【医師監修】赤ちゃんが虫に刺されて、20分後にアレルギー症状!?蚊、ダニ、ハチ、etc. 子どもが刺されたときの応急処置&予防対策
子どもの安全を守るのは、ママ・パパの役割。ちょっとした油断が大きなケガや命を失うことにつながってしまうことがあります。
ここでは赤ちゃんのよくある事故・ケガの中で、虫刺されがどんなケースで起こるか、万が一起こった時の応急処置の方法を覚えておくといいでしょう。
また赤ちゃんが虫に刺されないように、事前に生活環境を整えたり、事故防止策を立てておくことが大切です。
乳幼児が虫に刺されるとひどくなりやすい
乳幼児は皮膚の抵抗力が弱く、虫に対する免疫もほとんどありません。
そのため、ダニ、蚊、ハチ、アブ、ブユ(ブヨ)などの虫に刺されたり、かまれたりすると、激しい炎症反応を起こすことがあります。
蚊に刺されただけでも、大人と違って大きく腫れたりかたくなったりして、強いかゆみや痛みを伴い、発熱することもあります。患部をかきむしってとびひになることもあります。
とくに夏は蚊だけでなく、ほかの虫も大量に発生します。
肌の露出も増えるので、虫刺されには注意が必要です。レジャーや夕方の散歩のとき、昼寝中などに虫に刺されることがあるのでしっかり対策を立てましょう。
ひどく腫れる、かゆがるなどの場合は受診します
薬を塗るなどの応急処置をしても、ひどくかゆがる、痛がる、ハチに刺された、大きく腫れているときなどは小児科や皮膚科を受診しましょう。
また、かきこわしてジュクジュクしてきたときは、とびひの心配があるので早めに受診を。
赤ちゃんの虫刺され 主な症状
・赤く腫れる
・水疱
虫に刺されやすい月齢・年齢と季節
0ヶ月~
初夏~夏
虫刺され、こんな虫に注意して!
赤ちゃん、子どもの大切な皮膚を守るため、どんな虫に気をつければいいか覚えておきましょう。
蚊
体長5mm前後で、メスが皮膚に止まって吸血します。通常は顔、手足などの露出部を刺します。蚊はどこでも生息していますが、庭や公園などではヤブカ類のヒトスジシマカ、室内ではイエカ類のアカイエカがいます。
ブユ(ブヨ)
ブユに刺されると、血が流れ出て、唾液に含まれる毒素によって激しいかゆみと腫れが生じます。別名ブヨ、ブトと呼ばれ、日本で30種ほど生息しています。人の血を吸うのは、アオキツメトゲブユなど5種類くらいです。
アシナガバチ
体長20mm前後で、軒下、木の枝などいろいろな場所に巣を作ります。スズメバチに比べ、全体的に細身で、脚が長いのが特徴です。野山のハイキングなどで刺されることがあります。
スズメバチ
非常に攻撃力が強く、刺されるとアナフィラキシー・ショックなどを起こします。野山に巣があることが多く、香水類をつけない、帽子をかぶる、黒っぽいものを身につけないなど注意が必要です。
毛虫
毛虫にも毒を持ったものがいて、とくにサザンカやツバキの木につくチャドクガに刺されやすいので注意しましょう。毛虫の毒のある毛に触ると、ヒリヒリしてだんだん強いかゆみを感じるようになり、ブツブツと大きく腫れます。
ガ
サクラやツツジにつくドクガ、梅やバラにつくモンシロドクガなどがいます。症状は毛虫と同様で、姿が見えなくても、りん粉が風で飛ばされ洗濯物などにつき、それを着たときにかぶれることもあります。
腫れやかぶれがひどいときは受診しましょう
ハチに刺されたらすぐに受診します。ハチ以外の虫に刺された場合は、ひとまず市販の赤ちゃん用の虫刺されの薬を塗っても構いません。なかなか腫れがひかない、かゆみがひどいなどの場合は受診しましょう。
「虫刺され」 症状別、受診の目安
赤ちゃんが虫に刺されたら、症状によって病院に行く緊急度が異なります。参考にしてください。
■119番!すぐに救急車を呼ぶ
【1】呼吸が苦しそうになる
【2】顔色が真っ青になる
【3】嘔吐する
【4】ショック状態になる
【5】意識不明になる
■できるだけ速やかに病院へ
【1】赤く腫れ上がって痛がっている
【2】大量に刺された
【3】ハチやアブに刺された
■診療時間内に病院へ
【1】腫れがひどい
【2】かきこわして広がったり、ジュクジュクしている
NG!虫に刺されたときにやってはいけないこと
赤ちゃんや小さい子どもが虫に刺されたとき、やってはいけないことを覚えておきましょう。
虫に刺されたところをそのまま放置する
虫に刺された部分をそのままにしておくと、雑菌などが入って悪化します。患部をよく洗ってから冷たいタオルなどで冷やし、そのあと市販の赤ちゃん用のかゆみ止めや虫刺されの薬を塗りましょう。
虫に刺された箇所を爪でかきこわす
かきむしると、患部に細菌が感染し、とびひになることがあります。爪を短く切り、患部をかかないように衣類などで保護しましょう。患部を冷やすとかゆみが緩和され、かきこわしを防げます。はるタイプの虫刺され薬でもいいでしょう。
かきこわした傷口を密閉する
かきこわした傷口には黄色ブドウ球菌や溶蓮菌などの細菌が繁殖しているので、傷口をガーゼなどで密閉すると、細菌の増殖を助長します。傷口は水できれいに洗ったあと絆創膏で覆います。
毒針を無理に抜こうとする
ハチなどの毒針はすぐに抜き、毒が全身に回るのを防止するのがベストですが、針がなかなか見つからなくて、患部をグリグリえぐったりすると、かえって悪化させることになります。針が発見できないときは無理せず、そのままの状態で受診しましょう。
赤ちゃんが虫に刺されたときの応急処置
赤ちゃん・子どもが虫に刺されたときの応急処置の方法を覚えておきましょう。
【1】流水で患部を冷やします
刺されたところを清潔にするのが基本です。虫に刺されたらすぐに流水で患部を洗い、毒素を流しましょう。
【2】冷やしてかゆみを和らげます
腫れたりかゆみがあるときは、冷たい水で絞ったタオルをあてて冷やしましょう。冷やすことで、かゆみが和らぎます。
【3】虫刺されの薬を塗ります
毒素を洗い流したら、市販の赤ちゃん用の虫刺されの薬を塗ります。蚊に刺された場合は、薬を塗るタイミングが早いほど、腫れやかゆみを抑えられます。
【4】ショック状態がないか経過観察をします
強いアレルギー症状は、刺されてから30分以内に起きます。吐きけや呼吸困難などの症状がないか観察します。
ハチに刺された場合は、あとから症状が出ることもあるので当日中に受診します。
今日からできる予防&対策をチェック!
□ハチが攻撃しやすい黒っぽい服を避けて、帽子・長袖・長ズボンで肌の露出を減らす
□虫がいそうな場所には近づかない
□虫を見かけても騒いだり、手を振り回したりしない
□虫よけシートなどの虫よけグッズを使う
□ダニやシラミを寄せ付けないように家の掃除はこまめにする
□虫が好む水たまり周辺で遊ばせない
●イラスト/がみ
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。
初回公開日 2019/05/20
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