2019年はスマホ通信料金を見直すチャンス! お得に上手に節約するコツをチェック
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2019年はスマホや携帯電話の通信料金が値下がりする、と言われているのをご存知でしょうか? 妊娠中や育児中は思うように外出できないので、何かとスマホを使う機会が増えますよね。それだけに通信料金は家計の大きな問題です。通信料がどのように変わり、私たちはどう選ぶのがお得なのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに解説してもらいました。
自分で動かないと通信料は下がらない!
スマホの料金プランは、2018年秋からすでに値下がりが始まっています。この夏に政府が「現在のスマホ料金はプラン内容がわかりにくく、料金も諸外国に比べて高すぎる」と公に言ったことで、auやドコモ、ソフトバンクといった大手キャリアが料金を見直さざるを得なくなったんですね。
また、楽天も今年の秋にキャリアとして参入することを発表していて、これも通信料金に大きな影響を与えそうです。
とはいえ、皆さんが今使っている通信プラン料金が、そのまま値下がるわけではありません。内容もシステムも異なる新プランが出たり、今までにはなかったサービスが登場するケースがほとんど。だから自分から動いて乗り換えしないと料金は安くなりませんし、どのプランを選ぶか見極めないと、逆に今より通信料が高くなったり不便になってしまうこともあり得ます。情報をしっかりチェックすることが大切です。
大手3キャリアの値下げは内容も時期もバラバラ
現在のところ、au、ドコモ、ソフトバンクの3大キャリアのいずれかと契約している方が大多数でしょう。大手3キャリアは値下がりに向けてどのような動きをしているのか、ますはそれを知っておきましょう。
いち早く動いたのはソフトバンク
大手キャリアのなかでいち早く料金プランに手を入れたのがソフトバンクです。2018年秋に、今までよりシンプルな新料金プランを導入しました。YouTube(ユーチューブ)などの動画サービスやInstagram(インスタグラム)、LINE(ライン)などのSNSがデータ消費をしない「カウントフリー」と呼ばれるプラン「ウルトラギガモンスター+(プラス)」も、他キャリアに先駆けて提供しています。
スマホなどの通信プランの多くは、決められた月以外で契約を解除すると1万円前後の違約金が取られる「2年縛り」がありますよね。ソフトバンクの新プランでは2年縛り「アリ」と「ナシ」が選べます。
ただし、2年縛りナシは月額料金が高いなどの落とし穴が。また、過去に契約したものは2年縛りが継続されるなど、プランや契約内容でも対応が異なります。
ドコモは4〜6月の動きに注目
ドコモは最近、テレビCMなどで「1980円」としきりに宣伝していて気になりますよね。でもこのプラン、対応機種が限定されるなどいくつかの条件があって、すべてのユーザーがこのプランにできるわけではないんです。
ドコモは19年の第1四半期(4〜6月くらい)に「2~4割値下げとなる新料金プランを導入する」と予告しているので、こちらのほうが要チェックです。
auはドコモなどの動きに合わせて対応
auは2017年夏から端末代と通信料金をはっきり分けた分離プラン「auピタットプラン」を導入していて、請求書ベースで3割の値下げを実現していると主張しています。でも、「今後、ドコモがより割安な料金に踏み込んだら、しっかり対応していく」としているので、こちらの動きにも注目です。
秋にキャリアに参入する楽天が大穴かも!?
