【医師監修】かかりやすいから要注意!赤ちゃんの目と鼻の病気、受診の目安とおうちケア
「目やにが多い」「なかなか鼻水が止まらない」…赤ちゃんの目や鼻のトラブルは、わりと多く起こりがち。ほうってはおけない、目と鼻の病気について、小児科医の山中龍宏先生に教えていただきました。
赤ちゃんの目に起こりがちな病気とは?
充血などが発見の糸口となる、目に関する病気は、普段の赤ちゃんの様子を見ていて気づきやすいですね。よくありがちな2つの病気についてチェックしていきましょう。
まつげが内向きになって眼球を刺激する 【さかさまつげ】
「正しくは、睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)と言います。赤ちゃんのまぶたや目の下は脂肪がついているため、まつげが内向きになりやすくなります。そのまつげが眼球をチクチクと刺激するのが、さかさまつげです。
上まぶたよりも、下まぶたに多く症状が見られます。ほとんどの場合、まぶたの脂肪がとれてくる4~5歳ごろには自然に治りますが、充血や目やにの症状がひどいときは受診しましょう。角膜保護薬や抗菌薬入りの点眼薬などで、結膜炎などの目の感染症予防をする場合もあります」(山中先生・以下同)
充血したり目やにが出る【結膜炎】
「結膜炎(けつまくえん)は、ウイルスや細菌が原因で、結膜に炎症を起こす病気です。白目の充血、黄色い目やにがたくさん出ます。結膜炎は3種類あり、それぞれ特徴があります」
●ウイルス性結膜炎
「ウイルス性結膜炎はウイルス感染で発症し、うつりやすい病気です。流行性角結膜炎、高熱やのどの炎症を起こす咽頭結膜熱(プール熱)、白目部分が結膜下出血になる急性出血性結膜炎などがあります。
治療には、抗菌薬やステロイド薬入り点眼薬を使います。家族にうつりやすいので、タオルを別にするなどの注意が必要です」
●細菌性結膜炎
「細菌性結膜炎は、細菌感染が原因です。汚れた手で目をこするなどして発症し、目やにや涙が出ます。膿(うみ)のような黄色い目やにが出ることもあります。
抗菌薬入り、またはステロイド薬入りの点眼薬で治療しますが、薬を使えば1週間ほどで治ります」
●アレルギー性結膜炎
「アレルギー性結膜炎は、目の結膜が炎症を起こし、かゆみ、充血、涙が出る、まぶたが赤く腫(は)れるなどの症状が出ます。花粉、カビ、ハウスダストなどが原因で、同時にアレルギー性鼻炎の症状が出ることもあります。
抗アレルギー薬入り点眼薬や、抗菌薬入り点眼薬で治療します」
赤ちゃんの鼻に起こりがちな病気とは?
「鼻水吸い器があってよかった!」
鼻水が出始めると、なかなかスッキリしない子もいるのでは? ひどい症状になると手術になることもあるので、鼻の病気のこともしっかりチェックしておきましょう。
鼻の粘膜が刺激されてくしゃみや鼻水が出る【アレルギー性鼻炎】
「アレルギー性鼻炎は、ハウスダスト、スギ花粉、カビなどが鼻の粘膜を刺激して起こります。連続してくしゃみが出たり、水っぽい鼻水が流れ、鼻詰まりが続きます。
治療には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、抗ロイコトリエン薬などを服用します。抗アレルギー薬やステロイド薬入りの点鼻薬を使用することもあります。
アレルゲンが特定できれば、それから遠ざけます。0歳代の鼻水がアレルギー性のものかどうかは、まだ診断できません。1歳代であっても、すでにアレルギー疾患がある赤ちゃんなら診断されることがありますが、多くの場合、アレルギー性鼻炎と診断されるのは、2歳以降です」
涙が鼻へ流れる通路が詰まっている状態【鼻涙管閉塞症】
「鼻涙管閉塞症(びるいかんへいそくしょう)は、目頭の穴から鼻につながる涙の通路(鼻涙管)が詰まる病気。
症状は、目が潤む、目やにが出る、涙があふれる、などです。先天性鼻涙管閉塞症と、重症の鼻炎や結膜炎が原因で起こる後天性の鼻涙管閉塞症があります。
目やにが出たら、湯でしぼったガーゼなどを使って、やさしくふきとってあげましょう。目頭の目やにを押し出したあと、軽くマッサージをすると、1ケ月くらいで治ることもありますが、治らない場合は、点眼麻酔をかけて、細い針金状の器具(ブジー)を使って、鼻涙管を開通させる手術を行います」
赤ちゃんの目や鼻のトラブルは、日常的に起こりやすいから、ママも上手なケアのしかたをわかっていることでしょう。でも、症状によっては、家族みんなが感染することも。気になるときは、早めに受診するようにしたいですね。(文/ひよこクラブ編集部)
■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2019/01/08
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