【医師監修】育児にタブレットを使う親のほうが、心理的な不安が減るという調査結果について
現代、スマホは育児に欠かせないものになり、赤ちゃんもスマホに興味津々。育児中のママ・パパたちも「スマホの影響が気になります」「子どもが大きくなればいつかは使うはずだけど、今はどうしたら?」などの気がかりがあるようです。メディアが乳幼児に与える影響に詳しい小児科医、榊原洋一先生に聞きました。
スマホが悪いという科学的根拠はまだない
赤ちゃんにスマホを使わせると悪影響があるといわれますが、科学的にはまだはっきりとした根拠はありません。スマホを赤ちゃんに使わせてはいけない、または親が育児中にスマホを見ないほうがいいと訴える人は小児科医にも多くいますが、理由はスマホを使うことで親と赤ちゃんとの交流がなくなることを心配しているからです。 もちろん一日中赤ちゃんにスマホを与えて、親子のかかわりをいっさい持たない、ネグレクトの状態は危険です。しかし、常識の範囲内で使えば問題ありません。
見せる内容はきちんと選ぶ
アメリカで行われた実験では、テレビやスマホを使用する時間が長い子は語彙(ごい)が少ないという結果が出ましたが、それは親子の会話がほとんどないケース。親子のかかわりがあれば差はなくなることが明らかになりました。つまり、言葉の習得に悪影響が出る原因はスマホやテレビではなく、親とのかかわりがないこと。
中国、インドネシア、フィンランド、日本の4カ国で行った研究によると、国際的な学力水準が高いフィンランドでは、多くの親が育児にタブレットを利用していることがわかりました。親が見て不快だと思うアプリや悪質なサイトを赤ちゃんに見せるのはもちろんよくないですが、家族が映っている動画を一緒に見るとか、赤ちゃん向けの絵本アプリを一緒に楽しむなど、親子のかかわりを持てるような使い方をすればいいのではないでしょうか。
今は赤ちゃん向けの、想像力を促すアプリもたくさん出ています。
スウェーデンの研究では、タブレットを育児に使う親のほうが、心理的な不安が減り、子育てにもいい影響があるという結果も出ています。
孤立した育児をしているお母さんたちが、スマホで情報を集めたり、ほかのお母さんと交流したり、親子で楽しく使ったりすることは構わないと思います。
(取材・文/ひよこクラブ編集部)
参考/「ひよこクラブ」2019年6月号「新時代令和の育児のジョーシキ」
初回公開日 2019/10/15
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