男女の双子を出産した『ヘラヘラ三銃士』のありしゃん。双子育児は母と夫の3人体制で!破天荒YouTuberから経営者として見せる母の顔とは
2025年6月、男の子と女の子の双子を出産したことを公表した、女性3人組YouTuber『ヘラヘラ三銃士』のありしゃんさん。2024年には一般男性と結婚し、現在、経営者やYouTuberとして仕事をしながら、夫と母親との3人体制で双子育児に奮闘しています。今回は双子育児や女性の働き方について、また母になってからの自身の変化についての話を聞きました。
全2回インタビューの後編です。
母と夫と共有するノートは、双子育児の必需品!そこから泣いている原因が見えてくることも!?
――男の子と女の子の双子ということで、性格は違ったりするんですか?
ありしゃんさん(以下敬称略) うちは二卵性双生児なんですが、性格はおなかの中にいるときから全然違いました。おなかの中で感じていた性格そのままで、生まれてきた感じです。男の子のほうがやんちゃで、女の子のほうが静かな性格。胎動のときから、男の子のほうはドンドンとものすごく動いていて、女の子のほうは、「大丈夫かな?」と思うぐらいに静かでした。
――双子でよかったなと思うところはどんなところですか?
ありしゃん 双子でよかったなと思うことのほうがとても多いです。同じ人から同じときに生まれた双子なのに、うちの場合は個性が全然違うんです。男女というのもあるかもしれないんですけど。2人いるから、いい意味で比較ができます。1人だと、「なんでこんなにミルクを飲まないんだろう」とか「なんでこんなに寝ないんだろう。うちの子だけかな?」と不安になると思うんです。でも家に2人いると、「そりゃ違う子だものね。同じじゃないよね」って思えて、いい意味で納得できます。同じタイミングで生まれたのに、こんなにも違うんだから、それは赤ちゃんごとに違うよな〜と思えるし。それで、臨機応変に対応できることも増えました。
――双子育児で大変なのは、どんなところですか?
ありしゃん 一番大変なのは、やっぱり2人が同時に泣いてしまったときです。でもよく、「双子って大変ですよね」と聞かれるんですけど、自分の中では最初の子どもが双子なので、もちろん1人を育てた経験がなく、2人がデフォルトなんです。だから、これが大変なのかがわからないというのが正直なところです。
ただうちの子たち、ほかの方から聞いてわかったんですが、育てやすいほうみたいです。夜中に泣いて泣いて大変・・・、ということもあまりないんです。今は、動画の中でも泣かずにご機嫌でいてくれることが多いですが、これから自我が芽生えてきて大変になる気がします(笑)
よく、赤ちゃんがどうして泣いているかわからず、「なんで、なんで?」となって、ママが困り果ててしまうことってありますよね。そこでわが家では、子どもたちの様子をこまかく記録をつけて、原因を突き止めながら育てている感じなんです。だから、「なんでなんだろう?わからなくて大変!」というのは、あまりないのかもしれないです。
原因を突き止めるために、私と母と夫の3人で、1冊のノートにこまかくメモをしています。うんちとおしっこをしたとき、ミルクを飲ませたとき、そのほかにも子どもたちの様子をノートに書いて共有します。それで、すごく泣いて困ったときに、少し前の様子を見返してみると、「これが原因かな」とヒントになるんです。それをいくつか試してみると、意外と落ち着いてくれることが多いです。みんなで情報を共有して、連携が取れていることが大事かなと思います。
――それは、まさに“チーム育児”ですね!
