小学生の宿題や家庭学習のサポート、どうしてるの?
入学後の大型連休がすぎて子どもたちが学校生活に慣れてくると、小学校では宿題が出るようになります。宿題の量自体は担任の先生によってまちまちですが、宿題や教科書を読むなどの家庭学習なくして学習の定着はむずかしいといわれています。
とはいえ、子ども1人の力では家での学習習慣をつけることはなかなかできません。学校ではどんな指導をしているのか、家庭ではどんな工夫をしているのかを「ベネッセ教育総合研究所」顧問八木義弘さんに伺いました。
宿題についての情報はちゃんと家庭に届いている?
低学年生の家庭学習は、学校の宿題をベースにするので十分です。あれこれやらせようとすると、勉強嫌いになる恐れがあります。
学校の宿題は、各教科の授業中に先生から口頭で伝えられたり、終わりの会などで「◯ページを3回音読してくる」などと指示されて連絡帳に書いてくるケースが多いようです。
けれども子どもによっては、連絡帳に正しく書けていなかったり、ママに宿題のことについて聞かれる夜には忘れてしまっているということも。
あまりに宿題を忘れてしまうようなら、どうすれば忘れずにすむのかを子どもと相談したり、その方法を連絡帳で担任の先生に相談するのもひとつの手でしょう。
1日に一度、机に向かう時間を必ず作ろう
学童クラブへ通っている子どもの場合、「宿題は学童で遊ぶ前にすませる」という約束をしている家庭が多いと思います。けれども、放課後の開放感もあり、なかなかその約束が果たせているとはかぎりません。
「今日の宿題、終わった?」と子どもに聞いて「やったよ!」と答えても、やっていなかったという話もよく聞きますので、親のチェックは必須です。終えた宿題を見て認めたり、きちんとできているかを一緒に調べたりすることも1年生には大切なこと。
まだ終わっていないのなら、「ママも明日の仕事の準備をするから一緒にしよう」などと促して、明日の準備まで終わらせましょう。
音読や書き取り、計算など、宿題は習ったことの定着を目的にしていますが、家での学習習慣をつける目的もあります。
夕食の準備をしている時間、洗いものをしている時間、朝10分早く起きてなど、必ず子どもが宿題をして親がそのチェックまですませる時間を作りましょう。音読の宿題を聞く役は、洗いものをしながらでも可能です。
時間のなさから「宿題はもうやったの?」などと急き立てるのではなく、「ママもこれをするから、その時間は宿題ね」とか「パパが聞いているから、今日習ったことを教えて」「ここ、どうやってやるのかな? 教えてみて」などと促しながら、子どもとの時間を作ることが必要です。
先輩ママの体験談
学習サポートの時間を作る先輩ママ(※)の工夫をちょっと紹介しましょう。
※2017年11月~2018年6月までの間に、 小1の壁を経験した都内の小学生ママに編集部で取材したものとなります。
「夕飯の片づけものをしている時間に宿題を終わらせるルールにしました。自分から進んでしっかりとできた時は、入浴前のスイーツタイムに自分で好きなものが選べます。ゼリーやヨーグルトなど、ちょっとしたものですが、楽しみがあることで前向きに取り組んでいます。私も一緒に食べながら、宿題チェックをするのが楽しみです」
「学童クラブに行っているので、夜は疲れて早くに眠くなるので、朝起きてから宿題をしています。朝20分はパパとの触れあい兼宿題タイムです」
親が学校のことに興味を持つと子どももやる気に
「今日、学校でこんなことがあったんだ」と子どもが話したら、「へえ〜、そうなんだ。その時、先生はなんて言ったの? どういう風に教わったのか教えて」などと興味を持って聞きながら机につくと、子どもも「ママはぼくの学校や勉強のことをもっと知りたいんだ」とうれしくなり、宿題にも前向きに取り組めます。
逆にママやパパが家でスマホを触ってばかりいたり、時間に追い立てられているようだと、「ママやパパはぼくの学校のことに興味がないんだな」と感じてしまい、学校であったことを親に話さなくなったり、宿題をいい加減にするようになってしまいます。
1年生の授業の進度はとてもゆっくりですが、それは勉強の仕方も習っているから。本格的に学習が進みだしてから困らないように、10分でも15分でもいいので、自宅で机に向かう習慣をつけましょう。
(取材・文/bizmom編集部 橋本真理子<メディア・ビュー>)
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