スーパー保育士・原坂一郎先生教えて! 【2・3・4歳】しからなくてもおもちゃを片づけてくれる方法
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子どもがおもちゃで遊ぶのはいいけれど、「毎回“片づけて!”と言わないと片づけてくれない!」「“片づけよう!”と誘っても、いつも途中で片づけるのをやめてしまう」など、子どもの片づけに悩んでいるママ・パパは意外と多いもの。そこで保育士経験豊かなスーパー保育士・原坂一郎先生に、しからなくても子どもがおもちゃを片づけてくれるようになる、かかわり方のコツを聞きました。
片づけを習慣にする! 年齢別かかわり方のコツ
ママ・パパが“子どもに片づけをさせたい!”と思う理由は、主に3つあります。1つ目は、おもちゃなどを出したら、片づけることをマナーとして教えたいため。2つ目は、おもちゃなどが散らかったままだと食事などができないため。3つ目は、おもちゃなどが散らかったままだと、なんとなく気持ちが落ち着かないためです。
しかし2~4歳ごろの子どもは、こうしたことをほとんど感じないため、本当は片づけがイヤでしかたありません。この時期の子どもが1人で片づけられるようになるには、片づけなければならない理由を1つでもいいのでていねいに教え、理解させることがいちばんの近道です。本来、したくない片づけを子どもにさせるには、しかったり、「片づけしなさい」と命令したりするのは逆効果! 「片づけようね」と明るく誘いながら、片づけに対して少しでも楽しいイメージを作っていくことがポイントです。具体的な年齢別のかかわり方を紹介します。
2~3歳/親子で一緒に片づけて、ママ・パパがお手本を見せて
2~3歳は、おもちゃなどを片づけることの必要性を最も感じない時期。そのためママ・パパがいくら言っても片づけなかったり、イヤイヤ片づけたりすることが多いものです。
ママ・パパのかかわり方としては、片づけのたびに言葉をかけて、自分で1つでも片づけられたらラッキーくらいに考えましょう。
片づけを促すときは「ごはんが食べられないから、テーブルの上をきれいにしようね」「おもちゃを踏んだら痛いから片づけようね」など理由を伝えると、納得して片づけることが増えていきます。
また親子で一緒に片づけることで、子どもは片づけ方を学ぶので、ママ・パパが“片づけ方の見本”を見せてあげてください。
3~4歳/片づけないときは、ゲームやクイズで誘うと効果的
3~4歳は片づけなくてはいけない理由がわかっているので、ママ・パパが「片づけよう!」と言葉をかけるだけで、自分から片づける回数がぐんと増えます。ただし、最も自分勝手で自分の気持ちだけで動こうとする時期でもあるので、「片づけないといけないのはわかっているけれど、片づけたくない!」というときも。そんなときは片づけをゲームのような感覚で行うと進んで片づけるようになりますよ。
原坂一郎先生イチオシ! 片づけ遊び
子どもは楽しいことが大好き! 片づけも「片づけよう!」と言葉をかけるだけでなく、クイズやゲーム形式にすると楽しみながら片づけを行います。原坂一郎先生おすすめの片づけ遊びを紹介します。
「〇〇はどこだ?」クイズ
散らかっているおもちゃをクイズ形式にして片づけをします。たとえば、テーブルの下にくまのぬいぐるみが落ちていたら「さて、くまさんはどこにいるでしょう?」とクイズにして、見つけたらおもちゃ箱へ。親子でクイズを出し合いながら、片づけるのもおすすめです。
片づけ競争
おもちゃなどがたくさん散らかっているときは「5個片づけられるかな?」と誘って、「1個」「2個」と数えながら片づけましょう。なかには数えるのが楽しくなって、すべて片づけてくれる子もいます。また「ママ(パパ)と、どっちがたくさん片づけられるか競争ね」と誘って、競い合うのもいいですね。子どもは「ママ・パパには負けたくない!」という気持ちが強いので、早く片づけますよ。
リビングなどにおもちゃが散らかっていると、つい「早く片づけなさい!」としかってしまうもの。これからは「しかるのは逆効果」と肝に銘じて、原坂先生おすすめの遊びやゲームの要素を取り入れてみては? 楽しく親子で片づけを習慣づけたいですね。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/原坂一郎先生(こどもコンサルタント)
株式会社KANSAIこども研究所所長。23年間にわたる保育所勤務経験から、どんな子どももすぐに笑顔になるユニークな保育を推奨。「スーパー保育士」と呼ばれる。笑いと笑顔をキーワードに、子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演活動を行っている。