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今年度から小学校でも「英語」が必修化。英語の早期教育は必要なの? 「英語よりもまずは日本語を」と言われる理由は? 専門家が解説!

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ポルトガル語;果物名フラッシュ カードで新しい言語を学習
EikoTsuttiy/gettyimages

小学校から外国語活動が必修化されたこともあり、気になる英語教育。英語は早くから始めたほうがよいのか…さまざまな意見があるようです。口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられたママたちの声とともに、勉強のやり方を教える塾プラスティーの塾長である八尾直輝さんがアドバイスします。

小学校からの英語教育に過敏に反応してしまう!

まずは、ママたちの意見を聞いてみましょう。

あまりに早いと日本語に影響があるかも

「まだ日本語すらあやふやな時代に、半端に英語を『詰め込む』ことには懐疑的です。英語に触れる程度ならいいと思いますが。幼児教育の専門の方から、日本語がちゃんと使えなくなるなどの影響が出るとも聞きました。そして国語や日本語に対する理解が苦手になり、両方とも半端になるという話も。私は小学校からで十分だと思っていますし、小学校からなら別に『早期』じゃないと思います」

私は早期教育を受けましたがまったくダメ

「私自身が早期教育を受けました。3歳からECCに通い、小学校は私学だったので小1からネイティブの教師による英語の授業が週4時間。留学にきていたカナダ人の方の奥様に家庭教師してもらっていた時期もあります。でも中学に入り、本格的に英語の授業が始まって、中2の終わり頃には危うく、高3まで英語は常に赤点ギリギリでした。大学では1年で英語だけ単位を落として大変な目にあいました。だから、早期教育しても無駄な人は一定数いると思います」

英語教育よりも日本語とコミュニケーション力を

「『早期に英語を耳に入れないと、発音が悪くなる』とは、よく言われることですが、中学以降英語をやり始めたとしても、努力次第でネイティブ並みに上手にしゃべれる人もいます。
また、仕事で英語を使ったことがある人ならわかると思うのですが、発音が悪くても意外と通じます。日本人は『英語の発音はよくなきゃいけない』という観念にとらわれ過ぎだと思います。発音が悪くて恥ずかしいと話すのに躊躇してしまい、英語が身につかない悪循環に陥りがち。
発音や正確な英語を身につけようとするよりも、ボキャブラリーと文法とコミュニケーション力のほうがよっぽど大事だと思います。だから私は、小さいころは英語に費やすより、まずは日本語やコミュニケーション力をつけさせたいと考えています」

必ずしも必要ではないけれど、やるなら英語が好きになることを意識して

自分自身の経験も踏まえ、英語の早期教育には懐疑的な人もいるようです。そこで、教育の専門家・八尾さんにも話を聞いてみました。

「英語の自宅学習をどうするべきか悩みますよね。早期教育が必要というのもわかるけれど、これからはAI機器による同時翻訳が可能になる時代で、英語はそこまでマストではなくなるという話も聞きます。とはいえ大学受験では英語が相変わらず幅を利かせている…。
正解のない難しい問題だと思います。

注意したいのは、母語としての学びと、第二言語としての学びには違いがあるということです。
母語としての学びは、英語が自然と使われる環境の中で『体得』していくものです。人とコミュニケーションをとることに主眼が置かれ、たくさんの経験でトライ&エラーを繰り返し習得していくのです。

この学びはその子にとって言語を学ぶという意識はありません。あくまでもコミュニケーションの過程で言語を学んでいくのです。ここでいうコミュニケーションとは双方向性のあるものを指します。そういう意味で早期教育として『ただ英語の音声を聞き流す』といった、一方通行な学習はあまり効果的でないといえるでしょう。

一方で、ちょっと難しいですが、第二言語の学びには『メタ言語能力』が大きく寄与します。メタ言語能力とは語弊を恐れずに言うなら『言語センス』のようなものです。

第一言語として母語を習得する際に、この言語センスが磨かれ(=メタ言語能力が向上し)、その後に学ぶ第二言語の習得に有利に働くと考えられています。

例えば、日本語で知った文法の法則を応用して、英語の文法を学ぶのも『メタ言語活動』と言えます。日本語で『食べる→食べること』のように“こと”を付けると動詞が名詞に変わるということを知っていれば、英語で『play→playing』という動名詞の作り方も理解しやすい、という具合で
す。

『英語よりもまずは日本語を』という考えを聞くこともあるかと思いますが、それは以上のような考えによるものです。メタ言語能力が十分に育っていない状況で第二言語を学ぶのは、そういう意味で少し難しいといえるでしょう。

では英語の早期教育は無用なのでしょうか。

結論からいうと、注意点を守って取り組めば効果的と言えます。中学校に入るまでの英語学習に関しては、『英語嫌いにならないか』が超重要です。今はいつでもどこでも英語を学べる時代です。少しの遅れは英語が嫌いでなければ、挽回できます。逆に一度嫌いになってしまうと、克服するのはとても難しいのが実情です。

子どもが興味関心を示すかどうかは、触れてみなければわかりません。積極的に英語に触れる機会を作り、子どもが楽しめるようであれば、早期からの教育もけっして悪いことではありません。
『嫌いにならない範囲で、積極的に』をモットーに、英語を学ばせていってもらえればと思います」(八尾直輝さん)

母語と第二言語の学び方はそもそも違うものなのですね。いずれにしても、お子さんの興味関心をまず知ることが第一歩のようです。(文・橋本真理子)


八尾直輝さん
1987年、福岡県福岡市生まれ。勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を創業、現在は取締役・塾長として、会社の経営、塾の運営全般に関わっている。共著に『子どものやる気を引き出すゲーミフィケーション勉強法』(講談社)、執筆協力に『中学生からの勉強のやり方』『図解 中学生からの勉強のやり方』(ともにディスカバー・トゥエンティーワン)がある。

■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。

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