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子育てママ7割の現状…つながりがない土地での「アウェイ育児」を乗り切るには?

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Oleh Veresettyimages

日本の子育ては、「里帰り出産」に代表されるように、「家族でどうにかする」という傾向が強いようです。仕事の都合やパパの地元に嫁いだことを理由に地元を離れているママは、里帰り出産後に「実家のそばで子育てしたい」と感じた人も多いのでは? 
NPO法人子育てひろば全国連絡協議会の調査(※1)によれば、全国で子育て支援拠点を利用しているママのうち72.1%が「自分の育った市区町村以外で子育てをしている」と答えたそう。同協議会の理事長・奥山千鶴子さんは

「地域につながりがゼロの状態で子育てをしていると孤独感が強く、育児不安にもつながりやすいです。そのつらさを、わかってもらうためにも、何か言葉を作りたいと考えて、『アウェイ育児』と名づけました」

と教えてくれました。孤独感の強い「アウェイ育児」の現状と、解決策を奥山さんに伺いました。

※1:NPO法人子育てひろば全国連絡協議会実施の「地域子育て支援拠点事業に関するアンケート調査2015」(調査研究担当:ひろば全協理事 岡本聡子)

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首都圏では8割以上のママがアウェイ育児

「全国調査では約7割がアウェイ育児でしたが、首都圏では8割以上ではないかと考えています。

出産前まで仕事をしていたママは自宅と職場の往復だけで、地域とのつながりがゼロの状態で出産する人がほとんど。出産後は行動範囲が狭まるので、初めて地域に目が向くんです。でもママ自身が生まれ育った地元でなければ、地域に知り合いは誰もいないし、大人同士で話ができる人もいないことが多い。

とくに地元で子育てしているママとの違いが大きかったのは、『近所で子どもを預けられる人がいるか』という質問です。

地元で子育てする場合には、約7割のママが祖父母などの預け先があるのに対し、アウェイ育児の場合には、3割以下。家族の入院や第2子出産などでも、預け先のないママが多いんです。
とくに転勤族の場合にはパパも忙しいことが多く、また数年後には引っ越しが待っているという不安もあって、ストレスが大きいようですね」(奥山さん)

ママの自己肯定感のアップと「つながり」が必要

初めての育児は、今まで仕事でバリバリ活躍していたママであっても、思うようにいかないことが多いもの。うまくいかないことが続くと、ママの自己肯定感はどんどん低くなります。
さらに、地域に知り合いもいなければ、『頑張ってるね』と声をかけてくれる人もいない。赤ちゃんの子育て中は、1日の大半が育児に割かれるのに、それがうまくいかない…。この時期は、自分の存在価値が実感できないというママも多いそう。

「私たちの地域子育て支援拠点では、なるべくママたちの得意なことを生かして運営にかかわってもらったり、先輩ママとして両親学級で話をしてもらったりしています。
たとえば、6ケ月の赤ちゃんのママは子育てビギナーだけど、妊娠中のママたちから見たら『子育ての先輩ママ』。ママに自信がつくことで、自己肯定感が高まることが大切です」(奥山さん)

奥山さんたちが運営する拠点では、地域のママ同士はもちろん、サポートするスタッフ、ボランティアの方々など、なるべく老若男女の人たちとつながりを持てるよう工夫されています。でも、こうした子育て支援拠点の雰囲気が苦手だったり、あまり自宅に近すぎるのは嫌…というママもいますよね?

「地域子育て支援拠点は、全国で7000カ所以上。おおよそ中学校の学区に1つあるので、少し遠くても自分に合う場所を見つけてみてください。『初回利用の人の日』や、季節行事などのプログラムがある日に気軽に出かけてみましょう」(奥山さん)

妊娠中も地域とつながりを持って

さらに、奥山さんは妊娠中のプレママたちにも地域とのつながりを持ってほしいと言います。

「都会では働き続けるママが多く、どうしても妊娠中は保活のことで手一杯になりがち。でも本当は、もう少しこれから育児をする場所に目を向けて、地域との『つながり』を作っておいてほしいんです。

たとえば、妊娠中のママ・パパが参加できるプログラムを地域の子育て支援拠点で開
催しているところもあります。妊娠中からそうした場所に行くことで、より地域に根差した妊娠~子育てのサポートを受けることができます」(奥山さん)

たしかに、出産後に赤ちゃんを連れて初めて行くよりは、妊娠中から行くことで、ママもパパも少しハードルが下がりそうです。

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全国の地域子育て支援拠点の中では、施設内で昼食を食べられる拠点が7割、土曜日も開設する場所が増えていたりと、ママやパパが来やすい工夫を進めているそう。敷居が高いというママも、産後に使えるサービスや子ども向けイベント情報など、子育てに関する情報が集まってくるので、一度は顔を出しておくのがおすすめ。奥山さんによれば「東日本大震災や熊本地震など、災害時には子育て支援の核になりました」とのことなので、防災の面からも地域のつながりを持っておくのは大切です。つらいことも多い「アウェイ育児」だからこそ、サポーターをたくさん作って乗り切りたいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■監修/奥山千鶴子さん
NPO法人子育てひろば全国協議会理事長、横浜市で地域子育て支援拠点やファミリー・サポート・センター事業、小規模保育事業などを運営するNPO法人びーのびーの理事長。内閣府子ども・子育て会議委員なども務めています。

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