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小児泌尿器科の常識 赤ちゃんのおちんちんの皮は「むく」必要がない

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生まれたばかりの赤ちゃんの出生前の病院のベビーベッドに敷設
tatyana_tomsickova/gettyimages

男の子の赤ちゃんのお世話で、おちんちんの皮をむくかどうかで迷うママ・パパが非常に多くいます。いろいろな考え方が語られていますが、実は小児泌尿器科医の間では、赤ちゃんのおちんちんの皮は親が“むく”必要がなく、ナチュラルでいいというのが、今の常識となっています。ひよこクラブでは、 赤ちゃんのおちんちんの専門家 小児泌尿器科医の浅沼宏先生に聞きました。

関連:赤ちゃんの泌尿器・性器の病気 尿路感染症の症状とケア【医師監修】

赤ちゃんのおちんちんの皮は「むく」必要がなく、健康であれば親が手を加えなくてOK

 「赤ちゃんのおちんちんの皮を少しずつむいては戻し、皮をのばす行為は„包皮(ほうひ)ストレッチ“といって、治療の一環として行うことはあります。このような治療が必要になるのは、嵌頓包茎(かんとんほうけい)、腎盂(じんう)腎炎(じんうじんえん)のリスクがある子、亀頭包皮炎(きとうほうひえん)を繰り返す子、閉塞性乾燥性亀頭炎(へいそくせいかんそうせいきとうほうひえん)の場合。これらに当てはまらない赤ちゃんは、自然なままでいいというのが今の常識です」と浅沼先生。

 赤ちゃんは亀頭が包皮で覆われている包茎が当たり前で、成長に伴い徐々に皮が自然にむけるようになります。大人になっても皮が全くむけず、亀頭が露出できない場合は病的な包茎(真性包茎・しんせいほうけい)となりますが、小児期は病気ではありません。赤ちゃん時代から親が皮をむくことで将来の真性包茎を防げるという説がありますが、そのような医学的根拠はないといいます。

「秋田からの報告では、皮がむけない子の割合は生後6カ月未満では約70%、5〜7才で約10%、11〜15才になるとごく数%。欧米のデータでは16〜17才になると1%未満。これらからわかることは、ほとんどの子は成長したら自然にむけるようになるということ。親がむくことで成人期の真性包茎を防げる、陰茎が大きくなる・形がよくなるという医学的根拠はありません」 

 むしろ親が皮をむくことで、皮が戻らなくなる嵌頓包茎になったり、無理にむいて皮が傷つくことでかたくなり、逆に将来むけにくくなったりするなどの恐れがあるとのこと。

 さらに、毎日の包皮ストレッチはママ・パパの負担にもなります。
「包茎だと不潔と心配する人もいるかもしれませんが、普段からしっかり洗っていれば大丈夫。十分に洗えていない、汚い手でいじるなどをすると亀頭包皮炎になることがありますので、その際はかかりつけの小児科を受診しましょう」

赤ちゃんの包茎で治療が必要なケースは?

皮をやわらかくする軟膏(なんこう)を塗り、包皮をおちんちんの根元に向かって押し下げる「包皮ストレッチ」の治療を要するのは、以下の4つのケースです。

嵌頓包茎(かんとんほうけい)

二度と繰り返さないよう
包皮輪への処置が必要

包皮輪(皮の先端の部分)がきついのに、無理に亀頭を露出させることで、おちんちんが包皮輪で締めつけられて包皮がむくみます。亀頭の血行が悪くなり組織が死んでしまうことがありますので、緊急で受診を。包皮を戻し、再発防止のための治療をします。

腎盂腎炎(じんうじんえん)のリスクがある

尿道口を清潔に保ち
重い病気を防ぎます

最も重症な尿路感染症(にょうろかんせんしょう)である、腎盂腎炎を起こしやすい先天性の病気(膀胱尿管逆流、水腎症
、後部尿道弁など)の場合は、尿道口(亀頭にあるおしっこの出口)から細菌が入り込まないよう、清潔に保つことが重要。ケアしやすいように治療することが。

亀頭包皮炎を繰り返している

細菌感染予防のため
ケアしやすいように処置

亀頭と包皮の間に細菌が感染することで炎症が起こり、おちんちんの先が赤く腫れます。また、膿が出て、おしっこのときに痛がることも。通常は抗菌薬の軟膏や内服で治療しますが、2回以上繰り返している場合は、亀頭部のケアがしやすいよう治療をします。

閉塞性乾燥性亀頭炎(へいそくせいかんそうせいきとうえん)

皮がかたくなり「成長とともに自然にむける」とはいかない!

皮の先端組織がかたく、排尿障害の原因になる病気。症状はおしっこが出づらい・時間がかかる、勃
起したときに痛がるなど。病状が尿道へと進行する場合があることと、自然にはむけなくなってしまう
ので治療が必要。小学生以上で全くむけない場合は受診も。

これも知りたい! 赤ちゃんのおちんちんのことQ&A


国によって、包茎についての考え方は違いますか?

国によって包茎手術を受ける男子の割合が異なります

宗教や文化により、包茎の考え方は変わります。宗教儀式として包茎手術を行うのはユダヤ教、イスラム教。包茎手術を受ける男子の割合が多いのは、米国で75%。一方、英国は6%と少数派。アジアでは韓国が85%以上と高い割合でしたが、最近は減少傾向にあるといわれています。


包茎で手術が必要なときってどんなときでしょうか?
A
軟膏塗布と包皮ストレッチでは、改善しない場合に検討されます

 治療が必要なケースで、軟膏塗布と包皮ストレッチの治療では効果がない、または期待できないときに限定的に行われます(閉塞性乾燥性亀頭炎は手術が必要なことが多い)。手術には、麻酔のリスク、出血、感染症、尿道が狭くなる、おちんちんを傷つけるなどの合併症もあり得るので、慎重に検討されます。



毎日のおちんちんのお手入れは
どのようにしたらいいの?

ほかの部位を洗うのと一緒でOK。しわの間もしっかりと

 おふろでは、体のほかの部位を洗うのと同様でいいでしょう。手を洗うときに手のひらや甲だけを洗うのではなく、指の先や間もしっかり洗うのと同じように、おちんちんもしわの間まで洗浄料を使ってしっかり洗うのが基本。もし、包皮が少しでもむけるようなら、可能な範囲で亀頭も洗いましょう。無理にむいて垢(あか)を取り除かなくても大丈夫。

(取材・文/ひよこクラブ編集部)

関連:“赤ちゃんの性器に異変!?” 受診の目安と考えられる病気とは?

■監修/浅沼 宏先生
(慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室 准教授)
19 9 0年愛媛大学医学部卒業。東京都立清瀬小児病院(現・都立小児総合医療センター) 泌尿器科医長などを経て、2017年より現職。専門は小児泌尿器疾患、腎不全。

■参考/ひよこクラブ2019年9月号「子育てトピックス」より

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