時短勤務、いつまでする?「時短解除した時期と理由」を先輩ママに聞きました
時短勤務制度を「利用するか・しないか」、利用する場合は「いつ解除するか」。先輩ママたちに「フルタイム勤務にした時期・理由」を聞きました。
時短解除した(する予定)のは復帰後どのくらい経ってから?
ベネッセコーポレーションが2018年9月に実施したアンケート(※)によると、58%の人が復帰3年以内に時短を解除したという結果に。
※有効回答数886人
回答の中で「時短解除の予定なし」と「その他」については数値から除外。
●時短をとらず「フルタイムで復帰」したママ
●「復帰3カ月目で時短解除」したママ
●「復帰4年目で時短解除」したママ
に、その理由を聞きました。
フルタイムで復帰
夫婦で育児を完全シェアしたいと思いフルタイム復帰を決めました。祖父母の協力態勢づくりや病児保育の登録、かかりつけ医の確認など、先輩ママたちのアドバイスを参考に復帰準備。不安もありましたが、「意外とやれる!」と思えるときもあり、自信になりました。(復帰時、子ども10カ月)
復帰3カ月目で時短解除
最初は時短で復帰しましたが、給与が保育料で消えていくことを働き損に感じたこと、「通勤に往復3時間かけて5時間だけしか働かない」ことに効率の悪さを感じたことから、時短解除を決意しました。ある程度まとまった時間 働けるようになったことで、家庭と仕事のメリハリもついたと思います。
また、ベビーシッターを活用して週1 ~ 2日、残業できる日をつくっています。
(復帰時、子ども2歳・1歳、連続で育休取得)
復帰4年目で時短解除
大きな仕事を任されて(時短勤務なのに)残業が増え、また、今後も忙しいことが予想されたので時短解除を決めました。
子どもを寝かしつける時刻は変えたくなかったので、時短解除によって子どもと過ごす時間が減ってしまうのでは…という不安がありましたが、「子どもと過ごす時間は出社前に確保する」ことで解決。時短解除がきっかけになり、親子で30分~1時間早起き、朝型になれました!(復帰時、子ども1歳4カ月)
キャリアを持続するには早めの時短解除を
スーパーワーママとも呼ばれている人材採用コンサルタントの森本千賀子さんは、職場復帰してからの時短解除は、なるべく早くしたほうがいいと言います。
「子育てや家事に追われている中、フルタイムで働くのは無理だと思い込んでいるママが多いようですが、私はフルタイムでしっかりと業務をこなし、定時で帰宅するのがベストだと思っています」
しかし、子どもが小さいうちはフルタイム勤務のハードルは高いというママたちの声も。
「時短勤務とフルタイム勤務では収入がかなり違うという事実、時短だとどうしてもサブ的な業務に回ってしまい、重要な仕事を任されなくなることも多いです。『2年間時短勤務を取ったらキャリアが中断されてしまい、私の10年間が無駄になった』と嘆いた人もいます。ですから、将来のことを考えるなら、なるべくフルタイム勤務で働くことをお勧めします」
また、フルタイム勤務に戻す時に周囲に理解してもらう努力も忘れないで欲しいと森本さん。
「フルタイム勤務で、他の社員と同じ条件になれば、それなりに業務はこなさなくてはなりません。定時に帰ることを理解してもらうには、時間内に業務をこなす、終わらなければ早朝勤務でこなすなど、成果を出して認めてもらう必要があります。時短勤務の時よりも子育てや家事などを外部に頼ることも必要になってくるかもしれません。その体制は整えておくべきだと思います。
私は仕事で得たお金を、家事サービスや育児に使うことは自分への投資の一部だと思っています。子育てで本当に大変なのは数年間です。その時期を何とか乗り越えていけば、自分のキャリアの未来が見えてくるはずです」
2児のママとして、実践してきた森本さんならではの言葉です。
時短解除のメリット
・サブ的な仕事ではなく、責任ある仕事ができる
・将来のキャリアを見据えた仕事ができる
・収入が増える
・何よりも仕事のモチベーションが上がる
体験談やアドバイス、ぜひ参考にしてくださいね。(文・bizmom編集部)
■参考:「bizmom(ビズマム)」2019年冬春号 特集「祝!職場復帰スタートガイド」
■監修:森本千賀子さん All Rounder Agent/morichi代表
幅広い企業の人材戦略コンサルティング、採用支援サポートなど様々な人材コーディネートに携わる。『1000人の経営者に信頼される人の仕事の習慣』(日本実業出版社)など著書多数。
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