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【小児科医リレーエッセイ 6】 コロナに負けない!思いっきり遊んで、子どもの心を育てよう

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ご家族で楽しんで白のベッド
※写真はイメージです
RyanKing999/gettyimages

気候がよくなってきて、草木も育つ季節になりました。外遊びやお出かけを楽しみたいところですが、今の日本の状況はそれが許されそうにありません。「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方から、育児に向き合っているお母さん・お父さんへのメッセージをお届けしている連載の第6回は、佛教大学社会福祉学部教授の武内一先生です。大型連休で家族で過ごす時間が長いからこそ、やっておいたほうがいいこと、あきらめなくていいことがあると武内先生は言います。

大型連休、ぜひ人が少ない場所、時間帯にお散歩を 

みなさん、この大型連休、どう過ごそうかとお悩みのことでしょう。でもなかには、もう長く子どもたちが家で過ごすのには慣れてきていて、こんなふうに過ごしたら楽しいよ〜!そんなご意見もあるかもしれませんね。SNSとのつながり、怪しい情報に注意が必要ですが、安心情報もたくさんあります。いい情報、上手に見つけてくださいね。

家での遊びとこのコロナ感染とを考えてみました。世界中が新型コロナウイルス感染症の大流行という前例のない危機に見舞われています。日本も感染爆発を抑えつつある今、再度燃え上がらせないように、大型連休は自己隔離で過ごさないといけないのですが、私は、子どもさんとみなさんが家に閉じこもる必要はないと思います。
朝早くだとか人の少ない時間帯と場所を探し、ぜひ近所の小道や公園へのお散歩も取り入れてお子さんとの時間を上手に過ごしください。

スペインやイタリアは、ピークは過ぎつつあるようですが、まだまだ大変な状況です。アメリカの一部の地域では、それを上回る惨状に直面しています。日本はいったんはみなさんの努力で、感染拡大が抑えられそうにもみえます。
でもこの波は数次にわたって襲ってくるでしょう。大型連休はそんな意味でとても大事ですね。世界の状況を共有しながら、「オール・バイ・マイセルフ」聞いてみてください。一人で生きようと思わないで支え合おう、そんなメッセージを込めたヨーロッパの演奏家によるオンライン上演、私は思わず目頭が熱くなりました。音楽ってすてきですね。

オール・バイ・マイセルフ

マイナスな気持ちから子どもを守る「遊び」をどんどん取り入れて

こんな時だからこそ、あなたのお子さんを豊かに支える方法が、家での遊びにあります。普段はなかなか難しかった少しの時間を作って、あなたとあるいはあなたのパートナーと、子どもたちとの一緒の遊びをしませんか。それはお子さんにとってはもちろん、あなた自身の気持ちの落ち着きにも、とても役立ちます。
遊びは、心にいだくマイナスな気持ちからお子さんを守ってくれます。
遊びはとてもいいことです。たとえばこんなよさがあります。
・遊びは創造性と強く結びついているので、想像力を養います
・遊びの中で子どもたちは、言葉にしたりやってみたりすることを通じて考える力を育ててくれます
・遊びを通じて、あなたがイライラし心配させられる「何か」をやらかし、それを繰り返すかもしれませんが、それも子ども自身が物事を理解する大事なステップです
・激しい感情を遊びの中で表現するかもしれませんが、それも気持ちをコントロールできるための助けになります
・遊びを通じて、まわりのお友だちや自分自身を傷つけないで、怒りやイライラを上手に表現できるようになります

そんなふうに遊びは、物事に対処できる子ども自身の強さや適応の幅を広げる大事な経験なのです。
長い間家にいて、日常生活の安心の繰り返しだった保育所や幼稚園などの大切な場所から物理的に離れて家で過ごすことは、ほとんどのみなさん、そしてもちろん子どもたちにとっても新しい状況です。だからこそ、しっかり遊んでほしいです。

子どもが大人が期待する遊びをしていなくても怒らないで

でも、そう簡単にいかないよう・・・。子どもを見ていると、こちらの期待しない方法で遊びだしたり、遊びがより幼い時に楽しんだものに戻ったりするかもしれません。それはまだ受け入れられても、病気、喪失、死につながるゲームをしたがるかもしれません。遊びは、欲求不満、退屈、混乱などの感情を示すものでもあるからです。
その時は、ダメだと決めつけてやめさせるのではなく、まずお子さんの気持ちを聞いてみてください。それでもあなたの気持ちがかき乱されたままでしたら、おやつの時間などに場面を切り替えてみてください。
遊ぶことは、子どもたちがストレスをうまく処理して自分がおかれた状況に折り合いをつける大事な方法です。ですから、子どもが苦痛を感じたり、遊びに行き詰まっているように見えたりしない限り、それも子どもたちの問題への対処方法なのだと思ってそっと見守ってください。お子さんが普段から頼りにしている一緒に遊ぶ物や毎日遊ぶ時間と場所があるようにしてあげてください。
スウェーデンの3歳の女の子を保育園に預けているお母さんは、「保育園児や幼稚園児が家で過ごす場合、園でのスケジュールを取り入れるのもいいですよ」と、教えてくれました。たとえば、こんな感じです。絵本読み聞かせ→お絵描き→朝のおやつ→自由遊び→お昼ごはん→リラックスタイム→ゲーム→午後のおやつ・・・です。その中に、公園へのお散歩など戸外で過ごす時間を加えてもいいでしょう。夕食後子どもたちを寝かせたら、親はオンデマンドで映画を見るとか、自分たちの時間も大切にしてね、とアドバイスしてくれました。

いつもより長い時間、お子さんが家にいることで、あなたはお子さんの遊び方がみえてくるでしょう。それは、あなた自身の遊び心を楽しむチャンスだし、一緒に遊ぶことで心がホッとできます。遊びの様子を見ていると、時には一人で遊びたがるでしょうし、時にはあなたと遊びたがるかもしれません。あるいはペットや人形を仲間に加えて遊びたいのかもしれません。あなたが、こうしたお子さんの遊びに注意を払う機会をもてることで、お子さんをよりよく知ることができて、子どもへの理解がきっと深まり、もっとすてきなあなたになれます。
タイで学校の先生をしている友人から、こんな動画をいただきました。やってみようかな〜!
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文/武内 一先生
(スウェーデン ウメオ大学客員研究員・佛教大学社会福祉学部教授)

1983年滋賀医大を卒業。2009年より京都にある佛教大学社会福祉学部教員として、社会小児科学の視点で子どもの問題を捉えることを意識しながら、子どもの貧困の解決、子どもの権利の拡大を研究テーマにしている。2017年よりスウェーデン ウメオ大学客員研究員。

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