家事のプロに聞く 大人ごはんに離乳食…料理を時短するコツ!
家事の中でも大きなウエートを占めるのが「料理」。調理中に赤ちゃんに泣かれてしまったり、後追いされてしたくができなかったりと、赤ちゃんが生まれるとなかなか思うように進まないことが増えてきますよね。限られた時間の中でママが家事をこなすためには、ちょっとしたコツやテクが必要です。そこで、知的家事プロデューサーの本間朝子さんに、料理の時短を実現するワザを教えてもらいました!
家事の時短は発想の転換がとても大切です
赤ちゃんが生まれてから料理が大変になってしまったという方は、「赤ちゃんのために食材を選ぶ」「赤ちゃん用の特別メニューを作る」というように、料理を「赤ちゃんのために、特別に」変えたことで効率が悪くなってしまっているからかもしれません。
赤ちゃんが生まれる前のスタイルをベースにしながら、必要なところだけ赤ちゃん用にアレンジする、という方法のほうが時間も負担も少なくすることができます。
たとえば献立づくりでは、赤ちゃんと大人のものを別にすると家事は倍になりますが、大人のメニューをベースに赤ちゃんの食事をアレンジして作れば、ひとつの工程で済ませることができます。
買い物にしても、大人のメニューは特売の食材で作ることが多いと思うのですが、特売の野菜や魚は、旬のものが多いです。大人の食事をベースにすることで、自然と旬の食材をメニューに取り入れることができますし、いろいろな食材を体験させてあげられます。
調理グッズにしても、赤ちゃん専用のものは限られた時期しか使えない場合もあります。グッズが必要以上に多いと片づけの手間が増えてしまうので、大人のもので代用できるものはしたほうが家事の時短につながります。
「赤ちゃんのために」と家事を組み立てると時間も負担も増えていってしまうので、ふだんしていることをベースにして赤ちゃん用にアレンジする、という発想の転換をしてみましょう。
3つの法則に沿えば、毎日の料理がグーンとラクになる!
家事を時短化したいと考えたときに、まず取り組んでおきたいことが3つあります。
1つ目は、環境を家事がしやすいもの整えること。
2つ目は、その家事の工程や道具を見直すこと。
3つ目は、家事をシェアしやすいしくみをつくることです。
この3つの大前提に沿って、家事を見直せば「料理」の家事も効率化することが可能です。
この大前提を実践するためのアイデアをいくつか紹介します。
法則1:料理しやすい環境を整える
まずは、あなたの料理環境をチェックしてみましょう。
□むだな移動をせずに調理できるか
□使いやすい道具をそろえているか
□道具の出し入れはしやすいか
この3つをクリアできていれば、効率がいいキッチンと言えます。逆に、できていないと感じているなら、それが料理に手間や時間がかかる原因になっているかもしれません。シンク、冷蔵庫、調理スペースは動きやすい動線になっているか、要らない道具が収納を占めていないか、調理器具の出し入れがしにくい収納になっていないか、見直してみましょう。
献立づくりは枠組みを作っておく
料理しやすい環境には献立づくりがかんたん、ということも入ってきます。献立づくりで大変なのは「主菜は何にしようか」「副菜は、汁物は」「栄養バランスは」と、考えることがたくさんあるからです。
私は、献立づくりにルールを決めて、枠組みをつくっておきます。ポイントは主菜。火曜と木曜は魚、それ以外は肉、と平日だけでもメインのカテゴリーを決めておきます。あとは、空き時間に野菜を多めにゆでるなどして副菜に使えるものを準備しておくと、なおいいです。
働くママなら「水曜日はお弁当かお総菜、赤ちゃんはベビーフード」で決めてしまってもいいと思います。忙しくて週単位でメインを考えるのも負担という方でも、帰宅してから献立づくり、というのは非常に大変で効率も悪いので、朝の時点でメインだけでも決めておくとラクですよ。
法則2:工程や道具を見直す
家事が効率よく進まないときは、工程や道具に原因があることがあります。何気なくしていたことや使っていたものを変えるだけで、劇的に時短できることがあります。
トング、キッチンばさみ、みそマドラーを活用
調理で時間を意外ととっているのが、手洗いです。とくに、赤ちゃんの食事を調理するときは衛生面に気をつけないといけないので、頻繁に手を洗うのではないでしょうか。
その手間を省いてくれるのがトングです。たとえばポークソテーでは、肉をパックから取り出す、両面に塩こしょうをする、フライパンにサラダ油をしく、肉をフライパンに並べる、といった工程を手ですると手を2回洗わないといけません。これをトングで行うと手洗いナシ。菜ばしでもできるのですが、トングのほうが扱いやすいですし、炒めものやめん類などもお皿に取り分けしやすく、一つあるととても便利です。
私は、トングの先が少し上に上がった「オークス・レイエ」のものを愛用しています。トングの先が調理スペースにつかずに汚れないのでおすすめです。
キッチンばさみは、まな板がなくてもいろいろなものが切れるのでとても便利です。お皿の中でこまかく切ることもできるので、離乳食づくりにも大活躍します。
みそマドラーは、時短家事では定番のアイテム。みそをスプーンで計って、みそこしで解いて、という工程を一つでこなしてくれます。愛用している「オークス・レイエ」のものは作りが丈夫なので、やわらかくゆでた野菜をすりつぶすこともできます。離乳食づくりにも活用できそうです。
みそマドラー
「オークス・レイエ」のみそマドラー。みそを計る→溶かすが一気にできるスグレモノです。しっかりとした造りなので、離乳食づくりの「つぶす」テクにも応用できます。
くっつかないシリーズ
調理台に「くっつかないシリーズ」。トングやおたま、フライ返しなどいろいろそろっています。
カトラリーセットをつくる
食卓についたあとに、「小皿がない」「スプーンがない」といった場面、意外に多くないですか。何度もキッチンと食卓を往復するのは非効率ですね。
