出産の痛みを「忘れた」「うろ覚え」のママはなんと約6割!あんなに痛かったのになぜ忘れる?その謎にベテラン助産師が回答
「たまひよ」アプリユーザーの経産婦さんに「出産時の痛みを今も鮮明に覚えていますか?」と、質問。約半数が「覚えているような、いないような」と回答し、「もう忘れた」約13%を合わせると約6割となりました。安産だったのかな?と思いきや、コメントを見ると、なかなかの難産だったママも普通にいます。トラウマレベルの出産の痛みを忘れるメカニズムについて、ベテラン助産師の濵脇文子先生に聞きました。
Q.【出産経験がある方にお伺いします】出産時の痛みを今も鮮明に覚えていますか?
覚えているような、いないような 46.5%
鮮明に覚えている 36.6%
もう忘れた 12.9%
その他 4%
さらにQ.出産時の痛みに絡んだエピソードや思い出がありましたら教えてくださいとエピソードを募集。なんとなく覚えている人も、覚えていない人も、なかなかしんどい妊娠生活&出産だったようです。
痛かったことは覚えている…だけど「覚えているような、いないような」ママたち
「めちゃくちゃ痛いという記憶はある。あるけど2年後に2人目出産。そして今3人目、妊娠中」(ぱっちょ)
「1人目出産直後は『ごめんやけど、2人目はあきらめて…これもう1回経験するのは無理』と、真顔で夫に伝えましたが、今2人目妊活中です。いや、ほんと、本気で痛かったしツラかったのに、このかわいい生き物がもう1人増えると思うと頑張れる気がする」(もりもり)
「1人目を経膣分娩で出産しました。頭が見え始めたときには、こんな貴重な体験ができたことへの感動が大きく、もう次の子が欲しいと考えていました。陣痛の痛みは忘却の彼方へ…と言いたいけれど、現在2人目妊娠中で、前駆陣痛の痛みですでにビビっています」(rikakkuma)
「私は出産よりつわりのほうがツラくて、(2人目は)もう無理と思っていたはずが、すっかり忘れて2人目を妊娠中です(笑)」(ままさん)
「子宮口7cmになっても笑う余裕があった私。院長から『痛みはこんなもんじゃないよ』と教えていただくも半信半疑でしたが、人工破水となり、破水したら笑えないくらい痛くて驚きました」(アルパカ)
「子宮口6~7cmくらいのとき、陣痛がツラすぎて逆におもしろくなってしまい、痛みが引いているタイミングで『いや、痛すぎるんだけど!笑』と笑ってしまいました。助産師さんに『陣痛中に笑ってる人、初めて見た!』と若干引かれ、立ち会っていた実母にも『何で笑えるの?』と、驚かれました。が、出産はそんなに甘くはないですね。だんだんと余裕がなくなり、おもしろかったのが怒りに変わり、『もし次に産むことがあるのなら、お金を貯めて無痛にしてやる!怒』と心の中で決めました」(いちご)
「妊娠期間も出産もツラかったのに赤ちゃんがかわいすぎで、機会に恵まれたら2人目も3人目も欲しいと思う今日このごろ」(石ころころりん)
痛みは覚えているのに次を考えている、というママ多し「鮮明に覚えている」
「母親学級で出産の仕組みはわかっていたので、絶対耐えられる!と思っていたけれど、会陰切開後の『はい、いきんで!』の言葉と同時に、ぐーっと押されて『いたーーーーい!』と、のけぞる態勢に。すぐさま看護師さんたちに押さえ込まれ『赤ちゃんが苦しくなるよ!頑張って!』と叱られました。人生に一度くらいは出産時の痛みを経験してもいいかな、と思って選択した自然分娩でしたが、ほんとなめてました」(ノエル)
「無痛分娩のはずがなかなか生まれてこなかったため、麻酔の時間が終了してしまい普通分娩になり、最後は緊急帝王切開に。無痛分娩と想定して安心して出産に臨んでいたので、まさかの激痛に相当苦しみました。お医者さんが帝王切開について淡々と説明する様子を見ながら『いいから早くおなかを切って出してください』と、心の中でつぶやいていました」(まゆ)
「1人目のときは“すごく痛かった”ということは覚えていますが、陣痛から分娩までの記憶が断片的で、どのくらいの痛さっだったのかはほとんど覚えていません。ただ、破水したときにはすでにヘトヘトで、分娩ではうまくいきめなかったことと、産んだ直後のものすごい疲労感は覚えています。出産後は、赤ちゃんをかわいいと思う間もなく激しい後陣痛に苦しみ、2度と産まない、もし産むなら無痛分娩一択だと心に決めました。2人目は念願の無痛分娩でしたが、思ったほど痛みが取れず産む直前は結局、取り乱しました。でも、1人目に比べればかなり楽で、生まれた赤ちゃんに感動する気力も残っていたし、体力的にも無痛分娩にしてよかったと思います」(あさり)
「あんなに痛かったのに、痛みも覚えているのに、あと2人欲しい(笑)」(きゃれん)
「痛くて痛くて、早く産んで終わらせたい一心でしたが、生まれたての赤ちゃんを見た瞬間…かわいい…。2人目、3人目を産む人の気持ちがわかった気がしました」(みー)