ありしゃん そうだと思います!たとえば、3人で育児をしていると、だれがどこに物を移動したというのもわからなくなってしまうので、それも逐一共有するようにしています。
あとは、3人で分担し合いながら、ワンオペで双子の面倒を見ているのですが、頼るところはしっかり頼るとか、できないことはできないと言うとか、そういうことできる関係性は大事だなと思います。
美容サロンの経営のことで言えば、自分1人で全部やろうとしちゃうと、経営って回らないんです。そこで大事なのが、指示をしたり、だれかを信頼して任せること。それは子育ての面でも同じかなと思います。自分でやれるかもしれないけど、頼りたいところは口に出して頼る。母と夫とは、そういう関係性でいたいですね。
私が夫を見て、一番すごいなと思うのは、私よりも夫のほうが母と連携を取っているところ。私の母なので、どうしても遠慮しちゃって連携を取るのが難しいのかなと思ったんですけど、そんなこともなく。お互いに言いやすい環境をつくれていたのかもしれないです。
ママが楽しく働くためには、制度を整えた上で、1人1人が理解し“言える”環境を作ること
――YouTuberそして経営者として仕事をしながらの子育てということで、忙しい日々の中でどのように両立していますか?
ありしゃん 母と夫のサポートがなかったら、仕事はできていないですね。YouTuber
の仕事のほうは、自宅で撮影できるものを多めにしてもらったりと、いろいろと調整する
ことで両立はできているかなと思います。
美容サロンの仕事は、地方にも店舗があるので、これまでは出張の際には1泊していました。でも今はそれが難しいので、大阪と名古屋をハシゴして日帰りで帰ってくるなど、なるべく予定をギュッと詰め込んでいます。スケジュールをこまかく刻んで動くようにすることで、子育てともうまく両立できるようになり、時間の使い方もうまくなったと感じます。「ああ、こんなに時間を縮められるなら、前からやっておけばよかった」と。
――仕事と子育ての両立については、どう思いますか?
ありしゃん 私は今回、妊娠・出産を経験して、「助けてほしい」と伝えたり、だれかに頼りたいという発言を遠慮なく言える環境って大事だなと感じたんです。会社の制度として、産休や育休などをきちんと取り入れている会社は多いですが、制度だけあっても、はっきり言い合える環境になっていなければいけないですよね。それができていないと、本人的には窮屈に感じることも多いのかなと思います。1人1人の理解って大事です。
だれかが休むしわ寄せが、ほかの従業員に来てしまうのはどうしてもしかたがないと思うんです。でも、みんなが理解し合い、協力し合うということが、これからは私の会社も含めて課題になっていくと思います。
私のサロンも、妊娠や出産をする従業員が多いんです。それで、「いつでも戻ってきていいよ」と伝えていて、その席を残すようにはしているんですけど、残念ながら、今まで戻ってきた人は1人もいません。その理由も1人1人違っていて、「産休や育休でブランクがあって、そこに不安を感じている」という気持ちの面での問題を挙げている人もいれば、「すぐに2人目がほしいから」という理由の人も。
それぞれの背景がそもそも違うんですよね。その中で、しっかりと戻って来られる制度を整えていくことが重要だと感じています。今、自分が子育てを経験していることで、考えられることが増えましたし、「ここが見えてなかったんだな」という発見にもつながっています。とにかく日々、勉強ですね。
あとは、子どもがいない若いスタッフに対して、「子育てしている人のことを理解してあげてね」と口だけで言っても、やっぱり、腑に落ちないところはあると思うんです。だから私自身が、子育てをしながら働いている姿を現場で見せていくことで、少しずつ理解してもらえたらと思っています。
――YouTuberの仕事では、ママになったことで変化はありましたか?
ありしゃん ファンの中には、今までの私たちのスタイルである破天荒な感じや、30代の女の人たちがずっと遊んでいるのを見るのが好きという方もいます。でも、私が出産したことで、子どもたちと私たちの関係は切っても切り離せないものになっているので、今までのヘラヘラ三銃士の感じは変わらず、でも子育てもリアルにやる。これが私たちの日常であり、背景には子どもがいるということを視聴者のみなさんにも受け入れてもらえたらいいなと。
子どもができたからといって、制限がすごくかかって大変!ということではなくて、自分たちの人生も楽しみながら、みんなで協力し合って楽しく子育てをしている様子など、前向きなことをたくさん発信していきたいです。グループだからこそできることもあると思っています。
子どもたちの存在が、仕事のモチベーションに。仕事への取り組み方にも変化が
――夫さんは、ありしゃんさんにとってどんな方ですか?
