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【小児科医リレーエッセイ 2】子育ては100点を取らなくていいんです。70点で「ま、いっか」ぐらいで。

アジア親手保持新生児指
※写真はイメージです
paulaphoto/gettyimages

「赤ちゃん、なんで泣きやまないの?」「どうしてうちの子これができないんだろう」「このイヤイヤはいつまで続くの」など、日々の子育ては、限りない悩みがどんどん出てくるもの・・・。「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生たちから子育てに向き合っているお母さん・お父さんへのメッセージをお届けします。第2回は熊本天草・しまだ小児科の島田康先生です。開業して31年のベテラン先生の話を聞いてみませんか。

『年寄りのお節介』かもしれないけれど、役立つ話があるはず

昭和最後の年に故郷天草に小児科医院を開業しましたので31年がたちました。開業当初の赤ちゃんが、いつの間にか子どもさんを連れて来られる年齢になりました。そんなとき、赤ちゃんは、昔のお父さん・お母さんにそっくりなので、ついつい、年寄りのお節介をしたくなってしまいます。
昔から年寄りは、何かあれば、「今の若い人たちは」とか「昔はこうだった」とか言いがちです。自分も言われて煙たがっていたはずなのに、すっかり忘れて、これを言ってしまっています。
まだ、小児科医になりたて大学病院にいたころ、大先輩(小児科医)から、「孫ができて一人前だよ」と言われたことがありますが、今なら「なるほど納得」です。子育てを終え、孫ができ、わが子たちの子育てを見ていると、自分の育て方の結果がよく見えてきます。

『子育ては親子のバトル』です。赤ちゃんは大した戦術家なんです。

子育ては親子のバトルです。赤ちゃんは、赤ちゃんで、思春期は思春期なりに、反抗期は反抗期なりに親子バトルがあちこちで繰り広げられていることでしょう。そしてお母さん・お父さんは、そんな生やさしいバトルではない、と憤慨する人から、バトルを楽しめている人までさまざまでしょう。
それにしても赤ちゃんは大した戦術家と思いませんか。だいたい初めてのお子さんの場合は、両親二人を相手にしてもバトルに勝っていきます。まず負けることはないですね。どうして、あんなにかわいい顔をして、二人の大人を相手にしても勝てる策略を立てられるのでしょう。親の反応が鈍いなと思ったら「とりあえす、泣いておこう」となりますね。たまには、親も怒ってしまいますが、そんなとき赤ちゃんは、内心「にやり」と笑って(?)、怒った親の声よりさらに大きく泣きます。そうすれば、まあ今回も自分が勝つだろうと予想しています。そうやってかわいいギャングたちは、親の扱い方を習得していきます。

『 children's see, children's do』。子どもたちは親の反応をしっかり見ています

子どもたちは、しっかりと親の反応を見ている、ということに気づきませんか。0才代でも「バア」と言えば、「キャッキャッ」と笑い、1才代では「こんにちは」も「いただきます」もできますね。喜べば、喜びで返してくれる。純粋に楽しいですよね。そして親の反応を見ながら育っていきます。
でも赤ちゃんが泣き出すと、お話ができないし、お母さん・お父さんは困ってしまうことが多いようです。そんなときに「あら、何かご用ですか?」と声かけをしてみませんか。泣きやめばしめたものです。でもたいていは、まだ泣き続けるでしょう。「なんで泣いてるんだろう」と心配顔を見せると、「しめた、お母さんの気を引けた」、とばかりに、赤ちゃんの泣き声はさらに大きくなることも。「お母さん忙しいからしばらく待って、泣いていて」と上手にはぐらかすことができれば、「反応がないか、ま、いっか」と、いつの間にか泣きやむかもしれません。
もちろん、「あら、何かご用ですか?」と言いながらも赤ちゃんの様子を一通りチェックはしておきましょう。余裕を持ったフリしただけでも、安心したのか、コックリ、コックリを始めるかもしれません。

満点の育児法はありません。『70点で、ま、いっか』と思って。

最初からゆとりを持って育児ができる方は、そういないと考えます。もちろん私もそうでした。最近のお母さんは、知識欲が高く、それはいいことだと思います。でも試験で100点満点を取るつもりで子育ての勉強をするより、70点ぐらいでやめておいて、30点分は余裕として残してはいかがでしょうか。もちろん満点の育児法というのもありませんし、ゆとりを持つためには知識も必要です。
だれもが不安を持ちながら育児をしているのはわかります。でも、不安で不安を生むより、完璧でなくても残り30点を「ゆとり」として持ちませんか、そのために赤ちゃんが泣いたときの第一歩は、あわてずに「あらあら、どうしたの」と声かけをしてみませんか。

毎日の育児に余裕を持って向き合うために、育児の歴史がいっぱい詰まった年寄りの話をたまには聞いてみるのもいいかもしれません。かわいいギャングの策略にのらない工夫が見つかるかもしれませんよ。泣きやまない赤ちゃんに「はいはい、お母さんが抱っこしますよ」と言って子守歌でも一曲歌いましょうか、そして落ち着いたら一緒に横になってみましょう。いつの間にか、ちびっこギャングもすやすや、そしてお母さんもすやすや、こんな『居眠りもできる』ゆったり育児はいかがでしょうか。
文/島田康先生
(しまだ小児科・院長)

久留米大学医学部卒業後、同大小児科で感染症グループにて小児科医療に従事。大学時代から研修医までをほぼ久留米で過ごす。その後麻生飯塚病院などを経て1988年にしまだ小児科開業、翌年院長に就任。祖父の代から3代目。日本小児科学会、日本小児科医会など所属学会多数。子ども4人、孫10人。

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