そこで、ファミレスからヒントを得たのが、カトラリーセット。食事に必要な食器類をセットにして食卓に置いておきます。赤ちゃんの食器類もセットしておけば、落としたり汚したりしたときも、席を立たずにすぐに新しいものと取り替えてあげることができます。
食器や調理器具を食洗機対応に統一する
洗い物の時短には、やはり食洗機にかなうものはありません。まだないという方は、できる範囲で導入することをおすすめします。もうあるという方も、せっかく食洗機があるのに、食洗機対応していない食器や調理器具が大半を占めていたらもったいないですね。できる限り食洗機対応のものにすることで、洗い物の時間を大幅に短くすることができます。
法則3:家事シェアしやすいしくみをつくる
キッチン環境を整えて、工程や道具を見直したら、最後は「家事シェア」です。料理となると、すべてのパパができるとは限りません。その場合、協力してもらうのはパパでなくてもいいのです。スマート家電や代行サービスなど、時にはお金で解決する、という方法も選択肢に入れておくと気持ちがラクになりますよ。
週末は、パパ主導のテーブルクッキングを取り入れて家事シェアを
ふだんからキッチンに入っているパパもいますが、キッチンに入ることに抵抗を感じる人も多いですね。そんなご家庭におすすめなのが、ホットプレートや鍋などを活用したテーブルクッキング。赤ちゃんや子どもがやけどをしないように十分に注意が必要ですが、ホットプレートならパンケーキやお好み焼きなど、パーティ風に盛り上がることができます。寒い季節なら鍋もおすすめ。離乳食にアレンジしやすい点もメリットです。
1食だけでもパパ主導でしてくれれば、ママの負担は軽くなりますよね。
献立つきの食材宅配サービスを利用する
料理の中で負担が大きいのが献立作りです。献立の枠をつくる、といったアイデアを活用しても解決できないときは「献立つきの食材宅配サービス」を利用するのも一案です。
「献立つきの食材宅配サービス」がネットスーパーと違うのは、料理のレシピとレシピ通りの分量の食材が届く、というところにあります。献立を考えなくていいうえに、買い物もしなくて済むのです。
ママにおすすめしているのがヨシケイの「プチママ」シリーズです。取り分け離乳食のレシピもセットになっているので、赤ちゃんがいる家庭にはとても便利です。1日単位で申し込めるメニューもあるので、忙しいとわかっているときだけに利用する、という方法もあります。
ママの時短アイデア
ママたちが実践している料理の時短アイデアを、本間さんのコメントとともに紹介します!
●ふと思い立ち、離乳食作りのために購入したハンドブレンダーを押し入れから引っ張り出してきてホールのコーン缶で作ってみたら、まぁ簡単だこと!これならみそ汁感覚で作れるじゃん!これぞ文明の利器!場所も取らないし、死蔵させなくてよかった~!
これからはブロッコリーや人参、じゃがいも、いろんなポタージュスープ作ってみよ^ ^
【本間さんからアドバイス】
包丁だけで作ると時間がかかることも、家電ならあっという間にできますね。手作りのメニューや、ちょっと手の込んだメニューに、気軽にチャレンジできるのがいいですね。
●シリコンスチーマーなら、その場にいなくていい!ブロッコリー、いんげん豆、アスパラガス、おいもなど、みなこれでチンしてしまいます。夕飯がレトルトハンバーグでも、付け合わせの野菜はたっぷり。カレーの具や生姜焼きの付け合わせの玉ねぎもチンで時短。人参とバターと砂糖を入れてグラッセ。毎日使ってます。食洗機で洗えます。
【本間さんからアドバイス】
シリコンスチーマーは、大人の料理ならそのまま食卓に出せるのもメリット。食洗機にも対応しているので、洗い物の時間をカットできます。
●私はまず食事の支度しながら、その都度出る洗い物(まな板や包丁などの調理道具)をどんどん下洗いして、食洗機に入れていきます。食事の支度が終わって、食べる前に乾燥だけかけます。これで、食べ終わって少し休憩している間に乾燥が終了。食べ終わったあとの食器を入れて食洗機に今度は洗いからかけます。一度食べる前に大体のものは洗ってしまうので、食後の後片づけはグンとラクになります。乾燥機能、上手く使うと ものすごく便利ですよ。
【本間さんからアドバイス】
食洗機を上手に活用していますね。離乳食で使うおろし器などは手洗いだけでは汚れが落ちないときもありますが、そんなときは泡スプレータイプの洗剤を使うとこまかい汚れも落ちるので時短につながりますよ。
いかがでしたか?離乳食づくりはついつい張り切ってしまいますが、頑張りすぎるとストレスがたまることも。どうせつくらなければいけない大人ごはんをベースにすれば、もっとラクに時短できますよ。
(取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部)
■監修/本間朝子さん
自分自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、時間と無駄な労力を省く家事メソッド「知的家事」を考案。「時間がない」「家事が大変」と嘆く多くの主婦の悩みを解決している。
また、毎月無料で「時短家事セミナー」を自主開催している。著書に『ゼロ家事』(大和書房)、『本間式 置くだけ片づけ』(エクスナレッジ)、『写真でわかる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)、『名もなき家事を楽しく減らす法』『「片づく仕組み」のつくり方』(三笠書房)、『ムダ家事が消える生活』(サンクチュアリ出版)、他多数。
●オフィシャルサイト:本間朝子オフィシャルサイト
●Amebaブログ: 知的家事プロデューサー本間朝子のブログ
※このエピソードは口コミサイト「ウイメンズパーク」の投稿からの抜粋です