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赤ちゃんが下痢になってしまう原因は? 通院が必要な症状とは?

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赤ちゃんは消化機能が未発達なため、うんちが下痢のようにやわらかくなるのはよくあること。受診が必要か、様子を見ていて大丈夫かは、赤ちゃんの全身状態やうんちの形状、回数などによって判断します。

どういったうんちが下痢?

赤ちゃんのうんちは、母乳やミルクなどの液体しか飲んでいない月齢が低い時期ほどゆるめですが、普段よりうんちが明らかに水っぽく、回数が多い場合は下痢と考えられます。

赤ちゃんの心配ない下痢

赤ちゃんは消化機能が未熟なため、離乳食や水分を多めにとっただけでも、一時的に下痢をすることがあります。ほかの症状がなく、元気で体重が増えていれば心配いりません。

単一症候性下痢(たんいつしょうこうせいげり)

下痢以外の症状が見られない状態の、「ただの下痢」を意味します。うんちの色が緑色になったり、粘液にツブツブが混じっていることがありますが、下痢以外の症状がなく、機嫌がよく、おっぱいやミルクの飲みもよいのなら、心配ない場合がほとんどです。

赤ちゃんの心配な下痢

下痢以外の症状がある場合は、何らかの病気によって下痢を起こしていることが考えられます。赤ちゃんの下痢を起こす病気にはどんなものがあるが、解説します。

ウイルス・細菌による感染症

ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが胃腸に感染してウイルス性胃腸炎を起こすと、嘔吐に続いて下痢や発熱が見られます。一方、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん)などの細菌に汚染された食べ物から感染して細菌性腸炎を起こすと、食後に激しい嘔吐、血液の混じった下痢がみられ、腹痛が起こるために赤ちゃんの機嫌が悪くなります。

●ウイルス性胃腸炎
ウイルスが主に口から胃腸に入り込み、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出ます。脱水症状を起こしたり、けいれんを起こすこともあります。

●ロタウイルス胃腸炎
ウイルスの一つであるロタウイルスに感染すると、発熱がみられ、米のとぎ汁のような白っぽい水様便(すいようべん)が1日に何度も出て、酸っぱいにおいがするのが特徴です。

●細菌性胃腸炎(さいきんせいいちょうえん)
細菌に汚染された食べ物やペットのふんなどを介して起こる胃腸炎です。腹痛とともに激しい下痢(血便)や嘔吐を繰り返します。

食物アレルギー・その他

食物アレルギーは食べ物に含まれるタンパク質などにアレルギー反応を起こした状態で、症状の1つとして下痢が現れることがあります。下痢のほかに唇・舌・のどなどのかゆみ・腫れ、じんましん、嘔吐、ゼーゼーする呼吸音、結膜炎など、体のさまざまな部位に症状が現れます。

●アレルギー性腸炎
食べ物に含まれるたんぱく質などにアレルギー反応を起こした状態で、症状として下痢が見られることがあります。下痢のほかに体のさまざまな部位に症状が現れます。

●乳糖不耐性下痢(にゅうとうふたいせいげり)
おっぱいやミルクに含まれる乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が生まれつき分泌されなかったり、不足しているために、乳糖が小腸で吸収されず大腸にそのまま送られ、下痢や嘔吐を引き起こします。下痢などが原因で一時的にかかる二次性のものもあり、赤ちゃんは二次性が多いです。

下痢の受診の目安と確認方法

赤ちゃんが下痢をしたときは、うんちの状態だけでなく、赤ちゃんの全身をくまなく観察し、いつもとの違いを確認することが大切です。

心配のない下痢

赤ちゃんは消化吸収機能が未発達なため、水分や離乳食・幼児食を多めにとるだけで、一時的にうんちがやわらかくなることがあります。うんちが多少やわらかくなって回数が増えても、食欲があり、機嫌よく過ごせていて、体重が順調に増えているのなら大丈夫です。

