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赤ちゃんが小さく生まれたら…未熟児養育医療制度など知っておきたい公的サポート

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manusapon kasosod/gettyimages

低出生体重児や早産児は、入院が長引いたり、継続的な治療が必要になることがあります。その際には高額な医療費が必要となりますが、医療費を助成してくれる制度を利用すれば、経済的な負担を軽減することができます。

未熟児養育医療制度とは

Ondrooo/gettyimages

未熟児養育医療制度は、体の発達が未成熟なまま生まれた赤ちゃんに対して、必要な入院医療費を助成するものです。

入院費や医療費を自治体が負担してくれます

低出生体重児や早産児は、生まれてすぐに適正な治療を行うことが大切。その際に必要となる入院費や医療費の全額あるいは一部を自治体が負担してくれるのが、未熟児養育医療制度です。保護者の所得に応じて一部自己負担となる地域もありますが、負担分については乳幼児医療助成の対象になります。

対象となるケース・年齢・内容

未熟児養育医療制度の対象となるのは、医師が低出生体重児・早産児と認めた満1才未満の赤ちゃんです。

<未熟児養育医療制度でいう「未熟児」の条件>
①出生体重が2000g以下
②出生体重が2000gを超えていても以下の症状がみられる赤ちゃん
 1.けいれん、運動異常
   ・運動不安、けいれんがある
   ・運動が異常に少ない
 2.体温が34℃以下
 3.呼吸
  ・強度のチアノーゼが持続する、チアノーゼをくり返す
  ・呼吸数が毎分50を超えて増加の傾向にある、あるいは、毎分30以下
  ・出血傾向が強い
 4.消化器系
  ・生後4時間以上排便がない
  ・生後48時間以上嘔吐が持続する
  ・血性吐物、血便がある
 5.黄疸
  ・生後数時間以内に現れる、異常に強い黄疸がある

<対象となる医療費>
・入院費
・入院療養にかかる医療費(保険診療分)
・食事療養費
※低出生体重児・早産児の治療以外の治療行為や、差額ベッド代、おむつ代など、保険適用外と判断される費用は対象になりません。

申請場所と手続きに必要なもの

申請場所は市区町村の役所窓口で、以下のものを提出します。

①未熟児養育医療給付申請書 
②世帯調査書 
③未熟児養育医療意見書 
④健康保険証書のコピー 
⑤認印 
⑥世帯全員分の課税証明書(または非課税証明書)
⑦個人番号(マイナンバー)通知カードなど 
⑧運転免許証のコピーなど本人を確認できる書類

*①②は自分で記入し、③は治療を受ける病院で記入してもらいます。これらの書類は市区町村役場の窓口でもらうか、市区町村役場のサイトからダウンロードします。
*④は赤ちゃんのものですが、まだ手元にない場合は、扶養する予定の人の健康保険証のコピーが必要です。

<一部負担金が発生することも>
未熟児養育医療制度は世帯収入に応じて、一部自己負担金が発生する場合があります。
一部負担金は「世帯所得税額に応じて決められた徴収基準月額」と「実際にかかった医療費・食事療養費の負担額」を比べ、少ないほうの金額を負担します。
ただし一部負担金は、乳幼児医療費助成制度の適用となるため、入院の際の光熱費、おむつ代、治療費などはほぼかからないことになります。

乳幼児の医療助成

赤ちゃん(乳幼児)が病院にかかったとき、治療費を助成してくれるのが乳幼児医療費助成制度です。自治体(区市町村)によって対象年齢、金額などが異なるので、お住まいの自治体に確認しましょう。

乳幼児の医療費助成とは?

