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多胎育児、小さく生まれた子の発育発達はいつ追いつく?

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双子、三つ子(以下 多胎・多胎児)は小さく生まれる子が多いため、発育・発達を心配するママやパパも。多胎児の発育・発達の考え方について、双子のママであり、日本多胎支援協会代表理事を務める、十文字学園女子大学教授 布施晴美先生に話を聞きました。

多胎児の約7割が低出生体重児ですが、順調に育っていれば大丈夫と考えましょう

2018年人口動態統計によると、37週未満の早産は単胎児が5%弱に対して、多胎児は51.3%にのぼります。

■単胎・多胎の分娩週数の分布

(2018年人口動態統計より)

また多胎児の平均出生体重は、2200g前後で、約70%が2500g未満の低出生体重児です。ちなみに単胎児の低出生体重児は8%程度です。
そのため多胎児のママやパパは、子どもたちの発育を心配する人が多いのですが、母子健康手帳の身体発育曲線の平均値からはずれていても、カーブに沿って成長していれば大丈夫と考えましょう。ただし発育曲線が横ばいだったり、下降線をたどったりするときは、念のため小児科を受診してください。

運動発達や言葉は緩やかですが、長い目で見守って

妊娠期間が短く、小さく生まれた多胎児は、単胎児と比べると運動発達は緩やかな傾向があります。ママたちからは次のような声も。

●うちは双子ですが、1人は6カ月でハイハイを始めたのに、もう1人の子はハイハイをしません。心配でいろいろ調べたのですが、乳腺炎のときケアしてくれた助産師さんに「その子の個性だと思って!」と言われて安心しました。

●1歳9カ月の男の子の双子ですが、まだ「にゃんにゃん」「ブーブー」など意味のある言葉が出ません。でも大人のマネをしてバイバイをしたり、食べたくないものは「ないない」と言います。1歳半健診で「とにかく話しかけてあげて。宇宙語で話してきたら、おうむ返しでもいいわよ」と言われたので、家では話しかけることを心がけています。

ハイハイやつかまり立ちで差がでることも

運動発達に関しては「首のすわり」と「おすわり」の時期は、単胎児とほぼ変わりません。しかし「寝返り」「ハイハイ」「つかまり立ち」「ひとり歩き」は差が出る子も。早産の場合は、予定日を誕生日と考えて修正月齢で見てください。

多胎児は、言葉の発達も比較的ゆっくりです。原因の1つには、多胎児特有のきょうだい間でしか通じない言葉(ツインランゲージ)を使ってコミュニケーションを図ることが考えられます。ツインランゲージとは、たとえば「いちご」も「りんご」も、子どもたちの間では「ご!」と呼ぶなどですが、無理にツインランゲージは直そうとしなくてOK。
また女の子と男の子だと、女の子のほうが言葉は早い傾向がありますが、気にしないで大丈夫です。
発育も発達も、多少個人差はありますが就学前にはあまり差を感じなくなるので、長い目で見守ってください。心配なときは多胎児向けの育児書などを参考にしたり、子育て相談や乳幼児健診で相談しましょう。(図版提供/布施晴美先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)

■ふたごポケットブックシリーズ

一般社団法人日本多胎支援協会が発行している「ふたごポケットブックシリーズ」は、「ふたごの発育と発達」「ふたごの授乳~同時授乳~」などテーマ別に、多胎育児のキホンを紹介。ママの悩みを解決します。各300円(税込み・送料別)。

運動発達のペースは、一卵性は比較的似ており、二卵性はあまり似ない傾向が。また、一卵性でも体重差があると発達のペースが異なります。あんよなどにも差が見られることもありますが、布施先生によるとそんなときママやパパに心がけてほしいのは、あんよができた子を「すごいね! あんよ上手ね」とほめたら、もう1人の子には「おすわり上手ね~」と同じようにほめてあげることです。子どもたちはそれぞれ自分のペースで発達しており、それを認めることが大切です。こうしたかかわり方を続けることで自己肯定感がはぐくまれ、多胎児の場合は、将来、きょうだい同士で、お互いのいいところを認め合う関係がはぐくまれます。

*文中のコメントは口コミサイト「ウイメンズパーク」の投稿からの抜粋です。

■監修/布施晴美先生
(十文字学園女子大学人間生活学部 人間発達心理学科 教授、一般社団法人日本多胎支援協会代表理事)

聖路加国際病院小児病棟看護師、埼玉県立大学短期大学部看護学科講師などを経て現職。専門は乳幼児の育児支援、多胎児家庭への支援。一卵性双生児のママでもあります。

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