いざというときなのにわからない……。「乳児用液体ミルク」の使い方を編集部が解説
今春発売が開始された、乳児用液体ミルク(以下、液体ミルク)について、「たまひよ」ではどのように使われているか、その現状を都度リポートしてきました。今回の記事は「ひよこクラブ」10月号に掲載した内容を、今まさにさまざまな状況で必要とする人がいるかもしれないと、たまひよONLINEが追記してお届けします。
「備蓄していたけれど、いざというときだけど、どうやって使うかわからない!」という人に
乳児用液体ミルクが発売されて、はや半年。製造・販売メーカーによると、当初の予想を上回る売れ行き、とのことです。「ひよこクラブ」の調査でも認知度は高く、7人に1人は購入、利用したという結果に。乳児用液体ミルクのいちばんの特長は調乳の必要がなく、哺乳びんに移し替えるだけですぐに飲ませられるという点。災害でライフラインが途絶えた場合でも授乳ができることから、全国の自治体で備蓄品として導入する取り組みが進められています。また、その手軽さからお出かけ時の授乳など、日常使いでも需要が。授乳時の選択肢の一つとして、これからさらに普及していきそうです。
編集部が液体ミルクを使ってみました
現在発売されている、2種類の液体ミルクを編集部で実際に使ってみました。 飲ませるときの参考にしてみてください。
江崎グリコ アイクレオ 赤ちゃんミルク
125 ㎖ / 2 0 0 円
日本初の液体ミルク。3月11日に発売開始。紙パック製。付属のストローで哺乳びんに移し替えるタイプ。
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消毒した哺乳びんを用意して、パッケージ裏面についているストローをはずし、袋から出します。
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ストローのストッパー部分がパックの中に隠れるように挿し込み、手前に少し戻して穴をふさぎ、ストローを曲げます。
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紙パックに軽く力を加えながら、哺乳びんに注ぎ、乳首をつけて飲ませます。
編集部感想
ストローを使うので、移し替えに少し時間がかかるけれど、もれることなく注げました。紙パックなので軽量で、使用後もコンパクトになります。
明治 ほほえみ らくらくミルク
240 ㎖ / 215円
4月下旬に全国発売スタート。スチール缶製。缶を開けて、哺乳びんに移し替えるタイプ。
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手を清潔にし、缶に汚れ、破損がないことを確認。缶の口が汚れているときは、赤ちゃん用の清浄綿やぬれコットンでよくふいて清潔にします。
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よく振ったあとにふたを開けます。
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清潔な哺乳びんに移し替えて、乳首をつけて飲ませます。
編集部感想
缶を開ければそのまま哺乳びんに移し替えられるので、とにかくラク。スチール缶のため頑丈なので、バッグの中でつぶれる心配がありません。
もっと知りたい液体ミルクのことQ&A
液体ミルクを製造・販売する、国内メーカー2社・江崎グリコと明治に、ママやパパたちの疑問に答えてもらいました。
Q賞味期限はどのくらい?
A江崎グリコは6カ月、明治は1年
[江崎グリコ]
賞味期限は常温保存で6カ月。「無菌パック製法」で無菌化された状態で、液体ミルクを詰めています。
[明治]
賞味期限は常温保存で1年。耐久性に優れ、品質劣化を遮断するスチール缶に充填後、高温殺菌をしています。
Q味や栄養は粉ミルクと同じ?
Aどちらもほぼ同じです
[江崎グリコ]
母乳と同程度にミネラル含有量、ナトリウム量を調整しています。母乳にも含まれるガラクトオリゴ糖を配合。
[明治]
母乳をお手本に研究を続けてきた「明治ほほえみ」の、粉・キューブタイプと同等の栄養設計です。
Q 常温だと冷たそう。温めるには?
A 哺乳びんに入れ、湯せんがベスト
[江崎グリコ]
哺乳びんや耐熱容器に移し替え、湯せんなどで温めてください。その際、温度には十分注意し、人肌程度の温度であることを確認してから飲ませてください。
[明治]
清潔なお湯で、缶のまま湯せんして温めてください。熱くないこと(40度以下)を確認してから飲ませます
(繰り返しの温めはしないでください)。
哺乳瓶や乳首を洗えないという場合、紙コップで授乳という方法もあります。必ず紙コップは使いまわさず新しいものを使用し、赤ちゃんがむせないよう、つまらせないよう注意が必要です。明治ほほえみのウェブサイトでは動画で紹介もされています。
(撮影/花田梢 取材・文/ひよこクラブ編集部)
■参考/ひよこクラブ2019年10月号「子育てトピックス」より