赤ちゃんの冬の嘔吐。気をつけたいことは?
冬のある日に赤ちゃんが吐いた! 「原因は?」「嘔吐したものはどう処理すればいいの?」「受診はしたほうがいい?」など、疑問や気がかりを持つママ・パパも多いでしょう。実際にわが子が嘔吐したときにあわてないよう、「ひよこクラブ」の人気連載「すくすく成長日記」の監修でおなじみ、小児科医の若江恵利子先生に、赤ちゃんの嘔吐について聞きました。
冬の嘔吐の原因はさまざまです
冬に赤ちゃんが嘔吐する原因として考えられるのは、まず風邪や気管支炎です。ひどくせきこんで吐くことがあります。また、ウイルス性の胃腸炎の場合もあります。胃腸炎を引き起こすウイルスはさまざまですが、とくに秋から冬にかけて流行するのがノロウイルス。これは赤ちゃんに限らず、あらゆる年齢層でかかります。嘔吐のほか、下痢や発熱などの症状が見られます。
そもそも、赤ちゃんは病気でなくても吐くことがあります。激しく泣いたり、笑ったりした拍子に嘔吐することも。ただし、病気でない場合は1回吐けば終わることがほとんど。短時間に何回も嘔吐を繰り返す場合は病気です。
嘔吐物の処理とお世話のポイント
とくにウイルス性胃腸炎による嘔吐の場合は、家族への感染を防ぐため、速やかに吐いたものを処理する必要があります。適切な処理法を知っておきましょう。また、嘔吐によって脱水を起こさないよう、見守りながらお世話することも大切です。
適切に嘔吐物を処理し、家族への感染を防ぐ
ウイルス性胃腸炎が疑われる場合は、嘔吐物の処理のしかたには細心の注意を。嘔吐物にはウイルスが含まれている可能性があるので、放置すると空気中にウイルスが一定時間残ります。速やかに処理して、家族への感染を防ぎましょう。ママ・パパはマスク、使い捨ての手袋を着け、ペーパータオルなどで嘔吐物をふき取ります。そのあとは次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤や家庭用塩素系漂白剤でしっかり消毒を。使用したマスク、手袋、ペーパータオルなどはビニール袋に入れて密封し、捨てましょう。
脱水に注意し、安静に過ごして消化のいい食事を
嘔吐でいちばん怖いのが、脱水を起こすことです。おっぱい・ミルクを受けつけず、嘔吐がひどい場合は、ベビー用イオン飲料や、医師の指導のもとで経口補水液を飲ませましょう。赤ちゃんが嫌がらなければ、スプーンで一口ずつゆっくり時間をかけて与えます。もし、水分を与えてもすぐに嘔吐したり、ぐったりして顔色が悪かったりする場合は、すぐに受診しましょう。夜の場合は朝まで待たず、救急病院を受診してください。
離乳食や幼児食の子の場合、嘔吐が落ち着いてきたら食事を与え始めましょう。最初は消化のいいおかゆやうどんなど、あたたかくてやわらかいものがいいですね。ウイルス性胃腸炎の場合は、3日ほどで回復する子が多いでしょう。保育園に通っている子は、嘔吐・下痢がなく、食事が普通に取れるようになれば登園することができます。
赤ちゃんの嘔吐の原因がよくわからず、赤ちゃんの様子がいつもと違う場合は、念のためウイルス性胃腸炎の嘔吐物として処理すると安心です。家族に感染が広がらないように、いざというときに備えて、使い捨ての手袋や次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤などは用意しておくといいでしょう。(取材・文/永井篤美、ひよこクラブ編集部)
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