添い乳とは違う“ドリームフィーディング”って何?
まだ断乳・卒乳前の赤ちゃんが、空腹で夜中に起きてしまう――。そんな悩みを解決したいママは、「ドリームフィーディング」という授乳方法を試してみるといいかもしれません。子どもの睡眠コンサルタントの愛波 文さんに、ドリームフィーディングのコツや注意点を伺いました。
まだ科学的に証明されていないけれど、多くの小児科医が活用
――ドリームフィーディングとは、どんな授乳方法なのでしょうか?
愛波さん:寝ている赤ちゃんを抱き上げて、そのまま起こさずにおっぱいやミルクを与える方法です。赤ちゃんが空腹で目を覚ます前におなかを満たしてあげることで、睡眠を持続させる効果が期待できます。ただし、まだ科学的にその効果が証明されているわけではありません。赤ちゃんの睡眠パターンを妨げるのはよくないという意見もありますが、多くの小児科医も推奨している方法で、実際に赤ちゃんがよく寝てくれるようになり、ママも十分な睡眠がとれるようになったというケースは多くあります。赤ちゃんによって向き、不向きがありますが、1日うまくいかなかったからといってあきらめるのではなく、4~5日は続けてみてください。一貫性を持って続けてみることが大切です。
――ドリームフィーディングを取り入れるおすすめの月齢はどのあたりですか?
愛波さん:生後しばらくは、赤ちゃんは空腹で目を覚まします。6ケ月を過ぎてくると、8時間くらい寝続けられる子も出てきます。といってもおなかがすいていると目を覚ましてしまうので、そのまま寝続けてもらうために、ドリームフィーディングを活用してみるといいかもしれません。また、夜間におっぱいをあげなくなったことで、おっぱいが張ってしまう心配があるママにとっても、ドリームフィーディングが効果的な場合もあります。
――ドリームフィーディングを上手に行うコツはありますか?
愛波さん:まずは「睡眠の土台」をきちんと整えることです。睡眠の土台とは、①寝室などの睡眠環境を整えること、②子どもとのコミュニケーションを深めてママ・パパ自身の心を安定させること、③いつも決まった時間に寝起きして生活リズムを整えることの3つです。ドリームフィーディングをひと晩に行う回数としては、1、2回が目安となります。1回目はママが寝る前の22時から23時ごろに。2回する場合は、月齢によりますが1回目の3~4時間後に行いましょう。毎日同じ時間に行うことが大切です。そして、睡眠が浅くなってくる4時から6時の間は避けるようにしましょう。
――赤ちゃんが爆睡して授乳できない場合は?
愛波さん:赤ちゃんのほおを刺激して、「おっぱいがあるよ」と教えてあげてください。それでも吸ってくれない場合は、手や足の裏を少し触って刺激してみてください。
――ドリームフィーディングをする際の注意点はありますか?
愛波さん:ドリームフィーディングのあとには、吐き戻しを防止するため赤ちゃんにゲップをさせるようにしてください。それと赤ちゃんを完全に起こしてしまう行為は控えましょう。部屋の照明をつけない。うんちをしていたり、おむつかぶれがなければ、おむつ替えはしなくてOK。声もかけないようにしてください。
寝かしつけでの「添い乳」が習慣化していて、赤ちゃんが夜中に何度も起きて悩んでいるママにもいい方法かも! 試してみる価値があるかもしれません。ドリームフィーディングのいいところは、赤ちゃんが寝続けられ、親子でしっかり睡眠がとれるところにあります。かわいいわが子を見ると、授乳しながらつい声をかけてしまいがち。でもそれで赤ちゃんを起こしてしまっては、寝続けてもらうというドリームフィーディングの意味がなくなってしまうので気をつけましょう。より詳しい方法は『ママと赤ちゃんのぐっすり本』(講談社刊)から確認できます。ドリームフィーディングで、赤ちゃんもママもいい睡眠がとれるようになるといいですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)