赤ちゃんの便の色が手がかり。難病「胆道閉鎖症」。見逃しを防ぐには
「胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)」は新生児期~乳児期に起こる、原因不明の難病です。初期症状であるうんちの色の変化を見逃さないために欠かせないのが、うんちの色がプリントされている「便色カード」。母子健康手帳や、NPO法人「ひまわりの会」が作成している、「母子のためのお薬手帳」内に入っています。たまひよONLINEではひまわりの会事務局長 岩田文雄さんに、胆道閉鎖症の早期発見のための便色カードの活用法を聞きました。
「胆道閉鎖症」はうんちの色が薄いのが大きな特徴
胆道閉鎖症を患うと、うんちの色の素となる胆汁(たんじゅう)の出が悪くなるため、うんちの色は薄くなります。生後4カ月ごろまでは、1日1回はおむつ替えのときに便色カードと比べてみて、うんちの色が何番に近いのか確認することを習慣にしましょう。
うんちの色をチェックするときのポイントは?
便色カードを使ったうんちチェックの流れとポイントを紹介します。
(1)
おむつを交換するときに、便色カードをうんちに近づけて色を見比べます。きちんと確認できるよう、明るい場所で行いましょう。
(2)
もっとも近いと思う色番号をチェック。便色カードの1~4番の色が3日続いたら、受診してください。
※うんちの色は、日に日に薄く変化することもあります。4カ月ごろまでは便色カードでのチェックは毎日続けましょう。
母子健康手帳アプリでうんちの色を記録
「胆道閉鎖症の認知度が低く、病気にかかる赤ちゃんの割合が減少しないことから、便色カードの配布を推進しました」と母子健康手帳掲載までの経緯を話す岩田さん。
NPO法人「ひまわりの会」では、さらに活用できるよう、同会がリリースしている「母子健康手帳アプリ」内に、便色の記録機能を搭載しています。
赤ちゃんのうんちは健康のバロメーター。色をチェックすることで、胆道閉鎖症以外にも、ノロウイルスやロタウイルスなどほかの病気が予測できる場合もあります。
低月齢の赤ちゃんの親はもちろん、妊娠中のママやプレパパも、母子健康手帳の便色カードやアプリをチェックしてみてください。
(取材・文/中澤夕美恵、ひよこクラブ編集部)
赤ちゃんのうんちは健康チェックのためにとても大切。とくに低月齢のときは体調がよさそうであっても、うんちの色はよく観察しましょう。1日1回、「便色カード」やアプリでの確認を習慣化することが、変化の気づきにつながります。
■お話
岩田文雄さん
(NPO法人ひまわりの会 事務局長)
■参考/『ひよこクラブ2020年2月号』特集「変化を見落とさないで! うんちチェックが大切です」