【医師監修】1~2歳 子どもの発達がちょっと気になるときのかかわり方
1歳ごろになると、子どもは1人で歩き始めるようになります。しかしみんながみんな、1歳ごろに歩き始めるわけではありません。自分の子どもと周囲の子どもを比べて、「うちの子、遅いのかな」と心配になるママ・パパもいるでしょう。子どもの発達が遅いと感じたときに、親は何をすべきでしょうか? 小児科医の榊原洋一先生(お茶の水女子大学名誉教授)にお話を聞きました。
気になることがある場合は近所の小児科へ
子どもの発達について、何を基準に早いか、遅いかを判断したらいいでしょう?
母子健康手帳や育児雑誌などを見ると、寝返りはいつごろ、はいはいはいつごろ、つかまり立ちはいつごろ、という子どもの発育の目安が書かれています。ここで注意していただきたいポイントは、「ごろ」というのがあくまで平均値を言っているということです。「12ケ月ごろ」とあれば、半分の子どもはそれができるようになっているけれども、残り半分の子どもは正常であってもできていないということ。その前提を知っておく必要があると思います。
「発達が遅いかも」と疑いをもつサインなどはありますか?
発達が遅いことを示す、何らかのサインがあるわけではありません。では何をもって「発達が遅い」と言っているのかというと、統計的に見て遅いかどうか、ということです。医師の基準としては、たとえば100人中95人できているのにまだできていない場合に、「遅れている」という判断をします。ただし、健常であっても遅い子もいるので、必ずしもそれが異常というわけではありません。私が見た中では、2歳近くになってようやく歩いた子もいますが、歩き始めるのが遅かったというだけで健常でした。
「遅れている」という疑いがあった場合に、親はどういったアクションを起こせばいいですか?
いちばん早いのは、近所の小児科に行くことです。小児科の医師の仕事は病気を診るだけではありません。子どもの発達の支援をするのも仕事のうちなので、そこで診てもらうのがいいでしょう。そこでもし、何かしらの医療が必要と判断されれば、専門の医師を紹介してくれます。最初から専門の医師のところに行く必要はありません。
子どもの発達を見守るうえで、親が注意すべきことはありますか?
いつごろ、何ができるようになるのかを示す「発達のマイルストーン」を頭に入れておくことが大切です。子どもの発達の進み具合を知るうえで重要な手がかりとなるからです。今はネットでも簡単にいろいろなことが調べられますが、監修者がはっきりと書かれていない記事の中には、医師の目から見ると正しくないことが書かれていることもあります。もし心配ごとがあるなら、先ほども申し上げたように近所の小児科で診てもらうべきです。乳幼児健診などの際にも医師の診察がありますから、その場で聞いてみるのもいいでしょう。
発達の早い、遅いは個人差がありますが、平均より遅くてもそれだけで心配する必要はありません。ただ、発達のマイルストーンを知っておくことは大切。平均よりも少し遅いのか、極端に遅いのか。冷静に見極めたうえで、必要であれば医師に相談しましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2018/10/30
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