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「抗生物質で歯が変色?」子どもの乳歯ケアの疑問を歯科医が解説

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Lolkaphoto/gettyimages

歯磨き粉は使ったほうがいい? 歯磨きの頻度は? 母乳を飲ませたあとに歯磨きをしなくて大丈夫? 乳歯のケアっていったいどうすればいいの? 子どもの乳歯ケアについて、ママ・パパは多くの疑問や不安を抱いていることでしょう。

歯の健康は一生の健康にもかかわることだから、心配になるのも当然です。でも、過敏になりすぎて、世の中に出回っているウワサをうのみにするのもよくありません。幼児のむし歯予防にも詳しい、ほりぐち歯科(東京都大田区)の堀口尚司先生に、よくある乳歯ケアの疑問に答えていただきました。

関連:「イヤイヤ期」とちがう、「キレやすい子」。歯磨きや片付けで、心のコントロールを学ばせる方法

むし歯の「これってウソ? ホント?」

堀口尚司先生に、乳歯ケアにまつわる、さまざまな疑問の「ウソ・ホント」を判定してもらいました。まずはむし歯について!

Q.むし歯のなりやすさ、なりにくさが遺伝するってホント?

A.【ホント】歯の質、唾液の質の遺伝が、むし歯のなりやすさに影響します

歯の質や、唾液の質は、親子である程度似ています。唾液には歯のエナメル質を修復する作用がありますが、その作用が弱い唾液だと、歯の修復が遅くなりむし歯になりやすくなります。遺伝的な要素を根本的に解決することは難しいでしょうから、フッ素を塗ることで歯の質を改善させましょう。

Q.親のむし歯が子どものむし歯リスクを高めるってホント?

A.【ホント】食生活をまねたり、スプーンやフォークの共用をしたりするとリスクが高まります

間食が多かったり、甘いものが好きだったりすると、むし歯になりやすくなります。親がそのような食生活をしていると、子どもがそれをまねて成長し、むし歯になりやすくなるかもしれません。親の食生活を改善することが大切です。また、口の中にむし歯菌がいるママ・パパが、口移しで食べ物を与えたり、スプーンやフォークの共用をしたりすると、子どもにむし歯菌がうつってしまうので注意しましょう。

Q.3歳までにむし歯菌が定着しなければ、一生むし歯にならないってホント?

A.【ウソ】3歳を過ぎても、むし歯菌に感染すればむし歯になります

乳歯も永久歯も、生えてから2年以内が最もむし歯リスクが高くなります。そのため、3歳までにむし歯菌が定着しなければ大丈夫だと考える人もいるかもしれませんが、それ以降もむし歯菌に感染すればむし歯になるので、3歳を過ぎてもむし歯予防を怠ってはいけません。

Q.授乳後そのまま寝かせるとむし歯になりやすいってホント?

A.【ホント】授乳後そのまま寝かせるとむし歯リスクが高まります

母乳や粉ミルクには乳糖という成分が含まれています。また、眠っている間は唾液の出る量が少なく、最もむし歯になりやすい時間帯です。断乳のタイミングはお子さんの心身の成長などを見ながら決めていくことが基本ですが、むし歯予防の観点に絞っていえば、早めの断乳をおすすめします。

乳歯ケアの「これってホント? ウソ?」

迷いがちな乳歯のケア方法や、乳歯のことについて聞きました。

Q.抗生物質を飲むと、歯が変色するってホント?

A.【ホント】歯が変色する可能性はあります

2歳ごろまでにテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると、歯が変色する可能性があります。テトラサイクリン系の抗生物質は、かつてはマイコプラズマ肺炎や百日せきの治療に用いられてきました。ただし、歯が変色する副作用がわかってからは、ほとんど用いられることがなくなっています。子どもへの処方も控えられているので、あまり神経質になる必要はありません。

Q.仕上げ磨きには必ず歯磨き剤を使わないといけないってホント?

A.【ウソ】歯磨き剤はうがいができるようになってから使いましょう

子ども用の歯磨き剤は、「グジュグジュペー」ができるようになってから使うのが基本です。それまではつけなくて大丈夫です。「ペー」ができれば、ぜひフッ素入りの歯磨き剤を使ってむし歯予防をしましょう。歯磨きも大切ですが、科学的には歯磨きよりもフッ素の効果が明らかに大きいことがわかっています。

Q.仕上げ磨きは毎食後しないとダメってホント?

A.【ウソ】1日1回でOKです。ただし、しっかりと

毎食後に磨くのが理想ですが、ママ(パパ)と子どもがゆとりを持って磨ける時間を1日1回持つようにしましょう。その1回でしっかり磨くように習慣化してください。先ほども述べたように、その際にはフッ素入りの歯磨き剤を使いましょう。

Q.歯磨きがうまくできたとき、ほめるといいってホント?

【ホント】どんどんほめて子どもの意欲を引き出しましょう

歯磨きの過程で何か一つでもうまくできたら、そのことを思いっきりほめちぎってください。たとえば、歯磨きをしてもらうためにママ・パパのおひざにゴロンとできたら、「すごい! よくできたね!」とほめ、あとで(ママが歯磨きをした場合は)パパ、(パパが歯磨きをした場合は)ママにも報告してもらいましょう。そうすることで、成功体験が記憶に刻まれやすくなります。また、仕上げ磨きを嫌がられる場合は、ママとパパ同士で仕上げ磨きをし合って、痛くない仕上げ磨きのコツをつかむようにしましょう。

関連:電動歯ブラシって赤ちゃんの歯磨きにも使える?使うときの注意点は?

今回紹介した以外にも、歯に関する疑問を持っている人もいると思います。気になることがある場合は、歯医者さんに行くようにしましょう。「むし歯になっていないのに、歯医者さんに行ってもいいの?」と思われるかもしれませんが、予防のために歯医者さんでチェックしてもらうことは、歯医者さんの間では常識。ちゃんと診てもらえるので、安心して歯科に行ってください。奥歯が生えてきたら、3~4カ月に1回は、健診と歯磨き指導を受けることも考えてみましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


監修/堀口尚司先生
東京医科歯科大学歯学部卒業、同大学院保存修復科修了。虎の門病院勤務を経て2004年に「ほりぐち歯科」を開業。モットーは「子どもの気持ちに寄り添った治療」。


参考/「1才2才のひよこクラブ」ひよこクラブ2011年12月号増刊「むし歯にさせない食の習慣&歯磨き始めませんか?」

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