【中学受験】してよかった派のママの声と、夫婦で話し合うべき3つのこと
小学校中学年くらいになると、中学受験するかどうか検討する家庭もあるのではないでしょうか。今回は、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声から、中学受験をする決め手となった理由と、受験してよかったことを紹介します。また、中学受験を決める前に親が考えることについて、中学受験に詳しい鳥居りんこさんのアドバイスをもらいました。
わが子に中学受験させたいと思った理由
中学受験を選択する理由にはどのようなことがあるのでしょう? その決め手について、ママたちの思いを見てみましょう。
地域の高校の内申制度に納得できなかったから
「住んでいる地域の内申制度に納得できなかったから。美術や体育で5をとるのは無理だろうなというタイプの子で、でも、それなりの公立高校に行くには5が必須。私立高校をみると、通わせたい学校はほとんど中学からの一貫校。出来が良くも悪くもない中間層だからこそ中学受験しました」
子どもが小学校の授業がつまらないと言ったから
「一番の理由が、公立中学では、副教科で内申の期待ができないことと、子どもが小学校の授業がつまらないと言ったことです。その当時は、地元の中学が荒れていたこともあります」
思春期のゆとりを選びました
「寄り道や回り道、時には失敗したり、もがいたりしながら多感な思春期を豊かに過ごすためには高校受験が邪魔だった。これがわが家の理由です。中学受験させるなんて可哀想みたいな論調がありますが、息子曰く、『受験しない友だちに比べれば遊べなかったけど、小学生の遊びは、友だちと公園で遊ぶかゲームしてるくらいだから、中高の遊びの楽しさは、その比では無いと思うんだ』と」
都内の有名私立高校は受験が大変だから
「行かせたい大学附属高校に入るのは狭き門。希望の大学附属に合格するには中学受験した方がまだ入りやすいのではと思い、受験することにしました」
中学受験してよかったことは?
中学受験を通して子どもたちは、どのように成長したのでしょうか。受験したよかったことについて、ママと子どもの声をお届けします。
子どもが何倍も成長したこと
「受験で子どもが何倍も成長しました。受験勉強は苦しいことがたくさんありましたが、受験が近くなってくるごとに子どもの目つきも変わります。入試のときは頼もしいくらい心が強くなりました。そんな姿を目の当たりにできて、とてもうれしかったです。子どもも『受験をやってよかった、苦しいけど楽しかった』と、言っていました」
将来についても真面目に考えるように
「子どもは受験に向けてのものすごい量の勉強をしていた小学生時代を振り返ると戻りたくない過去(笑)と今でも言います。が、勉強をする癖もつきましたし、現在中3ですが、大学の学部をどうするのか結構真面目に考えはじめています。高校受験に縛られていないので、やりたいことへの取り組みが伸び伸びできます」
中学受験するかどうかは、まず家族会議を! 親が考えるべき3つ議題
中学受験は、子どもだけでなく親も考えるべき問題があります。中学受験するかどうかは、『まず夫婦で話し合うことが大切』と、中学受験に詳しい鳥居りんこさん言います。鳥居さんに親の心構えについてアドバイスいただきました。
「中学受験は新4年生になる直前からスタートするのが主流ですが、私は低学年のお子さんを持つ親御さんに、是非、おすすめしたいことがあります。
それは『夫婦でじっくりと“我が家の教育方針”について話し合いをしましょう』ということです。
お子さんは中学受験をする・しないに関わらず、やがては中学生、さらに高校生として成長していきます。子育てに正解はありませんが、できれば両親の思いが一致していることが望ましいのです。例えば父親は「公立派」、母親は「私立中高一貫校派」ということですと、子どもはどちらの意見に従うべきかで混乱してしまうからです。
話し合いの議題は、主に次の3点です。
1 我が家の教育方針
・大学進学、または大学院進学を念頭におくか?
・中高(大)の一貫教育の方が我が子に合っていると思うか?
・地元の縁(例えば、地元密着の自営業の方で跡取りの可能性がある場合、地元の学校出身のほうが事業はやりやすい場合もあります)をどう考えるか?など。
2 中学受験に対する積極的理由、並びに消極的理由
中学受験をすることによって得られるメリット、デメリットを考えます。
例えば、勉強する習慣がつく、知識が豊富になる、勉強の醍醐味が分かる、高校受験がない、大学受験に有利などがメリット。デメリットとしては、勉強漬けになる可能性、家庭が受験一色に染まり、家族団らんも現実的には難しくなるなどが挙げられます。更には、中高一貫校に行った際のメリット・デメリットについても話し合ってください。
3 経済面
これ抜きには受験はあり得ませんので、将来的なシミュレーションは必須です。
・ 小学校6年生から大学4年生までコンスタントに最低年間百万円という金額を負担し続けられるか?(百万円は大雑把な金額ですが、この金額くらいはかかると想定してください)
・ 他の兄弟姉妹にも同じように教育費を捻出できるか?(きょうだい間での教育費格差は、家庭不和の元になりかねませんので注意が必要です)
このような家族会議を行うと、『我が家にとっての中学受験』の是非が冷静に判断できるのではないでしょうか」(鳥居りんこさん)
鳥居さんの親の心構えのアドバイスは、中学受験するかどうかを検討する前に夫婦で考えておきたい内容ですね。たとえ中学受験をしなくても、教育費について家族で話し合うことはとても大切です。家族会議は、中学受験の是非だけでなく、子どもの将来について考えるいいきっかけになるのではないでしょうか。(文・酒井範子)
鳥居りんこさん
2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。最新作は『親の介護をはじめたら、お金の話で泣き見てばかり』(ダイヤモンド社)。執筆・講演活動などを通じて、子育てや受験、就活、介護に悩む母たちを応援している。ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。