「飛行機でも液体ミルクなら」「精神的負担が減った」。一人のママの声がここまでに
乳児用液体ミルクの発売から約6カ月。一部コンビニエンスストアでの販売も開始され、より身近な存在に。液体ミルクは調乳が不要なため手軽に授乳ができますが、粉ミルクに比べると高価格。それでも使いたいという人はどんな場面で使っているのでしょうか? たまひよONLINE「液体ミルクの今」第4回は、ママたちのリアルな使用シーンをリポートします。
乳児用液体ミルク研究会の末永さんも愛用
乳児用液体ミルクの販売許可を求め、署名活動と普及活動をしてきた末永恵理さん(乳児用液体ミルク研究会 代表理事)。
一人のママの声が国を動かすまでになった存在として、「ひよこクラブ」はじめ多くのニュースで取り上げられました。
実は末永さんは、今夏第2子を出産。母乳を基本に、シーンに応じて乳児用液体ミルクを使っているそうです。
「実際に使って感じるのはとても早くてラク!ということです。出かけ先で使うことが多いですが、家でも赤ちゃんがおなかがすきすぎているときに、時間を短縮したいと使うことも。
基本は母乳ですが、昼に分泌が少なくなることも多いので、たりない分に活用したりもしています」(末永さん)
まだ月齢が低いため、紙パックタイプを主に使っているそうですが、飲む量が増えてきたら缶タイプも便利だな、と思っているとのこと。
末永さんが、外出先で液体ミルクを使っている親子に遭遇することも多いそうです。
さぞ感慨深いことでしょう。
「その光景を見かけるたびに、発売が実現されてよかったと、本当にしみじみ感じています」(末永さん)
日常で便利に使うことが 同時に防災対策にも
液体ミルクの発売後、末永さんのもとには、いろいろなママたち声が届きました。
『外出先にお湯を持っていかなくて済むので、荷物が軽くなった』
『車の中でも、親子ともシートベルトをしたまますぐに飲ませられる』
『ギャン泣きに移行してしまう前に飲ませられる』
『夜は液体ミルクにしている』
「みなさん日常で便利に使っているようです。中には『単価が高めなので、これはとっておいて母乳にしようかな、と図らずも上の子ときよりも母乳を頑張れている』といった声もありました。液体ミルクを自宅に置いておくことと、使い慣れたものを災害時にも使えることが重要だと思うので、こういった日常生活への浸透は、同時に防災対策にもなると思っています。」(末永さん)
ひよこクラブ編集部にも、読者ママから、乳児用液体ミルクを活用している声が届いています。
飛行機や新幹線内でも安心(8カ月男の子のママ)
飛行機や新幹線移動では、調乳するときにやけどの心配が。液体ミルクは哺乳びんに移し替えるだけなのでとても便利!私の精神的にも負担が減り安心して授乳できました。
預かるほうも気がらくに(8カ月女の子のママ)
基本は母乳ですが、預けるときに液体ミルクを使っています。預かったほうも手間がかからないため安心して授乳できるみたい。
残った分は離乳食に してます(9カ月女の子のママ)
開封したのに残ったら…と心配な人もいるかもしれませんが、残った分はパンがゆに使うなど、離乳食にも活用しています。
使うときのポイントは?2種類の乳児用液体ミルク 基本の使い方
現在国内で発売されている乳児用液体ミルクは2種類。それぞれの使い方のポイントをまとめました。液体ミルクはママやパパだけでなく授乳に不慣れな祖父母も簡単に使える点も大きなメリット。ぜひ参考にしてみてください。どちらも清潔な哺乳びんにうつしかえてから飲ませましょう。
江崎グリコ アイクレオ赤ちゃんミルク(125ml/200円 )
付属のストローで哺乳びんに移し替えるタイプです。ストローをはずし、ストローのストッパー部分が隠れるように挿し込み、手前に少し戻して穴をふさぎ、ストローを曲げ、紙パックに軽く力を加えながら注ぎます。
明治 ほほえみ らくらくミルク(240ml/215円)
缶を開けて、哺乳びんに移し替えるタイプです。手を清潔にし、缶に汚れ、破損がないことを確認します。缶の口が汚れているときは、赤ちゃん用の清浄綿やぬれコットンでよくふいて清潔にして、よく振ったあとにふたを開けて注ぎます。
乳児用液体ミルクは、夜中の授乳がしんどいときはもちろん、お出かけ先や、移動中、赤ちゃんを預けたいときなど、さまざまな用途で使われています。
災害時に役立つ存在にもなり、かつ日常で使われる商品となるには、価格や販路などにまだまだ課題があるのも事実です。が、リアルなママたちの声からは、自然と社会に浸透しだした印象を受けました。
ママやパパたちの新しい選択肢「液体ミルク」について、今後も取材を続けていきます。(取材・文/本間勇気、ひよこクラブ編集部)
乳児用液体ミルクは母乳代替食品として作られているだけに、栄養価は著しく高く、そのため開封後は「雑菌がすぐに繁殖するもの」としっかり認識しましょう。赤ちゃんは細菌には弱い存在です。飲み残しの使用は絶対に使用しないようにしてください。