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【新型コロナ】BCGワクチン、乳児の分を奪わないで 小児科医に聞く

おなかの時間を持つ赤ちゃんの少年
※写真はイメージです
nanausop/gettyimages

ひよこクラブでも監修医として長年お世話になっている陽ちゃん先生こと、吉永陽一郎先生が、2020年4月7日、患者さんに向けて「当院では乳時期の赤ちゃん以外の人にはBCGを接種することはありません」とのメッセージを出しました。
新型コロナウイルスによる感染症に有効かもしれない、ということで成人への接種が増えているため、生後5カ月から接種が開始され、結核を予防するBCGワクチンの不足がしているというのです。配信をした吉永小児科医院の院長吉永陽一郎先生に2020年4月10日時点でわかっていることについて聞きました。

BCGとは? その重要性

――BCGワクチンが新型コロナウイルスによる感染症に効果があるかもと世間では話題になっています。その影響が乳児に及んでいるということでしょうか?


吉永先生 今年の初めまではあった、BCGワクチンが、いまや製薬会社に依頼しても入ってこない。このままでは赤ちゃんのためのワクチンがたりなくなってしまうと感じています。BCGを受けている国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)での死亡率が低いらしいということが話題になり、本来接種するべき乳児期以外の人が接種を希望しているからだと考えられています。

――BCGワクチンは新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ効果があるのでしょうか?


吉永先生 新型コロナウイルスは、新しいウイルスですので、まだわからないことばかりです。現段階ではBCGワクチンが定期接種されている国では新型コロナウイルスに感染したときの死亡率が低いということは確かなようです。しかし、本当に直接重症化を防ぐ効果があるのかないのかはわかっていません。

日本ワクチン学会は、4月3日に「『新型コロナウイルスによる感染症に対して BCG ワクチンが有効ではないか』という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない」との見解を出しています。

エアコンをつける季節になると、日焼けをする人が増えてきます。相関関係があります。でもだれもエアコンのせいで日焼けをしたとは考えません。両方とも、夏になり日差しが強くなったり気温が上がったのが原因です。相関関係があることと、因果関係があるかどうかは別なのです。


――結核は、日本ではまだ流行っているのでしょうか?


吉永先生 日本ではまだ患者がいます。死因の1位が結核というのは昔の話ですし、現在はかかってしまった成人の多くは適切な治療によって治ります。しかし家族や身近に患者がいたら、その患者がせきやくしゃみをしたときに飛び散った結核菌を、免疫がない人が吸い込むと感染します。赤ちゃんは重症化しやすい病気ですので、的確に免疫をつけてあげる必要があります。諸外国と違って、日本は毎年1万5000人ほどの患者さんが出ていて、決して終わった病気ではありません。オリンピックまでになんとかもっと減らせないかと、国が考えている病気でもあります。


――ワクチンが必要ならば、たくさん造ることはできないのでしょうか?


吉永先生 日本では現在乳児の定期接種のために造られていて、定期接種は0歳児を対象にしています。ワクチン製造会社は年間の出生数を踏まえながら計画的に製造をしていて、生まれた赤ちゃんの数ほどしか造られていません。つまり言い方を変えれば、今造られているBCGは、だれか受ける予定の赤ちゃんがいるということです。対象外の人は、それを横取りして接種していることになります。しかも、大人であれば多く人は、小さいころにBCGを受けています。受けていないような高齢の方は、どこかで結核の方と接触しているかもしれません。そうすると、BCGワクチン接種で強い反応が出るかもしれません。製造には半年以上の時間がかかるため、不足した分を急に補うことはできないのです。

取材・文/ひよこクラブ編集部

ワクチン学会の見解でも「本来の適応と対象に合致しない接種が増大する結果、定期接種としての乳児への BCG ワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない」とあります。
「高齢者を含めて、大人へBCGを接種することは、効果もはっきりせず、また、どんな副反応が出るのかもわかりません。数に限りがあるBCGを、これから受ける予定の乳児がいます。ワクチンで防げることがわかっている病気については、まず予定された赤ちゃんにしっかり受けさせてあげましょう」(吉永先生)

お話/吉永陽一郎先生
国内初の子育て専門診療科である聖マリア病院母子総合医療センターの「育児療養科」科長などを経て、現在は福岡県久留米市の吉永小児科医院・院長。


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