高所得層も「奨学金」を利用する時代に! 赤ちゃん時代からできることって?
大学生の奨学金問題が連日ニュースで騒がれています。奨学金の返済に苦しむ学生が増え、政府は返済しなくていい「給付型」奨学金の検討を急いでいます。
子どもがまた小さいうちは、将来かかる教育費のことまでは実感がわかないかもしれません。しかしまだ出費が多くない今こそ、将来の教育マネーの立て直しドキなのです。
今や大学生の2.6人に1人が利用。高所得世帯で増えている!?
何かとかかるといわれる教育費ですが、中学校卒業までは児童手当、高校は助成金などがあり、実は高校までは、家計のお金で何とやりくりできるのがいまの日本の制度です。
しかし何とかならないのが、300~500万円以上かかるといわれる大学のお金です。日本育英会の奨学金事業を引き継ぐ日本学生支援機構によると、現在、奨学金を利用している大学生は全体のなんと2.6人に1人!
年々利用者が増えている背景には、長引く景気低迷による家計からの給付の減少、学生の収入自体が減っていることがあります。また最近は「奨学金を受けている」学生が、以前に比べて高所得世帯出身が増えているといいます。
奨学金は「借金」。子どもの名前がブラックリストに載ることも!?
利用者が多いせいか「とりあえず借りておこう」と気軽に利用する人も多いようです。
日本学生支援機構の奨学金は基本的には大学卒業後に返済する必要がある「貸与奨学金」。そして借りた奨学金を返すのは子ども自身。いざ社会に出ると十分な収入がなく、返還を延滞してしまうことも少なくないようです。延滞すると法的措置に訴えられたり、ブラックリストに登録されたりすることもあります。
その響きからは、どこか給付のような印象を感じますが、奨学金はれっきとした借金です。まずは親自身が「奨学金を借りるのはこわいもの」という意識を持つことが必要なのかもしれません。政府も少しずつ日本学生支援機構の奨学金を拡充していますが、実際に受給するのは返済能力の高い経済力のある世帯が増えているようです。
今日から貯めよう! 目標1年間に28万円。
子どもが将来大学でかかるお金は、すでにわかっていますから、生まれた瞬間からコツコツと貯めていきたいもの。18才までに500万円貯めるとしたら、1年間に約28万円。児童手当やお祝い金+月々の積立で、きっちりと積み上げていきましょう。くれぐれも安易に奨学金に頼らないようにしたいですね。
(文・池田純子)
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。