「2人目は子宮口5cmになっても陣痛が始まらず、痛みも軽微で、病院でケロッとしながらごはんを食べたりスクワットしたり。しかし破水して数秒後、陣痛が急にMAXに。思わず『ギャー!!!』と、叫びました(笑) その1時間後に生まれました。急に痛くなった分、1人目よりも衝撃がすごかったです」(あかりん)
「1人目は割と我慢できる痛みだったので、2人目どころか何回でも出産していいよって余裕かましていたら、2人目は痛くて痛くて我慢できませんでした」(いちきー)
「1人目の出産が本当に痛くて、2人目は無理、ひとりっ子で育てようと本気で思っていました。でも上の子が『赤ちゃん欲しいの!お願いママ!』と、約半年間、毎日お願いされて、悩みに悩んで頑張る決意をしました。ところが2人目は1人目以上に痛くて痛くてビックリ。1人目は8時間だったのに、2人目はまさかの1日半、悶絶した末の出産でした。医師や母、友人に『2人目は早く生まれるよ~』って聞いていたのに全然違う!3人目はたとえ神様に『1億円あげる』と言われても絶対に絶対に無理です」(2人のママ)
安産じゃないし、別の痛みもあった。でも「痛みは忘れた」ママたち
「産後1週間ぐらいは覚えていたのですが、そのあとは頻回授乳やなにやらで忘れていきました」(みみみ)
「帝王切開で、運よくそれほど痛い思いはせずにすみました。なんなら産後、胸がガッチガチに張ったときのほうが痛かったです…」(みなみ
「痛くてツラかったのは出産時ではなく、そのあとの会陰縫合でした。2人目のときは産前にとにかく会陰のケアをしました」(あわ)
「初産・37歳での出産でした。無痛分娩できるならいくらでもお金を出す気でいたけど、夜間に無痛分娩はできないと言われて衝撃。そこで計画分娩を希望しましたが、夜間に陣痛が…。助産師さんの『生まれるのはまだ先』という言葉を信じて夫は家で待機していましたが、あれよあれよとお産が進み、結局夜中にタクシーで駆けつけて3万円也。助産師さんに『なんで無痛分娩できないんだよー!!なんも希望したとおりにならない!』と叫びまくり、痛みのあまり暴れまくり。ちなみに私の職業は看護師。病院側にもバレて、なお恥ずかしかった…」(さあき)
“さあき”さんは、「忘れた」というよりも「忘れたい」記憶のようです。
出産の痛みを忘れるメカニズムについて、数千人の母子のケアに携わったベテラン助産師、濵脇文子先生に聞きました。
「トラウマレベルの痛みを凌駕する、何かがあるのが出産なのです」と、濵脇文子先生
実は人間の脳は、自分の記憶を都合よく編集したり改ざんしたりすることがあります。
さらに『痛みの記憶は細かな部分は長期保存できない』と、言われています。
とはいえ陣痛の痛みは、理性がぶっ飛ぶほどのトラウマレベルです。
出産直後に『もう二度と妊娠しない』と、断言していた女性が、2人目3人目を普通に妊娠・出産するって、人類最大の謎だと思いませんか?(笑)
アンケートでも痛いことは覚えているのに、他人事のように淡々と語っているのが印象的です。これはいろいろな要因が関わっていると推察します。
まず考えられるのはホルモンの影響
陣痛が始まると、脳からはさまざまなホルモンが放出されます。
過酷なイメージの出産ですが、実は愛情ホルモンのオキシトシン、鎮痛効果はモルヒネの数倍で別名・脳内麻薬と言われるエンドルフィンなど、多幸感あふれるホルモンも大放出されています。赤ちゃん誕生の瞬間にはその影響で感情が大きく揺さぶられ、壮絶だった陣痛の記憶に幸せの記憶が上書きされて、“覚えているような、覚えていないような”と、いう感覚にさせるのかもしれません。
次に考えられるのは産後脳の影響
別名マミーブレインといわれ、医学用語ではなく、出産との因果関係は解明されていませんが、産後の女性のなかには物忘れがひどくなる、漢字をド忘れする、会話が理解できないなど、思考能力の低下がみられることがあります。原因は諸説ありますが、『出産の痛みを忘れるため』とも言われている現象です。
確かに、背筋が凍るような出産の痛みをいつまでも覚えていたら、人類はとっくに滅亡していたかもしれません(笑)
脳って本当によくできていて、出産って本当に不思議なのです。
濵脇文子(はまわき ふみこ)
(PROFILE)
助産師・保健師・看護師。はぐふるアンバサダー。大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
(取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部)
※痛みの感じ方には個人差があります。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2026年3月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数101人)
※記事の内容は2026年5月の情報で、現在と異なる場合があります。


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