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「給食での悲しい事故を防ぐ」入園入学前に食物アレルギー児の親が知っておきたいこと

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モデルの長谷川理恵さんの小学校1年生の長男は、乳製品と卵の食物アレルギーがあるといいます。2月末に都内で開催された「アナフィラキシー啓発メディアセミナー」で、発症したときのこと、入園後の生活などについて話してくれました。ほかにもアレルギー専門医の佐藤さくら先生、調布市教育委員会の廣瀬郷さんからも、食物アレルギーを持つ子どもの保護者が、入園・入学前に知っておきたいこと、やっておきたいことなどについてアドバイスがありました。前回記事『長谷川理恵「アドレナリン自己注射薬を知って!」息子の食物アレルギーで知った重要性』に引き続きお伝えします。

長谷川さん「長男は1才のとき乳製品アレルギーを発症」

長谷川さんは、アレルギー専門医である国立病院機構相模原病院の佐藤さくら先生、調布市教育委員会・教育部の廣瀬郷さんとのトークセッションに登壇しました。まずは、長谷川さんの体験を紹介します。
「息子の食物アレルギーに気づいたのは1才のときでした。最初はヨーグルトで、次に卵で反応が出ました。せきが出て、顔がパンパンに腫(は)れる、嘔吐(おうと)するなどの症状が出たのです。医師からは様子を見ましょう、ということで乳製品と卵は除去して食べさせていました。
現在は小学1年生で、先日、学校のお弁当給食で息子が好きなえびフライを選んだのですが、帰宅後に聞くと、えびフライに卵を使用したマヨネーズがのっていたので残したと言っていました。小学1年生になった今は、食物アレルギーの症状はだいぶ改善されていて、また、自分で食べていいもの・ダメなものが判断できるまでになっているのでトラブルにはなりませんでしたが…」(長谷川さん)

佐藤先生「主治医、園・学校としっかりコミュニケーションを」

長谷川さんのお話を受けながら、アレルギー専門医の佐藤先生からのアドバイスがありました。
「長谷川さんのお子さんのように自分から症状が出る食材を避けられる場合もありますが、トラブルを避けるためには保護者、園・学校、主治医の連携をより緊密にすることが大切です。
国内で食物アレルギーを発症するお子さんは年々増加していて、それと同時に激しい全身症状が出て命にかかわることもあるアナフィラキシーショックも増えています」(佐藤先生)

アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質(アレルゲンまたは抗原)に触れる、あるいは食べたり飲んだりしたあとに、数分から数時間以内に複数の臓器や全身にあらわれる激しい急性(即時型)のアレルギー反応のこと。

「アナフィラキシーショックは、アナフィラキシーによって血圧の低下や意識障害を引き起こされたショック状態のことを指します。場合によっては生命を脅かすこともあります」(佐藤先生)

入園・入学前に、医師の指導を受けて、園・学校としっかり打ち合わせを!

2012年東京都・調布市で粉チーズ入りのチヂミを食べた小学生が食物アレルギーのアナフィラキシーショックの疑いで死亡をするという痛ましい事故がありました。
この事故を受け、アレルギー疾患のある子どもが集団生活を送る前に園や学校に提出する、『学校生活管理指導表』が重要視されるようになりました。

「これは保護者が自己判断で記入するのではなく、医師が記入するもの。医師に記入を依頼するとき確認すべきポイントは3つあります」(佐藤先生)

【1】園・学校に除去が必要と伝えるべき食材を確認

医師にまずは学校に伝えるべき除去食材の確認を。医師から指定されていないけれど、保護者が自己判断で除去しているものがあればこの機会に必ず医師に伝えましょう。

【2】今まで食べたことがないものを確認

これまで食べたことがない食材を医師に伝えて、園や学校で除去が必要かどうかを判断してもらいましょう。

【3】食物アレルギーの重症度について確認

子どもの症状はどれくらいの重症度で、どんな対応が必要なのかを確認しましょう。アナフィラキシーショックを起こす可能性があるお子さんの場合、アドレナリン自己注射薬(※)が必要かどうかも確認を。

※アドレナリン自己注射薬とは、アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤です。

「この3つのことを中心に医師が記入した『学校生活管理指導表』をもとに、保護者、園・学校でどのように対応するか決めていきます。心配なことや不安なことがあるときは、この機会にきちんと話し合っておきましょう」(佐藤先生)

廣瀬さん「園・学校側にお子さんの状態をこまかく伝えて」

調布市教育委員会の廣瀬郷さんからは現在の調布市での取り組みの話がありました。
調布市は、2012年に粉チーズ入りのチヂミを食べた5年生女児の食物アレルギーによる死亡事故が発生して以来、ガイドラインや「学校生活管理指導表」の活用により事故防止と緊急対応に積極的に取り組んできました。廣瀬さんの話を紹介します。

「市の入学説明会では、まず学校で対応できることをお話しし、そのうえで対応を希望される方がいれば『学校生活管理指導表』をもとに個人面談をしています。ここではとくに
・アレルギー症状の程度
・アレルギー反応が出たとき家庭ではどのように対応しているのか
といったことを確認します。参考になる資料や書類があれば持参いただき、申告もれがないようにお願いしています。アレルギー症状が重く、アドレナリン自己注射薬を処方されている場合は必ず伝えてもらっています。
調布市ではアドレナリン自己注射薬が緊急時に必要なお子さんの対応についても、日々教職員の研修を行ったり、近隣の病院と連携して迅速な対応をしたりするなどの対策をたてています」(廣瀬さん)

アドレナリン自己注射薬を処方されている場合、春から通う園や学校がどのような対応をしているのか、集団生活に入る前にしっかり確認しておくことが必要なようです。

佐藤先生「専用スマホアプリを活用しても」

セミナーでは、佐藤先生監修のアプリの紹介もありました。2020年2月に登場した『マイエピ』というもので、アレルギーやアナフィラキシーに関する医学的に正しい情報を提供するアプリです。

長谷川さんも『マイエピ』を使ってみたそう。
「アプリには食物アレルギー対応のレシピを見られる機能もあるのがいいな、と思いました。アレルギーの子も、そうでない子も一緒においしそうに食べる様子を見られるのはとてもハッピーですから」(長谷川さん)

関連:年々増加する食物アレルギー、皮膚トラブルとの関係は?

食物アレルギーを持つ子どもが安心して集団生活を送るためには、保護者、医師、園・学校との連携が重要であることがわかりました。正確な情報収集のもと、こまやかなコミュニケーションを心がけたいですね。


(取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部)

■取材協力/マイランEPD合同会社主催「アナフィラキシー啓発メディアセミナー」

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