心配な下痢

病気が原因で下痢を起こしたときは、発熱や嘔吐などほかの症状が出たり、顔色が悪い、元気が出ないなど、下痢以外の全身症状が現れます。また、下痢の回数やうんちの色にも注意が必要。水のような便が1日10回以上出たり、血便、白や灰色の便が出たときは早めに受診しましょう。また、体重が減っていないか気をつけておきましょう。

☆確認すること
1 体温を測る
ウイルスや細菌が原因の下痢は、発熱が一つの目安になるので、発熱していないか最初にチェックします。

2 下痢の回数とうんちの形状を確認
1日何回くらいの下痢か、水のようなうんちか、少しやわらかい程度なのかなど、下痢の回数と状態を確認。うんちの色(白い、赤いなど)やにおいもよく観察してください。

3 吐くときは状況や頻度を確認
下痢だけでなく嘔吐を伴うときは「授乳のあと噴水のように吐く」「遊んでいて突然吐いた」など、どのような状況で、どのくらいの頻度で吐くのか確認します。

4 水分を与えてみる
下痢のときは水分が多く失われます。とくに1日の下痢の回数が多い場合は脱水症状が心配。離乳食開始前の赤ちゃんなら母乳かミルク、離乳食開始後なら授乳または湯冷ましなどを少しずつ与えてみて、水分補給ができるかを確認します。

下痢の受診の目安

低月齢の赤ちゃんは脱水症状になりやすく、感染症の場合は重症化しやすいので早めの受診が必要です。

●0~3カ月
・診療時間内に受診
38度以上の熱もあるが元気がある、白っぽいうんちが出た、下痢はあるが母乳・ミルクが飲めるなどのとき。

・診療時間外でも受診
元気がなくぐったりしていて下痢の量が多い、水分がとれない、唇や口の中が渇いている、6時間以上おしっこが出ない、嘔吐などの症状が見られるとき。

●4カ月以上
下痢の量や回数が多くても水分がとれていたら急いで受診しなくても大丈夫ですが、脱水症状が疑われたり、うんちの色がいつもと違う場合は早めに受診を。

・様子を見てOK
元気があり、水分がとれている

・診療時間内に受診
38度以上の熱もあるが元気がある、血便が出た、白っぽいうんちが出た、下痢の回数は多いが1回の量は少ない、1回の下痢の量が多いが回数は少ないとき。

・診療時間外でも受診
元気がなくぐったりしていて眠れずにウトウトしている、水分をとれない、唇や口の中が乾燥している、おしっこの回数がいつもよりひどく少ない、嘔吐や強い腹痛を伴うとき。

病院で医師に伝えること

下痢が心配で受診をするときは、以下のことを医師に伝えましょう。

・下痢の回数や量  
・最近のうんちの状態  
・機嫌のよしあしや食欲  
・発熱や嘔吐などほかの症状があるか  
・おしっこの回数  
・普段と違うものを食べたか  
・抗菌薬の服用の有無  
・以前からの体重の変動  
・周囲に似た症状の人がいるか

気になるうんちは受診時に写真を見せて
うんちの状態を見せるのは診断に必要なこと。うんちの様子がいつもと違うときは、スマートフォンで写真を撮っておくといいでしょう。

赤いうんち(血便)

下痢をするとうんちの色が変わることがありますが、とくに赤いうんち(血便)が出ると非常に心配になりますね。血便が出たときに考えられる病気を知っておいて、いざというとき適切な対処をできるようにしましょう。

心配のない血便


赤ちゃんの機嫌がよく、食欲も元気もあるときに、点状、もしくはこまかい糸くずのような血が混ざっているような血便が出ることがあります。3~4カ月の母乳の赤ちゃんに見られる症状で、「母乳血便」といわれるもの。ほとんどの場合心配のない症状で、離乳食が始まるころにはなくなっていきます。


消化機能が未熟な赤ちゃんは、食べたものがそのままうんちに出てくることがあります。にんじん、トマト、すいかなど赤い色のものを食べたり、赤い色の薬を飲んだあとに赤いうんちが出た場合は、うんちの色以外に気になる症状がなければ異常ではありません。

