児期は僕がメインでずっとお世話していたら、とにかくどんどんかわいくなってくるんですよね。
そうやって毎日一緒に過ごしているうちに、愛着みたいなものもわいてくるし、その時期の愛着形成は多分すごく大事な気がしているんです。なんかずっと一緒にいたくもなるし、その後の親子関係もうまくいくような気がするんですよね。

だから、そのトリガーになる新生児期の1カ月はぜひ男性に積極的に育児をしてほしい。そういう意味でも最低でも1カ月は育休を取ってほしいんですよね。1週間でも2週間でも取らないよりはましだけど、人生でいちばん大切な1カ月な気がするので。
女性にとってもいちばん大変な1カ月ですからね、そこは夫として一緒に苦労しないとダメでしょ、と思いますね。社会も男性の育休取得を普及させるために圧力をかけてほしいし、夫は何とか取らなくちゃという意識を持ってほしいですね。

あ、もちろん女性にも読んでもらいたいですよ。そして子どもが生まれる前に頑張って夫にもこの本を読ませて、トリガーになる最初の1カ月間を、夫に育児にコミットしてもらえるように関係性を作ってほしいです。夫婦の片方が効率化するぞって頑張っても、もう片方が理解してなければうまくいかないので、夫婦で読んで、育児のスイッチを一緒に入れてほしいなと思いますね。

子どもが小さいうちって、人生における大トロの部分みたいな、いちばんのメインディッシュだと思うんです。だからね、見ているだけで食べずにいるのはめっちゃもったいないぞっていうのを声を大にして言っていきたいですね」(ヨッピーさん)

お話・写真提供/ヨッピーさん 取材・文/酒井有美、たまひよONLINE編集部

まさに目からウロコの新しい育児本の形を見せてくれたヨッピーさん。私も子どもを産む前に読みたかったなと感じました。取材中には「“たまひよ”のイベントにも行ったんです」と“たまちゃん・ひよちゃん”と撮った写真を見せてくれたり、そのワイルドな風貌から想像もしなかった発言が飛び出してきたりして、本当にお子さんがかわいくてたまらないという気持ちと、子育てにしっかり参加している様子を感じました。子育ての新たな価値観を感じさせてくれるヨッピーさんの育児本。悩みのあるママ・パパにも、ぜひ1度読んでみてほしいと思います。

ヨッピーさん(よっぴー)

PROFILE
1980年生まれ。ライターとして、さまざまな媒体で記事を執筆する一方、お出かけメディアの編集長、講演、イベント主催など活動は多岐にわたる。2021年に第1子、2023年に第2子が誕生したことをきっかけに、子育てコミュニティ「ぴよぴぴ」をLINEオープンチャットで設立したり、子育てをしている親にゆっくりおふろに入ってもらいたいという思いから託児銭湯を主催したりと、育児分野での活動も行っている。著書に『明日クビになっても大丈夫!』(幻冬舎)。

ヨッピーさんのInstagram

ヨッピーさんのX(旧Twitter)

ヨッピーさんのNOTE 

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2024年12月現在のものです。

パパもママも必読!子育てがラクになるノウハウを集めた育児ハック

「こんなズボラな僕が、父親をやれるのか?」と不安だったライター・ヨッピーが試行錯誤の末にたどり着いた「子育てをする親」に向けた育児ハック集。「育児はたいへん!と思ってしまう全ての人へ。家事、育児、仕事、すべてを効率化して、ゆとりのある子育てライフを送ろう!」(KADOKAWA)

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