ファミリーウエディングのメリットと注意したいことは?
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結婚したときには挙式や披露宴を行わなかったという夫婦も少なくない現代において、妊娠あるいは出産を経て、子どもと一緒に結婚式をしたいという声も耳にするようになりました。そこで今回、ファミリーウエディングのメリットと注意したいことについて、ウエディングプランナーの岡村奈奈さんに教えていただきました。
岡村奈奈(ウエディングプランナー)
音大卒業後、専門式場などの婚礼施設勤務を経て2005年にフリーに転向。執筆・監修、メディア出演多数。オーソドックスなスタイルから、アウトドアや音楽ホール等でのユニークなウエディング、伝統的な和婚までオールマイティに対応。カウンセリング型のプロデュースに定評がある。「ハッピーウエディングBOOK」(高橋書店)「ウエディングプランナーが教える、結婚式と準備が”もっと”楽しくなる方法」(誠文堂新光社)著者。
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ファミリーウエディングって?
ファミリーウエディングとは、子どもと一緒に行なう結婚式のことで、「パパママ婚」とも呼ばれています。最近は多くの式場がファミリーウエディング専用のプランを用意していて、今おすすめのウエディングスタイルのひとつです。
妊娠が結婚のきっかけになる夫婦が増えていて、妊娠中の結婚式は全体の2割以上とも言われています。
しかし、実際には結婚のため新生活と結婚式の準備を同時に行ない、かつ妊娠中となると体力的にも経済的にも大変なこと。そのため、結婚式は出産後に生活が落ち着いてからと考えることが増えつつあるようです。
子どもと一緒でも、妊娠出産前であっても、新郎新婦の希望がベースになるので、結婚式の内容が大きく変わることはありません。しかし、ファミリーウエディングでしかできない演出や価値を知って活かすことができれば、大きなメリットになるはずです。
最適な子どもの年齢は?
妊娠出産前のようなウエディングを希望されるカップルには子どもが0歳のうちが良いでしょう。眠っている時間が長く、動き回る心配もないので、基本的には家族やシッターに預けて、授乳の時間を設けるなど念のための余白の時間を取っておくと安心でしょう。披露宴の中で赤ちゃんのお披露目をしたり、生まれる前と後の様子をムービーなどで紹介したりするのもおすすめです。
また、子どもが1歳の誕生日に合わせたウエディングは人気で、初めて迎える我が子の誕生日とふたりの結婚式を一度に行ないます。「1」や「1st」をモチーフにしたデコレーションや、写真がたくさん撮れる機会にみんなでお祝いできるのも素敵ですね。
また、一人で座ったり、簡単なスピーチなどができたりするようになる4歳以上まで待つのもおすすめ。子育てで忙しく、おしゃれや夫婦の時間などを後回しにしていたカップルにはご褒美的なイベントにもなります。
ただ、子どもが動き回ったり人見知りをしたりする時期でもあるので、打合せなど人に会う時間が増えることはパパママにとっても子どもにとってもプレッシャーになるようであれば、性格や環境によっては避けたほうがいいかもしれません。
芸能人などの影響もあって、結婚5年や10年20年という節目に行なうウエディングも近年目立つようになりました。出産前に限らず、自分たちに合ったタイミングで納得いく結婚式を挙げるというのが今どきのスタイルと言えるでしょう。
遠慮や焦りをせずに納得のいく計画をしてほしいです。
ご祝儀はいただいてもいいの?
結婚や転居の報告に伴って、お祝い・お返しなどのやりとりがあった場合、また結婚から1年以上が経っている場合には、招待の範囲や自己負担について慎重に考える必要があります。
招待の範囲は、親族や友人という「枠」でだけ考えるのではなく、親交の深さや今後どのように付き合っていきたいかを考えるとよいでしょう。
また、「会費制」のようにカジュアルなスタイルにするのも一つの手ですが、子ども連れの出席者が多いと想定させる場合は、特にホテルなどしっかりとした設備の整った式場で一般的な挙式や披露宴を行うと安心です。
すると気になるのが、ご祝儀やそれに伴う自己負担でしょう。実際、「ご祝儀をください」とは言えませんので、招待状を送る前に直接出席してほしいという連絡をしたり、自己満足に見えないようシンプルでしっかりした食事や引出物にしたりするなど、招待客に対して細やかで丁寧な印象を与える「気持ち」を期待できるような準備をしておきましょう。
子どものことで気をつけておくこと
ファミリーウエディングで気になることは、やはり子どものことですね。
子どもに手が離せない時期に結婚式をしようとすると、当日や準備段階に不安になることもたくさんあるでしょう。その不安を二人で抱え込まずに、家族やウエディングプランナーなどのプロに上手に頼ってください。
また、小さい子どもだと体調が安定していません。状況や希望を率直に伝えることで、式場側も子どもを預けている時間内で効率よく打合せができるような準備や、空いている時間帯や個室の使える時間などを提案してくれるはずです。
結婚式当日も含めて準備期間の多くのスケジュールにおいて、体調が優れないようなときには延期ができるのかなど事前にその範囲を確認しておきましょう。
妊娠がわかってから出産までの間に産後の結婚式の準備を半分くらいまで進めておくこともできるので、0歳や1歳で結婚式を計画している場合には出産前にできるところまで決めておくとスムーズに進められるでしょう。
「結婚式はしないつもりだった」という場合でも、式場に年齢制限や子どもNGというところはありませんので、ファミリーウエディングに興味があれば、まずは会場に属さないフリーのウエディングプランナーや専用プランをもっている式場へ相談に行ってみてはいかがでしょうか。