乳幼児医療費助成制度とは、赤ちゃんの診察や治療のために支払う医療費の一部または全額を、自治体が助成してくれる制度。助成の範囲や額は自治体によって異なります。乳幼児医療費助成制度を利用するには、赤ちゃんが健康保険に加入していることが必須です。

●助成の方法は2通りあり。お住まいの区市町村がどちらを採用しているか確認を
①健康保険証と乳幼児医療証を病院で提示すれば、その場で助成される
②窓口では全額を支払い、後日、領収書・申請書を役所に提出すると返還される

<ほかの区市町村で医療機関にかかったときは?>
助成を認めない区市町村と、申請すれば助成額相当分を変換してくれる区市町村があります。

対象となるケース・年齢

助成の範囲は自治体によって異なりますが、医療保険の対象となる医療費と薬剤費が対象となるケースが多いようです。対象年齢も自治体によって異なり、4才未満、小学校入学前まで、中学校卒業まで、18才までなどさまざま。詳細はお住まいの自治体の窓口やホームページで確認してください。

手続きの方法

①赤ちゃんの健康保険加入の手続きを行う
→勤め先の健康保険に加入している人は勤め先で、国民健康保険に加入している人は役所で手続きします。後日、赤ちゃんの健康保険証が届きます。
②役所で乳幼児医療費助成の申請をする
→赤ちゃんの健康保険証を持参し、役所で申請手続きをします。
③乳幼児医療証が届く
→後日、乳幼児医療証が届きます。これを病院の窓口に提示すると助成が受けられます。

<高額療養費制度は使えない?>
高額療養費制度とは、1カ月の間にかかった医療費が基準(限度額)を超えた場合、超えた分の金額を健康保険組合などが払い戻してくれる制度。乳幼児医療費助成制度を利用している乳幼児の場合、病院へ医療費を支払うのは自治体で、家族に支払いが生じた場合は保険適用外の部分になるため、高額医療の対象にはなりません。

「未熟児医療費助成の受け方について」体験談

早産児や低出生体重児で生まれた子の医療費を助成してくれる「未熟児医療費助成」を受けたママ・パパに、助成を受けてどんな点がよかったかを聞きました。

●認可前に退院した病院も適用に
 NICUでの治療が必要になるとのことで、未熟児養育医療制度の申請を行いました。1週間ほどで認可されましたが、出産した病院から大きな病院に転院したため、最初の病院は認可前に退院することに。でも、入院費の清算は申請が下りるまで待ってもらえました。(1才8カ月女の子、出生体重:1587g 在胎週数:35週3日)

●おかげでかかったのはおむつ代程度
病院で制度のことを教えてもらったのですが、私は妊娠高血圧症で出産後も安静が必要だったので、パパが病院から詳しい説明を聞き、役所への手続きにも行ってくれました。この制度のおかげで、子どもの入院費用でかかったのはおむつ代くらいでした。(1才5カ月女の子、出生体重:1744g、在胎週数34週1日)。

●2カ月半入院。消耗品以外無料に
 出産後、未熟児医療費助成を受けられると説明を受けました。病院で未熟児養育医療意見書を書いてもらい、必要書類とともにパパが役所に提出。手続きはスムーズにできたそうです。子どもは2カ月半入院しましたが、ミルク・おむつなどの消耗品以外は負担なしです。(1才7カ月男の子、出生体重:1289g、在胎週数:30週4日)

●高額療養費制度で入院費が月3万円に
 高額療養費制度の対象になるとのことで、新生児科の先生が書いてくれた書類を役所に持参して申請。超低出生体重児で保育器に入っていた期間が長かったので、実際にかかった入院費は600万円! でも、支払ったのは(入院費3万円+おむつミルク代月800円)×4カ月分程度です。制度のありがたさを実感しました。(1才男の子、出生体重:694g、在胎週数:28週2日)


赤ちゃんの病気を治療するために費用を助成してくれる制度があるのは、ママ・パパにとって、とても心強いですね。どの制度も自分で申請しないと利用できないので、自治体に確認し、できるだけ早めに手続きを行いましょう。(取材・文/東 裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/守屋三枝先生
特定社会保険労務士。企業や個人の社会保険・労務についての相談業務を行うとともに、キャリアデザインセミナーなどの企業研修トレーナーとしても活躍されています。

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