体の筋肉と同じく顔の筋肉も衰える?老化を防ぐ顔のエクササイズとは
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老化を感じさせるのは、何と言っても見た目。顔も体と同じく筋肉があり、使わないとたるみ・シワの原因になります。顔のたるみやシワが無いだけでも、若々しさを感じさせることができます。日常生活の中で簡単に取り入れられる顔のエクササイズと、老けない顔を作る注意点などを歯科衛生士・表情筋トレーナーの内田佳代さんが解説します。
内田佳代(歯科衛生士・表情筋トレーナー)
「ガム小顔ダイエット」ぶんか社 第二章監修。「噛むこと」を意識させる、歯科衛生士ならではの表情筋エクササイズ、口もとからの美を提案。全国各地で講演・セミナー開催。ミスユニバース地方大会セミナー担当。NHK「きれいの魔法」など美容番組・雑誌等、多数出演。
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実年齢より老けてみえるのは、ほうれい線が原因!?
老けて見えてしまう原因の1つは、ほうれい線にあります。以前に比べ、ほうれい線が深くなっている方は要注意です。さて、ほうれい線はなぜ深くなるかという理由の前に、顔の筋肉について説明します。顔の筋肉は、大きく分けて以下の3種類があります。
・食事の際に使う「咀嚼筋(そしゃくきん)」
・怒ったり笑ったりの表情を作る「表情筋」
・飲み込みなどの時に必要な「舌の筋肉」
どの筋肉も大切ですが、顔のシワに大きく関係するのは「咀嚼筋」です。咀嚼筋には、さらに4つの筋肉に分けられますが、その中の「咬筋(こうきん)」がほうれい線に大きく関係します。
食事などであまり噛まない生活をしていると、咬筋が衰え、たるんできます。咬筋のたるみは、頬のたるみに繋がりますので、ほうれい線が深く刻まれる原因となるのです。
ほうれい線予防のためには、咀嚼筋をしっかり使うこと
シワやたるみを防ぐためには、マッサージなどを行うよりも、筋肉を鍛えることが効果的です。ほうれい線の予防には、食事の時に時間をかけてしっかりと噛むことが大切です。
・柔らかいものを好んで食べている
・あまり食事に時間をかけず、流し込んでいる
こういった方は、咀嚼筋が衰え始めている可能性があるので要注意です!
では、咀嚼筋を鍛えるために硬いものを噛めば良いかというと…それは違います。
特に女性の顎関節症(がくかんせつしょう)は増加しており、硬いものを噛むことで、顎(あご)に負担をかけることがあります。
咀嚼筋を鍛えるには、硬いものではなく「噛みごたえがあるもの」を食べましょう。
例えばサラダを選ぶ際は、ポテトサラダではなく、ゴボウサラダなどの繊維質が多いものにしましょう。お肉の場合も、トロトロに煮込んだものではなく、多少噛みごたえのある筋張ったお肉を選びましょう。
これは、大人だけではなく子どもにも当てはまります。顎の成長には、適度な顎の運動が必要です。食事の時に、時間をかけしっかりと噛むことで、顎の成長を促すのです。
ガムを噛んで簡単エクササイズ
ここで、ガムを噛んで手軽に行えるエクササイズを紹介します。板ガムなら1枚、粒ガムなら2粒噛み、柔らかくなったら、エクササイズ開始です。
1.右の奥歯にガムを置き、口は閉じますが、顎を大きく動かし少しオーバに10回噛みます。ガムが右の奥歯から逃げないように舌で寄せながら行います。
2.同じように左の奥歯で10回
3.右の犬歯の後ろ(小臼歯)で10回
4.左の犬歯の後ろ(小臼歯)で10回
5.前歯で10回
これを1日2セット行いましょう。
二重アゴになるのは、筋肉の衰えが原因!
太っているわけでもないのに、顎の周りがスッキリしない、二重アゴが気になるという方もいると思います。実はこれも、筋肉の衰えが関係しています。ほうれい線は咀嚼筋の衰えでしたが、顎周りのたるみは「舌の筋肉」の衰えが原因なのです。
舌の筋肉が衰えると、二重アゴやフェイスラインがぼやけるなど、見た目に問題が出てきますが、高齢になると、舌の筋肉が衰えることで機能的にも問題が生じます。よくむせるようになった、飲み込みがうまくいかないということに繋がるのです。
「まだ若いから大丈夫!」と過信せず、舌の筋肉が衰えないように、早いうちからしっかり予防しましょう。
簡単チェックであなたの舌が衰えていないか確認しよう!
まずは、舌の筋肉が衰えているかチェックしてみましょう。軽く口を閉じた時、舌はどこにありますか?
正しい舌の位置は、1の上顎に舌がしっかりついている状態です。
2,3に該当する方は、舌の筋肉が衰えている可能性があります。
舌が正しい位置にない場合、口呼吸をしている可能性があり、口が乾くのでむし歯や歯周病菌が増えやすい状態であったり、鼻から入るはずの空気が直接肺に入るため喉を痛めたりします。
舌の位置が下がっていた方は、是非、舌の筋力UPのためのエクササイズをやってみましょう。
ゆっくりしっかり!舌グルグルエクササイズ
舌を、歯と唇の間に入れて、ぐるりと一周まわします。一周まわしたら、反対周り。舌で唇を強くグッと押し広げながら回しましょう。一周8秒から10秒くらいゆっくりかけて行います。
その時、唇は舌が見えないようにギュっと閉じましょう。エクササイズ中は、息を止めないように、鼻からゆっくり呼吸しながら3〜5セット行います。筋トレなので、辛いと思うくらいに負荷をかけることが筋肉に効いてくるポイントです。楽にできてしまう方は、舌で思いっきり唇を押せていない可能性があります。回数にこだわるのではなく、しっかりゆっくり行いましょう。
毎日行うことで、顎まわりが引き締まり、フェイスラインがスッキリしてきます。
短時間で良いので、継続することが大事!
顔の筋肉は、体の筋肉に比べ薄くて細い筋肉が多いため、短期間で効果が出にくいです。毎日短時間で良いので長期間エクササイズを実施することで、効果が出てきます。少し実施して、変化が無いからと言って諦めず、まずは1ヶ月続けてみてください。
エクササイズよりも大切なのは「噛むこと」です。食事の内容や食事時間を見直すだけでも、自然と咀嚼筋が鍛えられます。しっかり噛むことが、老けない顔を作る秘訣です!
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