1~3才の“お手伝い育”で、やる気や自信を育てる!
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子どものお手伝いというと“幼稚園児ぐらいの子がするもの”と考えるママ・パパもいるのではないでしょうか。実は、大人のまねを始める1才代から、お手伝いは始められるんです! しかもお手伝いには、生活していく力の基礎を築いたり、ママ・パパが上手にかかわることでやる気や自信をはぐくんだりできるメリットが! 保育学や乳幼児心理学が専門の明星大学教育学部教授 齋藤政子先生に、1才から始める“お手伝い育”のポイントについて聞きました。
監修/齋藤政子先生(明星大学教育学部 教授)
専門は保育学、乳幼児心理学。保育士や臨床発達心理士としての経験があり、現在は大学で保育士の卵となる学生の指導をしています。
年齢別 お手伝いの目安&かかわり方のポイント
1~3才の子どもは、ママ・パパのまねをしてお手伝いをするのが大好き! しかもお手伝いには、子どもの生きる力を伸ばし、心の成長を促す要素がいっぱい詰まっています。たとえば、お手伝いをすることでやる気が芽生えたり、「できた!」という達成感が自信につながったりすることも。またママ・パパにほめられたり、「ありがとう」とお礼を言われたりすることで、自己肯定感が育まれます。
とはいえ1才代や2才代では、まだ完璧にお手伝いができるわけではなく、できないこともたくさん! 次に紹介する“年齢別 お手伝いの目安&かかわり方のポイント”を参考に、子どもの成長に合ったお手伝いにチャレンジしてみてください。
1才代前半なら?
お手伝いの第一歩は、遊びと思っておおらかに接して
自分でできることが少なく、やってもすぐに飽きてしまうなど、行動にもむらがある時期。大人のまねをしたくても、まだうまくできません。そのためお手伝いというよりも、遊びの一つとしてとらえておおらかに接しましょう。
1才代後半なら?
わかりやすい言葉かけで、お手伝いに誘おう
掃除や料理など、行動の意味を少しずつ理解できるように。お手伝いに誘うときは、「おもちゃ、片づけようね」ではなく「お人形にバイバイしようね」など、わかりやすい言葉かけで、できるところだけ頼みましょう。最後までできなくても「ありがとう」「ママ助かったわ」と、感謝の気持ちを伝えて。
2才代前半なら?
手伝っている認識が芽生え、習慣づけができる時期
“手伝っている”という感覚が生まれる時期。毎日のルーティーンもわかり始めるので、ママ・パパが声をかけると“ごはんの前にはテーブルをふく”なども習慣化できるように。また自分でできることが増えると「ほかの人にもしてあげたい」という気持ちが芽生えるように。
2才代後半なら?
片づけなど、自分でするべきことが理解できるように
「おもちゃの片づけは、自分ですること!」などがわかるようになり、自分がするべきことと、大人の仕事の区分けがついてきます。丸める、混ぜる、たたむなど、できる動作も増えてくるので、お手伝いのバリエーションも広がります。
3才代/遊びから本格的なお手伝いへステップアップ
まねっこ遊びだったお手伝いが、本格的になりママ・パパの戦力になってくれることも。しかし3才代になると、ママ・パパも子どものお手伝いに慣れてしまいほめる回数が減ってくるので注意を。ほめると、さらにお手伝いをしてくれるようになります。
お手伝いタイムを楽しくするには、子どもの成長に合ったお手伝いにチャレンジするのがポイント! ハードルが高いと子どももいじけたり、かんしゃくを起こしたりするなど不機嫌になりがちなので、“無理せずにできること”をよく見極めてください。またママ・パパが具体的にやり方を見せて、根気よく教えてあげることも大切。1才代&2才代のお手伝いは、うまくできなくて当たり前。結果ではなく、子どものやる気を認めて、頑張った過程をほめてあげたいですね。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
参考/1才2才のひよこクラブ2018年夏秋号「子どもの生きる力をはぐくむ“お手伝い育“のすすめ」より