「ママだけが掃除」は卒業!掃除は家族の“生きる力”を強くする?【時短スッキリ術】
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昨年末に家の中の大掃除をして、気持ちよく今年を迎えたかたも多いのではないでしょうか? 新しい年を迎えたタイミングでぜひ毎日の掃除方法の見直ししてみましょう。
この連載では忙しいママたちのための“時短”できる片付けや掃除方法のアイデアをご紹介します。第2回は家族に掃除を協力してもらうためのアイデアです。
教えてくれたのは……
生活コラムニスト/ももせ いづみさん
暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。子育てをしながらフルタイムやフリーランスで働いてきた経験をもとに、忙しくてもすっきりと豊かに暮らすアイデアを発信し続けている。
掃除は家族の目の前で行うべし?!
前回の記事でも紹介したように、時間をかけずに家の中をきれいに保つには、家族の協力がやっぱり大切。それでも自分ひとりでやってしまったほうが早いと思って、ママが掃除全般の仕事を抱え込んでしまうことはありませんか?
ももせさん「よく、家族が出払ってだれもいなくなってから家事を始めるという人がいますが、それでは家族は汚れたり散らかった家を、どのように元に戻すのかを見たり知ったりする機会がなくなってしまいます。汚してけて、戻ってきたら知らないうちにきれいになっていることが当たり前と思われてしまうと、家事をする側も辛いですし、逆に言えば『知らないまま』なのに『何もやってくれない』と責められる家族もちょっとかわいそうかもしれませんよ」
たしかに掃除していると知らないうちに自分のルールができあがってきてしまって、家族に何がどこにあるのか、どこにしまえばいいのか、しっかりと共有できていないことが多いかも……。「一緒に住んでいるのだから掃除ができて当然!」と思い込んでいても、“掃除の仕方”を見ていない家族は困惑している可能性もありますね。
ももせさん「家事をシェアすることは、自分が楽をするためではありません。家族が自分たちの暮らす家のことをよく知り、心地よく生活するためのスキルを身に着けていくことで、生きる力と協力し合うことの大切さを伝えていく。
掃除は家事の中でも、一番シェアしやすい分野です。ぜひみんなでおうちをきれいにすることを習慣にしましょう」
家族に「生きる力と協力し合うことの大切さ」を伝えることが大切だと話してくれたももせさん。自分も含め夫やわが子のためにも、少しずつ“家族で小掃除”を実践していきたいですね。
家族の目線に合わせる
それでは実際に家族を掃除に巻き込むアイデアを教えてもらいましょう!
ももせさん「① まずは掃除のハードルを下げる。自分がやっているのと同じ結果を最初から期待せず、初心者でも簡単にできる方法を考えましょう。例えばトイレ掃除。便座と便座の裏を確認して、汚れていたらおそうじシートなどで拭くことを毎日の習慣に。すみずみまできれいにできなくても、まずはそこだけできれば合格点というところから始めてみて。
② 道具はきれいで使いやすく、興味を持ってもらえるデザインを。よく使う場所にすぐ手に取れるようにディスプレイする感覚で配置しましょう。
小さい子には、子どもの目線に自分専用の掃除道具を用意してあげると、おもしろがって家事に参加してくれます。例えば浴室にかわいいブラシを置いて『汚れをみつけたらこすってみて』と伝えておくと、自然と汚れをみつける目が育ちます」
自分のやりかただけではなく、まずは家族ひとりひとりの目線に合わせることが大事。考えてみてわからなかったら「どこに置けばわかりやすい?」「やりづらかったら教えてね」と聞いてみるのもいいかもしれませんね。
なるべくポジティブな声がけを
ももせさん「③ 最初はまず、みんなが見ている日常のシーンで、自分で楽しそうに掃除道具を使ってみましょう。『これを使うとあっという間にきれいになるね』『きれいになると気持ちがいいね』『いつもここに置いておくね』のワードで。
④ 『こんなに大変なんだから手伝って』の発想では、『大変なのか、辛いのか』という気持ちになってしまいます。シェアしてもらいたい家事は『おもしろいね』『気持ちがいいね』『やってみると楽しいね』と自分のスイッチも切り替えて」
忙しくてイライラしていると家族に「も〜!!ちゃんと掃除して!!」と言ってしまっている気がします……。たぶんこれからも怒ってしまうこともあるけれど、なるべく掃除にネガティブなイメージを植え付けないように自分自身も含め、家族を育てていくことが大切なのですね。
そして毎日の掃除がむずかしくても、前回の記事でももせさんが教えてくれたように“土曜日の午前中1時間だけ家族全員で家をきれいにするイベント方式”もなかなかよさそう。お疲れ気味の夫も、集中力がない子どもも、短時間なら巻き込みやすいですね。
家族の目線に立つこと。なるべくポジティブな声がけをすること。なんとなくわかってはいるけれど、実行に移せていないとうかたは多いと思います。案外、ママの掃除に対する考え方が家族に与える影響は大きいのかもしれませんね。次回は干し方で変わる洗濯物の時短テクニックを教えていただきます!
(監修・ももせいづみ 文・清川優美)