ありしゃん 夫は、「私よりも私のことをわかっている人」です。自分ではこうと思っていたことでも、夫がかみくだいてくれて、決断してくれることも多いので、人生の大きな選択をするときには欠かせない存在。これからの仕事の面でも、子育ての面でも、協力し合いながら一緒にやってくれるパートナーという感じです。
パパとしての顔は、とにかく子どもたちをでき愛!今のところ、夫とは子育ての方針についても自然に意見が一致することが多くて、今後も大きくぶつかることはないんだろうな〜と思いながらやっています。
子どもたちには、自分で選べる選択肢を多く与えてあげたいと思っています。私にできることは、「こうしなさい」と言うのではなく、自分で選ぶ機会を大切にしてあげること。強制ではなく、見守りながら育てていきたいんです。夫とは、そういう話はよくしています。
――母親になって、自分で変わったなと思うところはありますか?
ありしゃん 今まで、自分のためだけに頑張ってきたところがあるんですけど、子どもができて、自分と同じぐらい大事な存在になって、より一層頑張らないとなと、仕事へのモチベーションも上がりました。
YouTube動画に関しても、以前は自分たちのことだけ考えて作っていたんです。でも、将来的に子どもたちにも影響することを考えて、より慎重に内容を検討するようになりました。
――2025年の8月に、人生初となるエッセイを出しました。どんな経緯からですか?
ありしゃん 人生の節目に本のように形で残るものを作りたいとずっと考えていたんです。以前にも「本を出しませんか?」というお話はいただいたのですが、そのときはタイミングではなかったんですよね。結婚と出産のタイミングで、今が自分にとっての節目だと思い、自ら出版社にお願いしました。
これまでの人生のポイントポイントがバラバラな記憶になっていたのが、本になったことでうまく整理できたと思います。自分自身の人生だから、自分が一番よくわかっているなと思っていたんですけど、本にして客観的に自分の人生を見ることができて、人生の整理がつきました。「あ、まだまだこれからだな」という気持ちにも。
この本を読んで、日々の小さな幸せに気づけるようになってもらえたらうれしいです。当初は自己啓発系に近い、モチベーションの高い人に読んでもらうことを想定していたんですけど、執筆していく中で、何かに迷っていたり、沈んだ気持ちを抱えていたりする人に読んでもらいたいなと考えるようになりました。これから何者かになりたいと願う人や、頑張りたいけれど頑張れないと感じている人にも読んでもらいたいですね。
お話・写真提供/ありしゃんさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
同じママとパパのもとに生まれてきたのに、双子ちゃんたちはそれぞれに個性があり、それを見ていて、子どもによって成長スピードは違うんだと実感しているありしゃんさん。それからは、力を抜いて子育てができるようになったと言います。
これからも、『ヘラヘラ三銃士』の動画では、チラッと映る子どもたちの成長を見守ることができそうです。ぜひ親せき感覚で、双子ちゃんチェックも楽しんでみてくださいね。
ありしゃんさん
PROFILE
1992年、宮城県生まれ。2015年、22歳のときに美容サロン『Raviy』のオーナー社長となり、現在は全国各地に店舗を拡大。さらに2017年には、まりなさんとさおりんさんとともにYouTuber『ヘラヘラ三銃士』をスタート。YouTuberでは、リーダー・企画・編集も務め、チャンネル登録者数は176万人の人気チャンネルに。2024年12月には、一般男性と結婚し、双子を妊娠していることを発表。2025年6月に双子を無事に出産したことを報告した。
●記事の内容は2025年10月の情報で、現在と異なる場合があります。
『成り上がれよオンナたち』
今年の春に双子の母となったありしゃんさんの、初エッセイ本。テーマは”オンナの成り上がり”。栃木で貧乏な幼少期を送っていたありしゃんさんが、美容サロンのオーナー社長になり、人気YouTuberになり、そして母になるまでの山あり谷ありの人生を詰め込んだ1冊。だれよりもたくさん失敗を重ねてきたありしゃんさんだからこそ伝えられる、人生訓がたくさん収録されている。ありしゃん著/1600円(KODANSHA)


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