【専門家監修】「自分で食べる」最初のステップ!赤ちゃんの協調運動の発達を促す、「手づかみ食べ」とは?
「自分で食べたい」と思った子どもが、最初のステップとして行う手づかみ食べ。しかし、初めのころは上手に食べることができず、手や口のまわり、テーブルや床までもが食べ物で汚れてしまうことも多いですよね。
片づけが大変だからといって、ついママやパパが食べさせてしまいがちですが、手づかみ食べは、子どもの成長に欠かすことのできない大切なステップなんです。
今回は、管理栄養士の太田百合子先生に、子どもの手づかみ食べについて詳しく聞きました。
Q 手づかみ食べをさせたほうがいいのはどうして?
A 「自分で食べたい」という意欲を育てるから
「自分で食べたい」という意欲の表れが手づかみ食べ。その意欲を育てるにも手づかみ食べが重要です。
ママやパパに食べさせてもらっていた受け身から、自分で食べる“食の自立”の最初のステップが手づかみ食べといえます。
A 指先の感覚を使って食べ物を記憶するようになるから
「乳児が食べ物を感じるのは唇でしたが、幼児期になると、指先の感覚によって食べ物のかたさや温度などを探索しながら感じとり、記憶していきます」
A 協調運動の練習をして、一口量を学ぶことができるから
「口に食べ物を運ぶ動作は、目と手を同時に動かすなどの協調運動ができるようにならなければ上手にできません。
手づかみ食べを何度も繰り返すことで、協調運動ができるようになり、口の中で上手にかめる一口量を覚えていきます。
目と手と口の協働がスムーズにできることが、スプーンやフォークなどの食具をうまく使えるようになるための大事なステップでもあるんですよ」
Q 手づかみ食べっていつから始められるの?
A 「個人差はありますが、9ケ月ごろから12ケ月ごろから始められます。手づかみ食べのピークは1歳代。スプーン、フォークを使いながら手づかみもするという状況も、2歳ごろまで続きます」
Q なかなか手づかみ食べをしてくれないわが子…どうすればいいの?
A 「手づかみ食べをしない」とひとことで言っても、さまざまなタイプの子どもがいますよね。
今回は子どものタイプ別に対処法を紹介します」
タイプ1)発達がゆっくりめな子
首のすわり、おすわりなどの運動発達がゆっくりな子は、離乳食の進み方もゆっくりであることが多く、1歳でも水分の多いやわらかいものを食べている場合は、握ることができません。
食べられるものが固形物になったら、手づかみ食べを開始すればOK。あせることはありません。1歳半ごろから始めても大丈夫です。
タイプ2)食べ物に触れることが怖い・苦手な子
なじみのないものを触ることができない子どもは多くいます。調理をする前の食材に触れさせたり、においをかがせたり、一緒に洗ったりして、まずは食材に慣れてもらいましょう。
タイプ3)「食べさせて」と主張する子
大人の介助などが早い、あるいは世話をしすぎることが考えられます。時には、子どものペースで見守り、応援することも必要。
大人も一緒に食べ、大人の食べる様子を見せることで自分で食べるようになります。
タイプ4)食べる意欲がない、食べ物に興味がない子
生活リズム、授乳のリズムが規則的かどうか確認し、食事の前はおなかがすいている環境を作るようにしましょう。
いかがでしたか? 太田先生によると、手づかみ食べには子どもが握っても崩れにくいものや、奥の歯ぐきでつぶせるもの、かめる程度のかたさのものがおすすめなんだそう。スティック状にゆでた野菜や、果物、パンなど、手軽に手づかみ食べができる食材から始めてみてはいかがでしょうか。
(文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2019/07/14
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