【小児科医に聞く】指しゃぶりっていいの? 悪いの?
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赤ちゃんが指をしゃぶっている姿は、とってもかわいいもの。けれど、「手についた雑菌が口に入らないかな?」「指しゃぶりばかりしているけれど、大丈夫かな?」と心配になることも。赤ちゃんの指しゃぶりをやめさせるべきか、そのままにしておくべきか――。赤ちゃんがなぜ指をしゃぶるのかがわかっていないと、判断することができません。果たして指しゃぶりは、いいことなのでしょうか? それとも、すぐにでもやめさせるべきことでしょうか? 赤ちゃんの発達に詳しい、小児科医の本田真美先生に聞きました。
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指しゃぶりは自然な行為
赤ちゃんは何もしなくても自然に指しゃぶりを始めます。これは口の中に入ってきたものを吸う「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」や、自分の身体をさわって確認しようとする探索行動が関係していると考えられています。口のまわりに触れたものを何でも口にしようとするので、親としては衛生面が気になるところかもしれませんが、指しゃぶりというのは物をつかんだり、食べ物を食べたりするために必要なステップの一つ。ただし、中には指しゃぶりをしない赤ちゃんもいるようです。
「おしゃぶり」とは似て非なるもの
指しゃぶりとおしゃぶりは、どちらも「しゃぶる」ということでは共通していますが、全く異なるものです。指しゃぶりは赤ちゃんが自分の指をしゃぶる行為。一方、おしゃぶりはその名も「おしゃぶり」という育児用品です。おしゃぶりを吸うことで赤ちゃんが安心することから、グズっているときなどに与えているという人も多いでしょう。ただし、おしゃぶりは長時間・長期間使っていると、歯並びに影響が出ることがあります。言葉を発する機会も少なくなってしまうので、使用には注意が必要です。
指しゃぶりの卒業時期は3歳ごろ
指しゃぶりは五感を発達させていく過程で必要な行動ですが、赤ちゃんの行動範囲が広がるにつれて、だんだん指しゃぶりをしなくなってきます。指しゃぶりの卒業準備を始めるのは2歳ごろ。退屈にしているようなら手遊びやおもちゃで一緒に遊んだり、不安そうにしていたら抱っこやマッサージなどのスキンシップをしてみたりしましょう。ただし、指しゃぶりがとても気になる場合や、一日中頻繁にしている、吸い方が強いためにしゃぶりだこができているときは、小児科医や小児歯科医に相談を。3歳ごろまでに指しゃぶりを卒業できるといいですね。
赤ちゃんはママのおなかの中にいるときから指しゃぶりをしています。指しゃぶりはとても自然な行為で、無理にやめさせることはありません。けれど、1~2歳になって頻繁に指しゃぶりをしている場合は、遊びに誘って興味を広げたり、スキンシップをしたり、指しゃぶりを忘れるようなかかわり方をするのがいいようです。指しゃぶりを見守りつつ、赤ちゃんの興味をどんどん広げてあげましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/本田真美先生
みくりキッズくりにっく 院長。小児神経専門医。東京慈恵会医科大学卒業。国立成育医療研究センター、都立東部療育センターなどを経て現職。おもちゃコーディネーターでもあります。
参考/ひよこクラブ2011年11月号「指しゃぶり&おしゃぶり いいの?悪いの?」より
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