赤ちゃんの前でスマホを使うのはOK?NG?
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今や「生活必需品」という代名詞がぴったりのスマホ。でも、赤ちゃんや小さな子どものいる家庭では、わが子の前でスマホをどこまで使っていいのか、親として迷うという声も。正解はあるのでしょうか? 子育て中のママ・パパのスマホとのつき合い方を、メディア情報リテラシーが専門の実践女子大学教授・駒谷真美先生に伺いました。
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家庭内のスマホルールを作ること
結論から言うと、赤ちゃんの前でスマホを使っても大丈夫。ただし、その前に、ママとパパは、スマホを子育てにどう活かしたいかを考え、赤ちゃんのための家庭でのスマホルールを決めることが重要だそうです。
ママとパパで家庭内での使い方の統一を
「スマホの使用を知育に役立てたり、ばあば・じいじなどとのコミュニケーションに活かしたりなど、ママ・パパが同じ見解を持ち、使い方を統一しましょう。
アプリは、月齢や発達に合っているかを事前確認して選ぶ、赤ちゃんの写真や動画の送り先は、親族限定もしくはSNSなら鍵つきのアカウントで行い、『無断転送は控えて』とひと声かけると安心です。
注意したいのは、
・3D動画の視聴
・長時間や就寝前の動画閲覧
・目まぐるしく変化したりチカチカする動画の閲覧
これらは、赤ちゃんの成長に悪影響を与えるので避けましょう。
赤ちゃんにとって、最初のスマホの先生はママとパパ。2人が使う姿を見てまねをして、つき合い方を学びます。正しいお手本を見せてあげて」(駒谷先生)
赤ちゃんと一緒に楽しもう
「スマホとのおすすめのつき合い方は、次の3つ。
①成長記録などを残す
②コミュニケーションツールとして使う
③1~2分を目安に、知育アプリなどを親子で楽しむ
パパやばあば・じいじなどとの連絡では、『パパよ』などと赤ちゃんに声をかけ、画像や映像を見せてもいいでしょう。
『家族でお話したいから夕食買ってきて♡』と、赤ちゃんの写真にひと声添えて送信すれば、パパも快諾し、ママの負担も軽減するのでは? これが習慣になると、親子や夫婦のコミュニケーションが密になるでしょう。
ガラケー派のばあば・じいじには、『赤ちゃんの鮮明な写真や動画が見られますよ』とすすめて、デジタルシニアになってもらっても。ママ・パパの気分転換での使用は、赤ちゃんの就寝後のお楽しみにとっておきましょう」
スマホルールを作るポイント
家庭でスマホを使う際のルールを決めるときに、役立つポイントを3つ挙げてもらいました。
ペアレンタル・コントロールが大前提
「『スマホは必ずママやパパと一緒に使う』『スマホはママやパパのもの』と、赤ちゃんに徐々に意識づけ、ペアレンタル・コントロール(※)の姿勢を見せることが大切です」
※親が利用を制限したり、内容をチェックしたり、親の監修のもとで子どもがスマホを使うこと
赤ちゃんの気持ちを優先しつつ、制御はしっかり
「表情や様子をこまめに確認し、楽しそうなら赤ちゃんの前でスマホを使ってもOK。ぐずり始めたら中断しましょう。赤ちゃんがスマホ画面に顔を近づけたり、長時間使ったり、就寝前に動画を見たりするのは避けて」
スマホを赤ちゃんの興味を引き出すツールに
「赤ちゃんの発達に合ったアプリなどを準備し、動物などの画像を見せてもOK。興味を示したら、公園や動物園で実物を見る・触れる体験につなげてみましょう」
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赤ちゃんの前でスマホを使うことにちょっとためらいがあったママ・パパは、気持ちがすっきりしたでしょうか? 「ママやパパの使い方が、子どものお手本になる」という言葉、いつも念頭に置いて、スマホを使っていきたいですね。(取材・文/茶畑美治子、ひよこクラブ編集部)
■監修:駒谷真美先生
実践女子大学人間社会学部教授。専門はメディア情報リテラシー。赤ちゃんからシニアまで、最新メディアと楽しく上手につき合う方法についての実践的研究などに従事。
■参考:『ひよこクラブ』2018年3月号「ネットの育児情報掘り下げ解説」