1歳・2歳 しつけのコレが知りたい!Q&A
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子どものしつけの方法について、習ったり、学んだりしたことがあるママ・パパは多くはないでしょう。しかし、いざ親になったら、子どもをしつけなければなりません。育児書などを読んだりしてその通りにしつけをしようとしてみても、「どうしてうまくしつけられないんだろう…」「言うこときかないうちの子って、ちょっとへんなのかな?」と悩むママ・パパも多いはず。というわけで、しつけにまつわるさまざまな疑問を、子どもの社会性の発達に詳しい白百合女子大学人間総合学部の秦野悦子先生(発達心理学)にぶつけてみました。
子どもは赤ちゃんのときから親の背中を見ている?
育児の中でも、しつけはうまくいかないことばかり。どのようにすれば、子どもをうまくしつけることができるのか。秦野悦子先生に教えてもらいました。
Q1 何度「ダメ」と言っても同じことをやってしまいます
A1 ダメなら次の行動を教えてあげましょう
「ダメ」と言っているにもかかわらず、子どもが同じことをしてしまうのは、その動作を止めた次に何をしていいのかわからないからです。「ダメ」と言うだけではなく、その次にどのように行動をすればいいのか、ママ・パパが手本を見せてあげましょう。言葉でも説明してあげてください。
Q2 うまくできないので手伝ってあげると、怒ってしまいます
A2 子どものやる気を尊重しながら、フォローはさりげなく
子どもがやる気になっているところに、親が過剰に手を貸す行為はNGです。一歩引いて、「もう少しだね、ママ(パパ)と半分ずつやってみようか」と、子どものやる気を尊重しつつ、フォローは最小限にとどめてください。もしそのフォローも拒否されたら、子どもに気づかれないようにさり気なくフォローしてあげてください。
Q3 思いやりや優しさを育てるにはどうしたらいいですか?
A3 ママ・パパが普段から思いやりのある言動を
思いやりのある優しい人間に育ってもらいたいと願うママ・パパは多いでしょう。しかし子どもに「優しくしようね」と言葉だけで伝えても、子どもはなかなか理解してくれません。子どもに言い聞かせるだけでなく、夫婦の普段の会話や行動にも注意するようにしてみてください。ママとパパが互いにいたわり合う。外で困っている人を見たら助けてあげる。そういった親の姿を見ると、子どもの心にも響くものがあるはずです。
Q4 つい感情的にしかってしまうことがあります。どうすればいいのでしょう?
A4 成長に合わせてかかわり方をステップアップしましょう
1歳代になると、子どもが思い通りにならないことが増えて、感情的にしかってしまうこともあると思います。しかし子育てが難しくなっているのは、子どもが成長している証しともいえるのです。子どもの気持ちを受け止めながら、子どもとのかかわり方を見直してみましょう。
Q5 保育園でできることなのに、家ではやろうとしません
A5 家でも保育園の雰囲気を演出することで、やる気を出すこともあります。
保育園では手洗いや片づけをするのに、家ではしない。それは家でママ・パパに甘えているからかもしれません。できたことをほめてあげる、保育園で教わった歌を歌ってあげる。そういったことをしながら家でも保育園の雰囲気を演出してあげると、やる気を出すこともあります。いずれにせよ、そのうち自分でやるようになるので、あせらなくて大丈夫です。
Q6 パパがしつけをするときに、どんなことに気をつければいいですか?
A6 普段から夫婦で意見や情報を交換しましょう
子どもをどのようにしつけるかは、夫婦間でよく話し合って、お互いの考えを把握しておきましょう。また、ママが普段から、子どものことで知っていることをパパと共有しておくことも大切。どちらか一方がしかったときはもう一方がフォローするなど、臨機応変に役割を分担して子どものしつけに臨むようにしてみてください。
しつけは今日いきなり成果が出るものではありません。そのため「どうしてうちの子はうまくできないのかな」と悩むこともあるかもしれませんが、あわてずにじっくりと取り組んでみましょう。子どもは親の背中を見て育つというように、親の普段の言動や行動が、しつける言葉以上に子どもに伝わってしまうこともあります。しつけがうまくいかないなと思ったら、ママ・パパ自身の言動や行動を振り返る、いい機会にしてください。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
監修/秦野悦子先生
白百合女子大学大学院文学研究科発達心理学専攻、人間総合学部発達心理学科教授(学科長)、発達語用論、障害児のコンサルテーション、子育て支援が専門。『子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる』(PHP研究所)など著書多数。
参考/「1才2才のひよこクラブ」2017年冬春号「押さえておきたいしつけ入門」
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