1. トップ
  2. 赤ちゃんの子育て・育児
  3. 【小児皮膚科医が解説】赤ちゃんのスキンケアが食物アレルギーの予防につながる理由

【小児皮膚科医が解説】赤ちゃんのスキンケアが食物アレルギーの予防につながる理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Robertobinetti70/gettyimages

最近、赤ちゃんの肌の乾燥と食物アレルギーには、関連があることがわかってきました。赤ちゃんの肌の特徴、肌の乾燥と食物アレルギーの関係、正しいスキンケアの方法を、小児皮膚科の専門家である馬場直子先生に教えてもらいました。

こちらもおすすめ→最新研究による新事実!生まれてすぐからの肌ケアが、食物アレルギー予防に!

赤ちゃんの皮膚は、大人よりもずっと乾燥しやすく&汗っかき

「赤ちゃんは、ママのおなかの中にいるときは、羊水の中にいるので皮膚は潤った状態。けれど、出生直後、空気にさらされた瞬間から皮膚の乾燥が始まっているのです。
人の皮膚は皮下組織、真皮、表皮からできていて、表皮のいちばん上にある角質層は、何層にも重なっています。
角質層には、水分を保ち外部からの刺激や有害物質の侵入を防ぐ働き(バリアー機能)がありますが、赤ちゃんの皮膚は未発達な状態。角質層の細胞と細胞の間にすき間ができたり、はがれやすかったりするため、水分が蒸発して乾燥しやすく、水分を上手に保てません。バリアー機能の働きが大人よりも弱いといえるでしょう。

赤ちゃんの肌のもう1つの特徴は、汗っかきであること。赤ちゃんの皮膚には、すでに大人と同じだけの汗腺があります。体表面積が大人より少ない分、汗腺密度が高くなるため、汗をかきやすいということに。また、汗をそのままにしておくと、あせもの原因になることもあります」

皮膚の乾燥を守る=アトピー性皮膚炎や食物アレルギー発症の予防にもつながる

「赤ちゃんの肌トラブルとしてよく見られる、1~2ヶ月ごろの乳児脂漏性湿疹は生理的なものなので、しばらくすると治ります。しかし、それ以降の湿疹の多くは、乾燥した皮膚に何かしらの刺激が加わったことが原因となっています。

また、乳児の湿疹は、アトピー性皮膚炎の始まりであることも多いため、湿疹は早めにケアをして、悪化させないことが大切です。湿疹を放置して症状が悪化するほど、アトピー性皮膚炎が重症化しやすく、高い割合で食物アレルギーを発症することもわかってきました。

つまり、湿疹があるということは、皮膚のバリアー機能が壊れた状態になっているということになります。出生直後から適切なスキンケアをして、皮膚に湿疹がない状態を保つことが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症の予防にもなるといえます」

アレルギーのしくみって?

アレルゲン(アレルギーの原因となるもの)は、角質層のすき間やはがれたところから侵入します。アレルゲンが侵入すると、角質層の下の細胞が異物が侵入したと認識し、そのアレルゲンに対する抗体を作ります。そして、アレルゲンが2度目に侵入するとき、その抗体がアレルゲンを撃退・排除しようとします。この体の反応を『抗原抗体反応』といい、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の発症に関係しています。
皮膚の中でこの反応が起きると、炎症やかゆみを生じ、アトピー性皮膚炎を発症します。これが、乾燥肌やバリアー機能が壊れたことが原因で起こる、アレルギーの炎症であるアトピー性皮膚炎が生じるしくみです」

食物アレルギーはどうして起こる?

「皮膚に湿疹がありバリアー機能が壊れていると、そこから家のほこりやごみに含まれる、食物抗原(食物アレルギーのアレルゲン)が侵入します。その結果、アレルゲンに対する抗体がつくられ、次回のアレルゲンの侵入を待機する状態になります。そこに、アレルゲンを含んだ食材の離乳食を食べると、その食材に反応し、アレルギー反応を起こすということがわかってきました。

そのため、もとをたどれば、皮膚の乾燥を防ぐスキンケアをしっかり行って湿疹を予防することで、食物アレルギーを予防できる可能性があるのです。

すべての食物アレルギーを予防することはできませんが、乳児期に発症しやすい食物アレルギー(卵・牛乳・小麦)を予防できる可能性はあります」(馬場先生)

最後に、皮膚の乾燥を防ぐスキンケアのポイントを紹介します。

体や顔を洗うときにガーゼは控えて。保湿は入浴後15分以内に!

バリアー機能の働きをする角質層は、皮膚の死んだ細胞でいわゆる「あか」と呼ばれているもの。けれど、表皮細胞の上にふたをして異物の侵入を防ぐ重要な役割があるので、洗い過ぎは禁物です。

湯船につかるときは38度を目安にし、長時間つかるのはNG。肌をこすると角質層がそぎ落とされるため、スポンジ、タオル、ガーゼ類は使わずに手でやさしく洗いましょう。

保湿は皮膚の乾燥を防ぐため、入浴後15分以内を目安にし、肌にのせるようにしてやさしく塗り広げます。肌にティッシュをのせて落ちないくらいを目安にしましょう。

※皮膚に赤みや湿疹、傷などがある場合は、処方薬を塗ってから保湿します。
※すでにアトピー性皮膚炎を発症している場合は、皮膚の状態を正常に戻してバリアー機能を復活させることがまず大切なこと。医師の指示のもと、正しく処方薬を使いながらケアしましょう。

関連:赤ちゃんのアレルギー症状ってどんなもの? どう対処したらいい?

「赤ちゃんの肌はすべすべだから、とくに何もしなくても大丈夫」と思っていたママ・パパもいるのではないでしょうか? けれど、肌トラブルやアレルギー症状が出る前から、スキンケアをしておくことが予防の1つになるとのこと。「やさしく洗ったら保湿し、肌の乾燥を防ぐ」スキンケア、さっそく今日から習慣にしていきましょう。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■監修/馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター皮膚科 部長、横浜市立大学医学部附属病院皮膚科 臨床教授。
滋賀医科大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部附属病院皮膚科を経て、現職。『ひよこクラブ』のスキンケア企画などでも監修いただいている先生です。

■おすすめ記事
赤ちゃんが「転落・転倒して頭を打った!」「たんこぶができた!」ときの対処法

子育て・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  •  

新着記事

新着記事をもっと見る