「育児は育自」加藤貴子さんの【私だって新米ママ!#1】
44才で第一子、46才で第二子を出産された女優の加藤貴子さん。この連載では、育児に関する日々のできごとから、高齢出産がゆえに感じたプレッシャーなど、加藤さんの赤裸々な育児話をご本人の言葉でつづってもらいます。タイトルに入っているひと言は、加藤さんの心に響いたり、教訓になった言葉。連載1回目に書いてくれた「育児は育自」という言葉の意味は、どんなものなのでしょうか?
思い描いていた育児と現実のギャップ
はじめまして、加藤貴子です。
産後クライシスに、産後うつ…。
だれもが楽しみたいと思っているであろう子育てで、だれもが陥る可能性のある産後の問題について、近ごろよく耳にするようになりました。
ここでは、私の子育ての失敗談や悩み、自慢(できることがあればの話ですが…)、ときどきだんなの不満(とめどなく溢れそうですが…)、などなど、ぼやかせていただく中で、それが少しでもみなさんと一緒に、それぞれの産後問題のガス抜きにつながれば何より、と考えております。
どうぞよろしくおつき合いください。
バランスの悪い状態で育児がスタート
私は長男を44才、次男を47才の手前で出産しました。
世間では、超高齢出産と言われました。
50歳手前なのに出産については超高齢と言われ、何だか人生の玄人みたいな形容詞が付いてしまった分、勝手に肩に力が入り…
「ある程度人生経験は積んでいるんだから、体力的には大変だけど、精神的にはこなせるはず」
「不妊治療の末にやっと授かったんだもの。念願の子育てを謳歌しなくっちゃ、力を貸してくれた方たちに申し訳ないわ!」
…鼻息は荒くなる一方。
でも当然ながら、子育てはまったくの素人の、新米ママ。
のっけから、バランスの悪いスタートでした。
子育てに産んだ年齢は関係ない
今まで培ってきたものなんてすべて振り出しに戻ったみたいに、一から取り組まざるを得ないのが、子育て。
何が正解で何が間違いかなんて、とんとわからないのが、子育て。
努力や苦労が必ずしも成果につながらず、徒労感だけはたっぷりなのが、子育て。
お母ちゃんになって4年。今はっきり言えることは、
子育てに産んだ年齢は関係ない、
ってこと。
新米母ちゃんの悩みは、高齢だろうが若者だろうがみんな一緒、
ということ。
むしろ年齢が高い方が
「あら、そんなことも知らないの?」
なんて言われないようにと、逆に力が入って、なんでも自分で抱え込んじゃうことが多いのかもしれない。
授かるまで妊活の道のりが長い分、
「やっと授かったんだから、大変なんて言ったらぜいたく」
「子育てが大変だってことは、覚悟の上で妊活したんだから」
なんて自分に負荷をかけて、まわりに相談やヘルプを求められないことが多いのかもしれない。
この4年間、私にもいろいろなことがありました(汗)(涙)。
ドクターに言われたひと言で気持ちがラクに
先日、2人の息子を取り上げてくれたドクターに、
「自分のペースも生活も一変する育児って、本当に『育自』だと思います」
という言葉をいただいて、とても気が楽になりました。
子どもを育てよう!
なんて力むから、空回りしちゃうんですよね~。
自分が育っていく、
と思ったら、絡まっていたものが少しずつほぐれていくように感じました。
どうやら人生の後半は
『育自』
がテーマになりそうです。
産前や子育て中は、「この子をしっかり育てなくっちゃ!」と力んでしまうもの。でも、そればっかりでは、どんな人でも疲れてしまいます。
この連載を通じて、加藤さんがいろいろな方からもらった言葉を私たちにも届けてもらい、自分らしい子育てができるようになるといいですね。
次回のひと言は、『親の思うようには育たないけど、親のようにはなるのよ』。さて、この言葉はだれにどんなシーンでもらったものでしょうか? 次回もお楽しみに!(構成・ひよこクラブ編集部)
Profile●加藤貴子
1970年生まれ。1990年に芸能界デビューして以降、数々の作品に出演。代表作として『温泉へ行こう』シリーズ(TBS系)、『新・科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)、『花より男子』(TBS系)などがある。