本当に「虫」が好きな子におすすめしたい絵本5冊
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ちょっと苦手だと思っているママ達とは裏腹に、昆虫が大好きな子ども達はたくさんいます。
日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」の編集長・磯崎 園子さんが紹介する「本当に虫が好きな子におすすめしたい絵本」。親子で一緒にその世界をのぞいてみてくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
日本最大級の絵本情報サイト「絵本ナビ」
子どもと一緒に虫の絵本を読んでみよう
昆虫が大好きな子どもたちの夢は一体どんなことなんでしょう。想像もつきませんよね。でも、絵本を一緒に読んでいると伝わってくるのです。
「ああ、この子、本当に嬉しそうだな」
それは、一緒に昆虫と遊ぶお話だったり、虫取り名人のお話だったり、昆虫の事をもっと詳しく教えてくれる絵本だったり…。もちろん、色々なタイプの楽しみ方があるはずです。
大好きなカブトムシと、もし一緒に遊べることができたら…?
こんちゃんは虫が大好き。なかでも一番好きなのはカブトムシ!そんなカブトムシと、もし一緒に遊べることができたら…?
そんなこんちゃんの夢、叶うのです。幼虫から育てて地面の上に出てきたのは、自分と同じ位大きなカブトムシ!こんちゃんは「カブトくん」と名付けて一緒に暮らします。カブトくんは、食いしん坊。大きなスイカをシャミシャミ食べます。朝は日曜日のお父さんみたいになかなか起きてきません。力持ちだけど体は軽くて、羽を上手に使って縄跳びができて、お風呂は上手く入れません。
「カブトくん」
(作/ タダ サトシ こぐま社)
…と、ここまで読んでいるうちに、虫の苦手なママも思うはず。
「カブトくんと一緒に遊ぶ子どもたちの楽しそうなこと!」
それがどれだけ嬉しいことなのか、伝わってくるのです。(カブトくん、ちょっと大きすぎるけどね)
だけど、カブトくんがちょっと元気がなくなってきて…。カブトくんが本当にいるべきところはここではないのです。こんちゃんだって、わかっています。だって、本当にカブトくんのことが好きだから! こんちゃんの決心は簡単ではないけれど、それはとっても大事な経験なんですよね。
あれ、こんなに可愛い顔をしているんだっけ?
次々に出てくる昆虫の顔のクローズアップ写真。どれも、迫力満点で、しかもユーモラスな顔です。さあ、この顔を見て、虫の名前がわかるかな? じーーーっと見ているうちに、なんだか…好きになってきた?
「だれだか わかるかい?」(文・写真/今森 光彦 福音館書店)
(絵本ナビレビューより引用)
表紙のバッタが可愛い!やぁと手を挙げて挨拶してくれているみたいです。知っているつもりだけど、実はまじまじと見たことがなかった虫の顔が、こんなに表情豊かとは驚きでした。写真も文章も今森光彦さん。きっと虫が大好きなのでしょうね。虫たちが読者に語りかけてくるようなコメントは、知識を増やしてくれるだけでなく、同じ地球に暮らす仲間たちへの親近感を深めてくれます。
(ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
お兄ちゃんは、虫とりの天才
「おにいちゃん まってー!ぼくも むしとり つれてって!」
お兄ちゃんは、虫とりの天才。お兄ちゃんといると不思議。いつも通る道なのに、小さな小さなしげみなのに…だんだん虫がいっぱい見えてくる! イタドリの葉っぱを見てみれば、鮮やかな模様のイタドリハムシ。ノブドウの葉っぱがかじられていれば、裏には沢山のアカガネサルムシ!枝の先を網に入れてガサガザゆらせば…見たことのない形をした小さな虫がいっぱい。見たことがないっていうより、ちゃんと見たことがなかったって言う方が正しいのかな。とにかくお兄ちゃんがすごいのは、どこにどんな虫がいるかってことをちゃんと知っていること。
「むしとりにいこうよ!」(作/ はた こうしろう ほるぷ出版)
楽しくワイワイ騒いでいるようだけど、ページをめくるたび、次から次へと広がっていくのは、お兄ちゃんとぼくの結構「本気」の世界。読めば、今すぐにでも外に飛び出していきたくなってしまう1冊です。今年の夏はちょっとちがった景色が見えてくるかもしれませんね。
本格的時代劇絵本の新ヒーローの正体は…蜘蛛!?
「よし、おいらにまかせなっ。」※本文より引用
こんな男前な岡っ引き親分が(江戸らしき)町を舞台に大活躍する時代劇調絵物語。でもこの親分、男前だけど口が…そう、ここは虫の町、親分は蜘蛛なのです。
お菓子屋の老舗の「ありがたや」に盗人からの予告状。お祭りのための倉のお菓子を今夜盗みに来ると店の者(蟻)達が泣いています。蜘蛛の巣親分、倉を蜘蛛の巣で囲っていざ見張り! ところが、敵は姿の見えないかくればね。悪戦苦闘の親分、さぁどうする?
「くものすおやぶん とりものちょう」(作/秋山あゆ子 福音館書店)
発売されると同時に子どもたちの支持を得て、大評判となった「くものすおやぶん」。本格的な虫の描写は虫が大好きな子どもたちにとっては、大好物なんですよね。
「虫の重さってどのくらい」って考えたことある?
図鑑で眺めてみたり、虫取りに出かけて実際に手に取ってみたり。虫の観察は沢山していても「虫の重さ」について考えたことってあったかな…。
「昆虫の体重測定」(文・絵/吉谷 昭憲 福音館書店)
私たちは健康状態や成長を確かめるために、体重測定をします。では、昆虫はどうでしょう。そういえば、図鑑には、大きさは書かれていますが、体重はのっていませんよね。この絵本の作者は、一万分の一グラムからはかれる電子天びんというはかりを使って、身近にいる昆虫の体重を調べ始めたのです。すると、おもしろいことがわかってきて…。
意外と昆虫って可愛いのかも? そんな風に思わせてくれる絵本ばかりです。小さい頃は大好きだったのに、大きくなるにつれ、いつのまにか虫が苦手になって…そんな事が多いのも不思議ですよね。今だからこそ親子で一緒に楽しめる、と思うと、貴重な時期なのかもしれませんね。