子育て世代はなんで「積み立て投資」がいいの? ほったらかし投資家に聞く
連載第5回目。今回のテーマは、「なんで”積み立て”がいいの?」。
将来のお金が不安。投資も気になるけど、子育てが忙しくて手が回らない……という新米ママ・パパに伝えたいのが、手間をかけずにできる、ほったらかしインデックス投資。
ブログで投資経験を綴り、著書も出版、インデックス投資家のバイブル的存在として知られる投資ブロガー・水瀬ケンイチさんが、超カンタンガイドしてくれます。「新米ママ・パパむけインデックス投資講座。教えて!ほったらかし投資家・水瀬さん」第5回。
積み立て=ほったらかしでラク、だけじゃない!
こんにちは!水瀬ケンイチです。今日は、「積み立てで買う意味」についてお話いたします。
インデックス投資は、「毎月積み立てで、インデックスファンドを買う」という投資法ですが、そもそもなぜ、「積み立て」なのか。素朴な疑問ですよね。
まず、なにはともあれ、積み立ては毎月、お給料の中から無理のない金額で投資できるのがメリット。大切な貯蓄に手をつける必要はなく、多くの新米ママ・パパの生活に、フィットする投資法だと言えるでしょう。
そして、ネット証券で一回設定しちゃえば、何も考えずに自動的に投資でき、とてもラクちんで手間いらず。ま・さ・に、ほったらかしでできるのが利点です。
ですが、それ以外にも意味があります。少しずつ、解説しましょう!
高値づかみを減らせる!
毎月、積み立てで買うと、手元から出すお金は一定です。でも、買えるインデックスファンドの「量(口数)」は変わります。なぜなら、インデックスファンドは毎日、金額が変わるからです。
たとえば、毎月1万円で積み立てをした場合、そのインデックスファンドが1口100円だったら、100口買えます。でも、1口200円になったら50口に減る、というわけですね。
この「高い時は、買う量が減る」というのがポイントなんです。投資では、価格が高いときに買ってしまうことを「高値づかみ」と言います。下落したとき、痛手が大きくなってしまうので、まあ、平たく言えば失敗です。
積み立てでほったらかしにする代わり、価格が高いときも買うのですが、口数は自動的に少なくなります。つまり、「あんまり高値づかみしなくてよかった〜」となるわけです。
安売りセールも逃さず買える!
積み立てなので、価格が低い時も自動的に購入します。
この時、資産は減って見えるため、精神的には「え?大丈夫?」と、ちょっと不安になりがちです……。
でも、価格が低い時は、同じ金額でも買える口数は多くなります。つまり、投資的にはお買い得。「お得に買えて良かった〜」と、むしろ喜んでいい状況なんですね。
だんだん、慣れてくると安い時を狙って買うほどです(笑)。
忙しくてもお得なセールを見逃さずに買えるのは、積み立てだからこそ。
つまり、積み立てで買うと、高値でまとめ買いしてしまうことや、安値のときに買い損ねてしまうことを避けられるメリットがあります。
上がった時も、下がった時もほったらかしで安心。積み立てには、価格の上下にいちいち、一喜一憂しなくなるという効果があるのです。
長く続けやすく、後半オイシイ!
積み立ては、家計に無理なく投資でき、ほったらかしが可能。しかも、価格が上がっても、下がっても安心できる面を持っているので、物理的にも、精神的にも長く続けやすいというメリットがあります。
実は、この長く続けやすいというメリットこそ、インデックス投資には重要。
なぜなら、第1回でお話した通り、インデックス投資は短期的な売買で利益を狙うものではなく、ゆっくりとした世界経済の成長に投資するもの。長期投資が大前提だからです。
でも実は、長期投資がいいヒミツは、まだあるんです!それが「複利の力」。
大事なことなので二回いいます。「複利の力」。
簡単にいうと、長く続ければ続けるほど、その後半に利益が大きくなってくるという法則です。
「積み立て」という無理のない投資法を使うと、投資を長く続けやすくなります。結果、複利の力を働かせられ、資産を大きくする可能性を増やすことができる、というわけです。
その力がいかにすごいかは、次回詳しくご紹介いたしますね!
ではまた!
(監修・水瀬ケンイチ イラスト・おぐらなおみ 取材・文 大上ミカ)
水瀬ケンイチ
1973年生まれ。IT企業に勤める会社員であり、個人投資家。2005年より、ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で自身の投資経験を綴り、インデックス投資家のバイブル的存在として認知される。著書に「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)など
参考文献:水瀬ケンイチ著書
お金は寝かせて増やしなさい(フォレスト出版)
全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド(朝日新書)
投資は元本保証がありません。資産運用はあくまでもご自身の責任で行ってください。本連載の内容を実践したことによって被る損害については、いかなる理由があろうとも、監修者、運営社、執筆者ともその責任は負いません。
お金は寝かせて増やしなさい
水瀬ケンイチ著 フォレスト出版