心配な血便

血便だけでなく嘔吐を伴ったり、間欠的に激しく泣くときは至急受診してください。

<考えられる病気>
●細菌性胃腸炎(さいきんせいいちょうえん)
腹痛とともに激しい下痢や嘔吐を繰り返し、血のかたまりが混じった大量の血便が出たら、この病気が疑われます。

●腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)
急に激しく泣き、しばらくするとピタッと泣きやんで機嫌がよくなることを繰り返すのが大きな特徴。嘔吐も見られます。いちごジャムのような血便が特徴です。

下痢のときの対処法

赤ちゃんが下痢をしているときは、少しでも楽に過ごせるようにホームケアを行い、赤ちゃんの体力が回復するのを助けましょう。

水分補給

下痢をしているときは脱水症状を防ぐために水分補給が大切。柑橘類(かんきつるい)の果汁以外で飲めるものならなんでも構いません。医師の指示があれば、電解質や塩分、糖分を補える赤ちゃん用イオン飲料や経口補水液でもOK。少しずつ何度も与えてください。

おふろ

機嫌がよく、比較的元気があれば、おふろに入っても大丈夫。ただし、長湯は体力を消耗するので、短時間にします。

授乳・離乳食

授乳は、いつもの授乳時間のほか、30分~1時間に1回を目安に、母乳やミルクなど、飲めるものを少量ずつ与えましょう。離乳食を始めて間もない赤ちゃんは、2~3日離乳食の量を少なめにして様子を見ます。離乳食が進んでいたり卒業している場合は、食欲に応じて少しずつ与えます。メニューは食べやすく消化のよいおかゆ、うどん、野菜スープなどに。食べたがっても与えすぎないように注意して。

おむつ替え

下痢のうんちは肌への刺激が強いので、おむつかぶれを起こしやすいもの。うんちが出たらおむつをすぐに交換しましょう。

おしりのケア

うんちのあとは座浴やシャワーでおしりを洗い流し、湯で絞ったガーゼでやさしくきれいにふき取ります。よく乾かしたあと、ワセリンなどの保湿剤で皮膚を保護しておきましょう。

消毒

床などに飛び散った吐しゃ物やうんちを処理するときは、使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用し、ウイルスが飛び散らないように注意しながらペーパータオルなどで静かにふき取ります。ふき取ったあとは、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤で床をふき、その後水ぶきをします。使用済みおむつはうんちを包み込んでビニール袋に密閉してから捨てます。

二次感染を防ぐ

ママは赤ちゃんと接する時間が長いので、ママを介して、家族などに二次感染することがあります。赤ちゃんのお世話をしたり、うんちのケアなどをしたあとは、必ず石けんで手指をよく洗ってください。

☆下痢のときのNGケア
・医師の指示なくミルクを薄めて与える→味が落ち、栄養不足になって治りが悪くなることも
・ヨーグルトなどの乳製品や柑橘類(かんきつるい)を与える→消化が悪く下痢を悪化させる心配がある
・離乳食を一段階戻して与えたり、お休みにする→かえって治りが悪くなることがある

下痢を予防する方法

多くの心配な下痢の原因は、ウイルス感染によるものです。風邪の予防と同様、流行時期には人込みを避ける、周囲の大人が手洗い・うがいをして予防をすることが大切です。そのほか、感染すると症状が重くなる細菌性の胃腸炎やロタウイルスは、以下のようなことに気をつけて予防しましょう。

・調理器具を殺菌消毒する
・食べ物はよく加熱する
・冷蔵庫の中は定期的に掃除する
・外出したあとはしっかり手を洗う
・ロタウイルスの予防接種を受けておく

まとめ

下痢を伴う病気はいろいろありますが。元気があるか、水分がとれているかが、受診のタイミングを見極める重要なポイントになります。その上で、うんちの状態や赤ちゃんの全身状態をしっかり確認するようにしてくださいね。(文・ひよこクラブ編集部)

監修
横田俊一郎先生
横田小児科医院院長。東京大学医学部付属病院小児科、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)小児科部長などを経て、1993年に開業。ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けていらっしゃいます。

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