モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもが“飽きる”のは成長している証拠!
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“子どもは遊びで成長する!”と言われますが、「新しいおもちゃを与えても、すぐに飽きてしまう」「1つの遊びに集中してくれない」と悩むママ・パパは少なくありません。しかし “飽きる”には、子どもなりに理由が! 光り輝く子どもたちの未来をサポートする乳幼児親子教室「一般社団法人 輝きベビーアカデミー」代表理事・伊藤美佳先生に、子どもが飽きる理由について教えていただきました。
うちの子、ホントに飽き性!? 子どもが集中して遊ぶ4つのポイント
子どもは遊びに集中することで、自分の持っている才能を存分に発揮します。しかしママ・パパの中には「うちの子、飽き性で…。集中力が続かないです!」と悩んでいる人も…。そのような場合には、次にあげる項目を参考に、集中できる環境が整っているか、まずはチェックを! 飽き性ではなく、環境に問題がある場合もあります。
環境を整えるPOINT1 遊びたくなるものを用意する
子どもは本能的に遊びを通して、自分の能力を引き出したいと思っています。自分が「遊びたい!」「触りたい!」と思ったものを手にすると集中力を発揮するので、まずは子どもが興味を引くものを用意しましょう。
環境を整えるPOINT2 ストレスなく遊べる環境をつくる
おもちゃや絵本は子ども専用の棚を用意し、同じ場所にいつも同じものを置いて、子どもが自由に手に取れるようにしましょう。そうすることでストレスを感じずに、集中して遊べるようになります。
環境を整えるPOINT3 遊んでいる最中は、むやみに話しかけない
集中して遊ぶと自分の世界に入り込み、まわりの声が耳に入らなくなります。そのためママ・パパは、声をかけずに見守ることを心がけて。集中しているときにほめたり、次の遊びに誘ったりすると、ほかのものに関心が移りやすくなってしまいます。
環境を整えるPOINT4 ママ・パパが一方的に遊びを中断しない
子どもは全部やりきると満足して自分から終わりにするので、ママ・パパが一方的に遊びを中断するのはやめましょう。子どもでも自分で終わりを決めることは大切な経験ですし、やりきったという達成感や満足感をたくさん経験した子は、心が満たされるので性格もおだやかになります。
遊びに飽きたら“成長のチャンス!”ととらえて
「環境を整えるPOINT1~4」を実行しているのに子どもがすぐに飽きてしまう場合は、「もっと違うことがしたい!」「もう少し上のレベルの遊びがしたい!」という子どもからのメッセージです。子どもは本能的に「新しい遊びをして、もっと成長したい!」と思っているので、指先をつかったり、パズルで頭を使ったり、ボール遊びで体を動かすなど、いつもとは違う遊びにチャレンジを! 遊びの幅が広がると、子どもの知能も発達します。飽きやすい子は“ちょっと難しいけれど、頑張るとできる!”くらいの、少し難易度の高い遊びを選ぶといいでしょう。
「飽きっぽい」というとネガティブにとらえがちですが、それは根っからの性格ではなく、子どもからのメッセージかもしれません。子どもが遊びに集中できる環境が整えられているか、遊びのレベルが子どもに合っているか、親はまず確認したほうがいいですね。また、スマホやタブレットなどで動画やゲームに夢中になっているわが子の姿を見て、“集中力がある!”と思うママ・パパもいるかもしれませんが、それは受け身になって画面を見ているだけ。乳幼児期に伸ばしたい集中力とは違うので、カン違いしないようにしましょう。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/伊藤美佳先生
乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。26年間にわたり、幼稚園、保育園で1万5000人以上の幼児を教える中、わが子がモンテッソーリ―教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。モンテッソーリ―教育を実践していく中で、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。子どもの隠れた才能を発見し、最大限伸ばす手法として、スクールなどで取り入れています。