楽天モバイルは現在、格安スマホを店舗とWebで提供していますが、2019年10月からau、ドコモ、ソフトバンクと同じように、自社で通信回線を持つ「キャリア」としてサービスを開始します。といっても、しばらくはauの回線を借りる形で運営をするようです。
楽天の格安スマホが主婦に大きく支持されているのは、楽天カードがあるからです。通信料の支払いで楽天スーパーポイントがたまるなど、使いやすさとお得感が人気を呼んでいます。キャリアになることで、さらにそこが強化され、サービスの範囲が広がることが考えられます。
詳しいことはまだ発表されていませんが、私は、既存の3キャリアより安い料金プランが登場するかも、と期待しています。楽天が価格破壊を起こしてくれるかもしれません。
格安スマホは独自サービスでお得感強化
大手キャリアの通信料が安くなったら格安スマホのメリットはなくなるの? と心配している方もいるでしょう。格安スマホの業者もその対応として、独自のサービスを導入し始めています。その1つが「カウントフリー」です。
「OCNモバイルONE」だったらAmazon(アマゾン)ミュージックなどのミュージックサービス、LINEモバイルはLINEの通話ややりとりなど、それらにかかるデータ通信容量をカウントしないというサービスです。業者によってカウントフリーとなるサービスの対象はいろいろです。
ただし、格安スマホは大手キャリアから借りた電波の回線を皆でシェアしていますから、皆がカウントフリーを使うとスマホの速度が遅くなる可能性があります。その防止策をしっかりしている業者かどうかは、口コミやホームページなどを自分でチェックするしかありません。こうした手間の面倒くささなどから、安定した回線の大手キャリアを求める人が多いんですね。
でも、格安スマホの通信料は、上手に使えばパパと2人で月額1000円台も不可能じゃありません。私自身もSIMフリーiPhone(アイフォン)に、格安SIMをさして格安スマホにしています。私が契約している格安 SIMは、通話なしのプランであれば月額料金にプラス500円でもう1つ格安 SIMを増やせます。通話はLINEで事足りているので、来年はこの方式でSIMを1枚増やして、今私が使っているSIMフリーのiPhoneを子どもにお下がりにして持たせようと考えています。もちろん、ペアレンタルコントロール機能などを使って、サイトの閲覧やアプリ課金に制限をかけます。
知っておきたい基礎知識。格安スマホのしくみ
ところで、格安スマホという言葉は知っているけどどういうものかよくわからない、という方もまだまだ少なくないでしょう。格安スマホとは、事業者がドコモなどのキャリアから通信回線を借りて、安く回線を提供するサービスです。利用を始めるには「SIM(シム)」と呼ばれる情報が書き込まれたICチップと、それを使える端末(スマホなど)を用意する必要があります。
たとえば、ソフトバンクでスマホを購入した場合、ソフトバンクでしか使えないようにSIMにロック(カギ)がかかっています。そのロックを解除して格安SIMに差し替えることで、格安スマホが出来上がります。ロックの解除はソフトバンクの店舗でやってもらうとお金がかかりますが、webのマイページから自分で行えば無料でできます。
また、Apple(アップル)の店舗やWebストアから直接購入するiPhone(アイフォン)は、全てロックがかかっていない「SIMフリー」で、簡単にSIMの差し替えができます。
今まで使っていた電話番号は、「ナンバーポータビリティー(MNP)」という手続きをするこそのまま引き継ぐことができます。誰でもできる簡単な手続きです。
あなたは自立派? それともショップ派?
このようにいろいろな動きがある中で、スマホの通信料を上手に値下げするには、自分に合うものを見極めて選ぶことが大切です。
格安スマホはたしかに節約効果は大きいですが、基本的にショップがないので、端末が故障したら自分でメーカーに修理を依頼しなくてはいけないケースがほとんどです。困ったときはショップに頼りたい、というかたには格安スマホは負担が大きいでしょう。
デジタルに弱い、自分で情報を探しすのは不安という場合は、大手キャリアの安いプランを選ぶのが最も手軽で安心です。新しく出るプランに乗るのも一案ですし、現在のプランで使っていないオプションを削るだけでも節約は可能です。
すでに大手キャリアを使っているなら、そこのホームページにあるシミュレーションでプラン変更をするのもいいですし、ショップの窓口でアドバイスを受けながら見直すのもいいでしょう。
反対に、自分で情報を調べて対応できる自立派のかたには、格安スマホがおすすめです。
私も妊娠中や子どもが小さい時期は買い物もままならず、スマホでネットスーパーやネットショップをよく活用しました。ママによっては、気分転換に動画やSNSを見たり、音楽を楽しむかたも少なくないでしょう。2019年10月には増税も始まりますから、この機会にしっかり通信料を見直して家計を守りましょう。
教えてくれたのは……
丸山晴美さん
22歳のときに節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て01年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身のまわりの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などを通して行っている。著書は『定年後に必要なお金「新・基本のキ」』(宝島社)など多数