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小児がんと戦う子どもたちを「クラウドファンディング」で応援!

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小児がんという病気を知っていますか? 子どもがかかるがんのことをいいます。
今、小児がん拠点病院に指定されている、東京・世田谷区の国立成育医療研究センターでは、無菌室が不足しています。無菌室を増やすために、国立の医療機関としては初めての"クラウドファウンディング"という手法で、寄付金を募るプロジェクトを立ち上げました。

どうして無菌室が必要なの?

小児がんの中でも、約40%を占めるのが白血病。血液をつくる工場である骨髄にがん化した細胞が増えることで、感染症、貧血、リンパ節の腫れ、発熱などの症状が出ます。適切な治療を受けないと、命にかかわります。

最近では、骨髄移植などの治療法が進歩し、小児がんの80%が治る時代になりました。そのため、高度医療を必要とする入院患者は増加しています。
国が指定する小児がん拠点病院で高度医療が受けられますが、その数は全国に15施設のみ。さらに、造血幹細胞移植(ぞうけつかんさいぼういしょく・提供者から正常な造血幹細胞を移植し、正常な血液をつくることができるようにする治療)では、免疫力が低下した患者さんを感染症から守るために、無菌室が必要なのです。

無菌室がたりない!

造血幹細胞移植を受ける子どもたちは、無菌室で3~4週間暮らすことになります。免疫力が低下しているため、ママ・パパと気軽に面会することもできません。国立成育医療研究センター・小児がんセンター長・松本公一医師は、「つらい治療を乗り越えるために、子どもたちは頑張っています。負担を少しでもやわらげ、無菌室の環境を少しでも向上させていきたい」と語ります。

現在、国立成育医療研究センターに2床ある無菌室は、老朽化が進んでいます。その無菌室も、現在受けて入れている患者数でギリギリたりている状況。これ以上患者が増えると、たりなくなることは明らかです。
「無菌室を1床作るためには、2500~5000万円のコストがかかります。国の助成金・補助金は制度上、施設整備の工事費に当てることはできません。また、企業からの寄付に頼るのにも限界があり、今回“クラウドファンディング”というかたちで、一般に寄付を募ることにしました」(松本医師)

国立の医療機関として初の試み

“クラウドファンディング”とは、アイデアやプランを持つ人が不特定多数の人に向け、資金の提供を呼びかけて資金を集めること。国立成育医療研究センターは、国立の医療機関として初めて、この“クラウドファンディング”を活用。無菌室を作るための資金を集めています。
期間は7月5日(水)~9月8日(金)の65日間。クラウドファンディングサイト「Readyfor」にて、「小児がんと戦う、みんなの願い。不足する無菌室を作ろう!」というプロジェクトを立ち上げています。1口3000円から寄付が可能です。

小児がんと戦う、みんなの願い。不足する無菌室を作ろう!

白血病を患い、無菌室で過ごした経験がある村上 渉さん(24才)は、「小児がんの子どもたちにとっては、入院生活が日常。過ごしやすい無菌室が増えることで、不安感も減ると思います。子どもたちは病気と戦っている最中。“かわいそう”ではなく、一緒に戦い、応援してほしいです」

小児がんの子どもたちは、退院してからもさまざまな困難が待ち受けています。「せめて無菌室だけでも、快適な環境を整えてあげたい」――。今回のクラウドファンディング・プロジェクトを立ち上げた人たちの、せめてもの願いです。アメリカでは、病棟全体を無菌にしている施設もあるとか。
クラウドファンディングが、困っている子どもたちの手助けになるというのは驚きでした。今後も、子どもたちのためになるクラウドファンディング・プロジェクトに注目です。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

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