初心者にわかりやすい!「投資ブロガーたちの賞」をほったらかし投資家に聞く
連載20回目。今回は、積み立て投資を始めたらぜひチェックしておきたい「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」について、先輩投資家がご紹介。
将来のお金が不安。投資も気になるけど、子育てが忙しくて手が回らない……という新米ママ・パパに伝えたいのが、手間をかけずにできる、ほったらかしインデックス投資。
ブログで投資経験を綴り、著書も出版、インデックス投資家のバイブル的存在として知られる投資ブロガー・水瀬ケンイチさんが、超カンタンガイドしてくれます。「新米ママ・パパむけインデックス投資講座。教えて!ほったらかし投資家・水瀬さん」第20回。
今こそ「投資を見る目」を広げてみませんか?
こんにちは!水瀬ケンイチです。
何かと落ち着かない日々が続いており、普段はサラリーマンの私も、在宅勤務や時差通勤など、自粛生活を継続中です。一日も早く、安心できる暮らしが戻ることを祈るばかりです。
この、ただでさえ不安な毎日の中、コロナの影響で下がった投資資産を見ても気が滅入るだけ。何一ついいことはありません。以前公開した、「まさかの大暴落でも、2つのことを忘れないで!ほったらかし投資家に聞く」の回でもお伝えした通り、こうした非常時にこそ、毎月積み立てで買うインデックス投資は「ほったらかし」が一番。どうせ投資のことを考えるのなら、何かもっと別のことを……と思い、今回は、一歩深い投資の視点を持っていただける情報をお届けしたいと思います。
テーマは、我々が毎月購入している「ファンド」について。こわい話はひとつもありませんので、赤ちゃんを抱っこしながら、気軽な気持ちでお読みいただけたらと思います!
投資家目線で、厳しくチェックされたファンドは知って損なし
「ファンド」にはいくつか種類がありますが、この連載でお伝えし、毎月定額で購入することをおすすめしているのは、「インデックスファンド」と呼ばれるものです。
ただ、インデックスファンドもたくさん種類があり、いざ買うときは「どのファンドがいいの?」と気になりますよね。そうした時、ぜひ参考資料として知っていただきたいのが、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」というアワードです。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」とは、投資ブロガーたちが年に一度「今年のベストファンド」を選ぶ賞レース。対象はインデックスファンドに限りませんが、私を含め、個人の投資ブロガーたちが、「このファンドがいい」と投票し、そのランキングを発表するものです。
投資ブロガーたちは、身銭を切って投資していますので、それこそ”ガチ”で投資と向き合っています。その厳しい視点で「これが本当に良い」と選んだファンドは、忖度がありません。自分たちにとって、本当によいと思えるファンドを選び、それを広めていくことで、よりよい投資の環境を作っていこう、という主旨で開かれている会なのです。
いわば消費者目線で商品を品評する会なのですが、もう10年以上も続いており、いまや証券会社やファンドを作る運用会社も注目する存在に。
ちなみに、今年の1位は、この連載でおすすめした「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」でした。
投票した投資家の声を読むと、「これ1本で全世界に投資できる」、「コストが最安」、「リバランスがいらない」という声が目立ち、個人投資家の期待に最も応えてくれる商品だという高い評価。私も、その通りだと思います。
2019年の詳しい結果はこちらでご覧いただけますので、ぜひチェックしてみて下さい。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019
投資を見る目が養われます!
なぜ、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」を知っていただきたいのかといいますと、投資家目線で選ぶファンドと、金融機関や雑誌が選ぶファンドは、違うからです。
実際に、証券会社や雑誌等が選ぶランキングと、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」のランキングを見比べてみて下さい。まったく違う商品が並んでいることに、気づくはずです。
金融機関や雑誌等が選ぶランキングが、参考にならないわけではありません。ただ、誰が選ぶかによって、「いい商品」の基準は変わるもの。金融機関や雑誌等が選ぶ「いい商品」と実際に投資している人が「いい」と思う商品とは、その性質が異なります。
投資家目線のランキングを知っておくことで、ちまたにあふれる情報を取捨選択する力を養うことができるはずです。
順位で選ぶ必要はありません
気をつけたいのは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Yearで1位の商品ならいい」というわけではないこと。特に、このランキングを理由に、購入する商品をスイッチしたりしないように、気をつけてください。
投資は、あくまでも自分が取れるリスクの許容度に応じて、購入するファンドを選ぶべき。ランキングは、あくまでもランキング。大切なのは、今のような非常事態でも「ほったらかし」で静観できるように、耐えられるリスクの範囲で資産を配分することなのだということを、くれぐれもお忘れなく。
はい! それでは今回はここまで。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」は、毎年年末に投票が行われますので、今年の結果をぜひチェックしてみてくださいね。
次回はいよいよこの連載も最終章に。ほったらかし投資を続けて増やした資産を、将来はどのように使っていけばいいか、インデックス投資の「出口」についてお伝えいたします。
お楽しみに!
(監修・水瀬ケンイチ イラスト・おぐらなおみ 取材・文 大上ミカ)
水瀬ケンイチ
1973年生まれ。IT企業に勤める会社員であり、個人投資家。2005年より、ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」で自身の投資経験を綴り、インデックス投資家のバイブル的存在として認知される。著書に「お金は寝かせて増やしなさい」(フォレスト出版)、「カラー版 お金が勝手に増える「熟成」投資術 (宝島社新書) など。
参考文献:水瀬ケンイチ著書
お金は寝かせて増やしなさい(フォレスト出版)
全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド(朝日新書)
投資は元本保証がありません。資産運用はあくまでもご自身の責任で行ってください。本連載の内容を実践したことによって被る損害については、いかなる理由があろうとも、監修者、運営社、執筆者ともその責任は負いません。